長谷部
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朝に強いのが私の長所で、だから今の状況はつまりそれが存分に発揮された結果と言えるんではなかろうか。
起き抜け一発目にしては中々によく回る頭で考える。
この際だから隣に眠る彼の、きれいな寝顔を余すところなく鑑賞させてもらうことにしたので、遠慮なくじろじろと視線を注ぐ。
意外と柔らかい髪の毛がかかるおでこやら、長いまつげやら、高い鼻やら、神経質そうな頬のラインやらを。
こうしてみると随分と幼い顔立ちをしている。
私の方に伸ばされた指先がぴくりと動くので、なんの気はなしに触ってみたら反射なんだろうか、指を絡められたので変な声が出た。ひぇっ、とかひょっ、とかそんな感じの。
それでも彼は目を覚まさない。
「……長谷部くん、朝だよ」絡めた指先にほんの少しだけ力を込めて揺らしてみる。
「んん」、とか「ああ」とか要領の得ない返事、普段なら考えられないくらいに緩みきった声、を返すので笑ってしまう。
「長谷部くん、朝だよ」
「…………ああ………」
「あーさ」
「あさ」
掠れた声が私の言葉をオウム返しにする。かっわいいなあああもう、早朝だというのに信じられないくらいのハイテンションが私を襲ってきて、どうしよう今なら何でもできる気がする。
そんな興奮を抑えながらなるべく穏やかな口調で話しかけてみる。折角だから。減るもんじゃないし。
「とりあえずさあ、ちょっと起きるだけ起きてみたら」
「……ああ、」
「よいしょ」
「…………」
手を引いてみたら意外にすんなり起き上がるので、えらいえらい、と声をかけてあげた。「……ああ、どうも」いまいちわかってるんだか何なんだかわかんない返事だ。いや、わかってないなこれは。
上半身だけ起こした状態でおでこに手を当てて微動だにしないので流石に心配になってくる。かわいいっちゃあかわいいけども。
コーヒーを二人分入れて戻ってきてみたら、長谷部くんはさっきと全く同じ姿勢でいたのでちょっと笑った。
「長谷部くん」
「………ああ、わかってる…」
「コーヒーのむ?」
「ああ」
手渡されるがままにコーヒーを受け取り、言われるがままに口をつけるのを見て思わず「長谷部くんさあ、大丈夫? 知らない人からもらったお菓子とかお茶とか絶対そんなふうに無抵抗で食べちゃだめだよ?」などと阿呆な事を口走ってしまったまあ向こうは聞いちゃないだろうからノーカンだけど。
「おいしい?」
「ん、うまい、っ…………」
「お、どうしたどうした」
なんて無防備な。大丈夫か。大丈夫なのだ。だって長谷部君は私の恋人なんだから。私が絶対守ってあげる。いいだろ私のだぞ絶対誰にもやんない。
にやにやと緩む頬を隠しもせず見つめるうちに、不意に長谷部君が目を見開いた。マグカップを押し付けられるのでとりあえず受け取ってあげた。
「………あー」、呻くような声。頭を抱える様子がまた可愛らしいのでとりあえず髪を撫でてみた、ら、大きな手に捕まえられる。指先に唇が落とされる感触。視線がかち合って三秒。
「……………おはようございます、主」と、小さな声で言う長谷部くんの耳が言い逃れしようがないくらい真っ赤なのでやっぱり、あああ可愛いなあほんと!! と、信じられないくらいのテンションが私をおそう。早朝だというのに。
それを悟られないようににっこりと笑って、至極平坦な声で私は言うのだ「おはよういい朝だね」なんつって。長谷部君が照れ隠しに強引に抱きしめてきたりなんかするから、そうつまり、朝に強いのが私の長所で、今の状況はそれが存分に発揮された状況だと言えるんではないだろうか。
起き抜け一発目にしては中々によく回る頭で考える。
この際だから隣に眠る彼の、きれいな寝顔を余すところなく鑑賞させてもらうことにしたので、遠慮なくじろじろと視線を注ぐ。
意外と柔らかい髪の毛がかかるおでこやら、長いまつげやら、高い鼻やら、神経質そうな頬のラインやらを。
こうしてみると随分と幼い顔立ちをしている。
私の方に伸ばされた指先がぴくりと動くので、なんの気はなしに触ってみたら反射なんだろうか、指を絡められたので変な声が出た。ひぇっ、とかひょっ、とかそんな感じの。
それでも彼は目を覚まさない。
「……長谷部くん、朝だよ」絡めた指先にほんの少しだけ力を込めて揺らしてみる。
「んん」、とか「ああ」とか要領の得ない返事、普段なら考えられないくらいに緩みきった声、を返すので笑ってしまう。
「長谷部くん、朝だよ」
「…………ああ………」
「あーさ」
「あさ」
掠れた声が私の言葉をオウム返しにする。かっわいいなあああもう、早朝だというのに信じられないくらいのハイテンションが私を襲ってきて、どうしよう今なら何でもできる気がする。
そんな興奮を抑えながらなるべく穏やかな口調で話しかけてみる。折角だから。減るもんじゃないし。
「とりあえずさあ、ちょっと起きるだけ起きてみたら」
「……ああ、」
「よいしょ」
「…………」
手を引いてみたら意外にすんなり起き上がるので、えらいえらい、と声をかけてあげた。「……ああ、どうも」いまいちわかってるんだか何なんだかわかんない返事だ。いや、わかってないなこれは。
上半身だけ起こした状態でおでこに手を当てて微動だにしないので流石に心配になってくる。かわいいっちゃあかわいいけども。
コーヒーを二人分入れて戻ってきてみたら、長谷部くんはさっきと全く同じ姿勢でいたのでちょっと笑った。
「長谷部くん」
「………ああ、わかってる…」
「コーヒーのむ?」
「ああ」
手渡されるがままにコーヒーを受け取り、言われるがままに口をつけるのを見て思わず「長谷部くんさあ、大丈夫? 知らない人からもらったお菓子とかお茶とか絶対そんなふうに無抵抗で食べちゃだめだよ?」などと阿呆な事を口走ってしまったまあ向こうは聞いちゃないだろうからノーカンだけど。
「おいしい?」
「ん、うまい、っ…………」
「お、どうしたどうした」
なんて無防備な。大丈夫か。大丈夫なのだ。だって長谷部君は私の恋人なんだから。私が絶対守ってあげる。いいだろ私のだぞ絶対誰にもやんない。
にやにやと緩む頬を隠しもせず見つめるうちに、不意に長谷部君が目を見開いた。マグカップを押し付けられるのでとりあえず受け取ってあげた。
「………あー」、呻くような声。頭を抱える様子がまた可愛らしいのでとりあえず髪を撫でてみた、ら、大きな手に捕まえられる。指先に唇が落とされる感触。視線がかち合って三秒。
「……………おはようございます、主」と、小さな声で言う長谷部くんの耳が言い逃れしようがないくらい真っ赤なのでやっぱり、あああ可愛いなあほんと!! と、信じられないくらいのテンションが私をおそう。早朝だというのに。
それを悟られないようににっこりと笑って、至極平坦な声で私は言うのだ「おはよういい朝だね」なんつって。長谷部君が照れ隠しに強引に抱きしめてきたりなんかするから、そうつまり、朝に強いのが私の長所で、今の状況はそれが存分に発揮された状況だと言えるんではないだろうか。