松・シリーズ
名前変換
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最悪な夢を見た。
私は小学生で、この家に貰われてきたばかりだった。大人の人たちに囲まれて家から10メートル位の所にいた。怖かったけど理由が思い出せない。覚えてるのは緑色のパーカーを着た背中と聞き覚えのある、
「ねえ」
「……………、?」
聞き覚えのある声、に、目を開ける。天井。と、困ったみたいな顔の三番目の兄。頭が痛い。「お前ね、」いつものように怒ったようなあきれたような声を聞く。何故かそれに安心して、しかもちょっと嬉しい感じになって、そんな自分が何か嫌で、とにかく八方塞がりでどうしようもない気がして涙が出てくる。で、泣くと頭がいたくなってそれで更に涙が出る。
…右手の薬指の第一関節が、ちょっと曲がってるんだよなあ。
チョロ松兄さんの手の動きを目でおいながらそんな事をふと思い出した。無駄に綺麗なチョロ松兄さんの手がタオルを氷水につけて、絞って、そのまま眼前に迫ってくる。なんの気はなしにその手を掴んでみたら、自分の右手の包帯がものすごく主張しててみっともない。「何」味気もそっけも温度もない声。当たり前だけどチョロ松兄さんの手を掴んでみたところで何がどうなるわけでもない。チョロ松兄さんが巻いてくれた包帯を、みっともないとか思いつつも私が律儀にそのままにしておいたところで、何がどうなるわけでもないのだ。当たり前だけど。
「…名前」
離せともやめろとも言われないからそのまんま手首をつかんだままでいた、ら、困ったみたいな顔のチョロ松兄さんが少しだけ表情を和らげる。「ちょっと何、何がしたいの?」何がしたいのかなんてそんなのこっちが聞きたい。涙が耳まで流れてきて冷たくて嫌だ。「うう、………わかんないあたまいたい」呂律が回らないうえに涙声。それがおかしかったのかチョロ松兄さんが笑う。
「ああもう、ほんと、しょうがないなあ」なんだその、満足げな声は。当然のように私が掴んでた手をほどかれる。別にそれが悲しいって訳ではない。さっきまで私が掴んでた手がおしぼりをおでこにのせてくれて、それからほんの一瞬だけ頭を撫でられる。だからってそれが、別に嬉しいとかそんな訳じゃない。うっすらにじんだ視界の端でチョロ松兄さんはやっぱり困ったみたいに笑って見せた。どこにもいかないんだ。ここにいてくれるんだ。だからってそれが何だっていうんだろう。理由はわからないけど安心して眠くなって、そこからまぶたを閉じるまでの間中ずっと、呪文みたいに同じ言葉を頭で繰り返していた。
…あんたの事なんて好きじゃない、好きじゃない、好きじゃない好きじゃない好きじゃない好きじゃない、
目を閉じたらさっきの最悪な夢が、極彩色で展開する。足がすくむ私を無理やり引っ張って逃げ出してくれたのは、