アイドリング
「ねえキノ、次の国でアイドル目指してみようよ!」
「目指さないよ」
「えー、せっかく歌が上手なのにもったいない。キノさえその気になってくれれば、こっちは全力で風呂で臼するのになー」
「……“プロデュース”?」
「そうそれ!」
「モトラドのプロデューサーなんて、聞いたことがないけど」
「だからいいんじゃん! 旅人のアイドルとモトラドのプロデューサーだよ? レアだよ! 話題になるよ!」
「まあ、珍妙な組み合わせではあるね……」
「売れるよ。売ろうよ」
「売らないよ。──そんなにやる気なら、いっそのこと、エルメスがアイドルになればいいじゃないか。モトラドのアイドルなんて世界初かもしれないよ」
「あ、それも悪くないかもー。そんでその時は、キノはプロデューサーやってくれるの?」
「プロデュースするかは分からないけど、デビューライブには行くだろうね」
「ホント! それじゃあ、一番良い席用意してあげる。それに、サイン第一号もキノにあげるね」
「とても光栄だけど、どうやってサインを書くつもりなんだい?」
「そりゃもちろん、キノに書いてもらうんだよ!」
「ボクは全然もらった気がしないよ、それ」
「いやあ、ワクワクするねえ。次の国でスカウトされちゃわないかな!」
「そんな都合のいい展開はなかなかないと思うよ、エルメス」
「旅人さんにモトラドさん! 我が国でアイドルとしてデビューしませんかっ?」
「…………」
「ほら! ほうらキノ! あったでしょ! ねっ! ねっ!」
「なんか釈然としない……」
「どうでしょう? 旅人さんとモトラドさんのアイドルユニットなんて我が国初──、いえ、きっと世界初ですよ!」
「しかも一緒にデビューできるよ! こんな機会は滅多にないよ! キノ!」
「いや、その……」
「ねえキノ、いいでしょ? いいでしょ? 一緒にアイドルやろうよー」
「どうでしょう? 旅人さん。もちろん無理強いなどはいたしませんが、どうか考えていただくだけでも」
「えっと……」
「やります! ボクとエルメスでアイドルユニット結成します!」
「エルメス、ボクの声真似で勝手に喋らないで」
「目指さないよ」
「えー、せっかく歌が上手なのにもったいない。キノさえその気になってくれれば、こっちは全力で風呂で臼するのになー」
「……“プロデュース”?」
「そうそれ!」
「モトラドのプロデューサーなんて、聞いたことがないけど」
「だからいいんじゃん! 旅人のアイドルとモトラドのプロデューサーだよ? レアだよ! 話題になるよ!」
「まあ、珍妙な組み合わせではあるね……」
「売れるよ。売ろうよ」
「売らないよ。──そんなにやる気なら、いっそのこと、エルメスがアイドルになればいいじゃないか。モトラドのアイドルなんて世界初かもしれないよ」
「あ、それも悪くないかもー。そんでその時は、キノはプロデューサーやってくれるの?」
「プロデュースするかは分からないけど、デビューライブには行くだろうね」
「ホント! それじゃあ、一番良い席用意してあげる。それに、サイン第一号もキノにあげるね」
「とても光栄だけど、どうやってサインを書くつもりなんだい?」
「そりゃもちろん、キノに書いてもらうんだよ!」
「ボクは全然もらった気がしないよ、それ」
「いやあ、ワクワクするねえ。次の国でスカウトされちゃわないかな!」
「そんな都合のいい展開はなかなかないと思うよ、エルメス」
「旅人さんにモトラドさん! 我が国でアイドルとしてデビューしませんかっ?」
「…………」
「ほら! ほうらキノ! あったでしょ! ねっ! ねっ!」
「なんか釈然としない……」
「どうでしょう? 旅人さんとモトラドさんのアイドルユニットなんて我が国初──、いえ、きっと世界初ですよ!」
「しかも一緒にデビューできるよ! こんな機会は滅多にないよ! キノ!」
「いや、その……」
「ねえキノ、いいでしょ? いいでしょ? 一緒にアイドルやろうよー」
「どうでしょう? 旅人さん。もちろん無理強いなどはいたしませんが、どうか考えていただくだけでも」
「えっと……」
「やります! ボクとエルメスでアイドルユニット結成します!」
「エルメス、ボクの声真似で勝手に喋らないで」