行き過ぎて後に
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行き過ぎて後に
東雲家の墓の前で俺は目を開いた。これまでの俺の軌跡が脳内に溢れていたが、そろそろ現実を見なければならない。ジョカを失い生き延びてしまった俺が、何をするべきなのか。墓は何も答えてくれない。ただ、ここに死者の骨が眠ることを知らせているだけだ。俺は左手で首元の指輪に触れた。俺がつけているものより小ぶりな指輪は、サヤそのものといっても差し支えない。指輪も黙して語ることはないが、俺の心に立つ荒波を凪に変えてくれた。
俺は手折ったからたちの花を墓に供えた。白い花弁がそよ風に揺れる。サヤが好きだった花――彼女は今の俺を見たらなんと声をかけるだろうか。よく頑張ってるね、ショウヘイくん。少し休みなよ。そんな風に慰めてくれるだろうか。それとも、立ち止まってるなんてショウヘイくんらしくないよ。そんな風に発破をかけられるだろうか。うまく想像できなかった。俺の中のサヤが少しずつ薄れていく気がする。それが何よりも怖かった。
「八雲」
背後で低い声が響いた。振り返ると、そこには墓花を抱えた越水が立っていた。忌々しい……舌打ちしそうになったがすんでのところで堪えた。代わりに問う。
「……何をしにきた」
「今日は彼女の月命日だろう。何故だろうな、お前がいる予感があった」
「……」
越水は墓花を供え、静かに手を合わせ目を閉じた。この男はサヤの墓前で何を思っているのだろうか。サヤの死に少なからず責任を感じているのだろうか。俺は歯軋りしていた。
目を開いた越水は俺に向き直った。顔だけでなく体ごと。俺はちらりと視線を送ったが何も言わなかった。越水が口を開く。
「創世の座にはナホビノしか辿り着けぬことは知っているな」
「知っている」
「ジョカが死んだ。そう聞いているが」
「そうだ。……何が言いたい?」
越水を睨み付けると、奴は俺から目を逸らすように目を伏せた。越水はしばし黙り込んでいたが、再び言葉を紡いだ。
「私はあの少年と合一し、創世の座へ向かう。お前の望む世界は叶わぬだろう」
「そうだろうな。俺とお前の理想とする世界は違うようだ」
越水も所詮は悪魔の端くれ、自らが消えるような決断をするとは思えない。奴の望む世界がどんなものかには興味がない。俺の理想とは違う。ただそれだけだった。
「彼女の死には私にも責任がある。だから……報告せねばならない気がしたのだ」
越水の言葉に俺は嘲笑した。何を言うのかと思えば……実に、実にくだらない。
「持てる者の傲慢を死者に押し付けるな。俺は創世の争いに負けた、それだけだ。勝者に情けをかけられる謂れなどない。お前と小僧は創世に向かうといい」
俺はアヤカシを抜いた。サヤから受け取った「力」だった。俺はナホビノにはなれないが力がある。悪魔を斬り裂き弱者を守る力だ。悪魔の血を吸ったアヤカシは美しい銀色の輝きを放っていた。
「俺はサヤと過ごしたこの東京を守る。お前達が創世を成すその日まで、悪魔を狩り人間を守る。それが俺の……生き残ってしまった者の責務だ」
サヤのいないいずれ滅びる東京であっても、ここには彼女と過ごした記憶がある。彼女と過ごした東京が悪魔に蹂躙されるのは見ていられない。俺にはまだやるべきことがある。この身果てるまで、俺は戦い続ける。
「……そうか」
越水のどこか諦めたような声が聞こえた。そしてぽつりと奴は呟く。
「私も許しが欲しかったのだろう。……弱くなったものだ」
「勘違いするな」
一人納得した様子の越水に、アヤカシの鋒を突きつけた。越水は微動だにしなかった。ただ片方の眉をぴくりと動かしただけだった。
「俺はお前を、ベテル日本支部を許してなどいない。所詮はお前も悪魔、お前が創世できなければ生かす理由すらなかった」
越水は頷き、俺を見つめた。その視線は鋭く、尖った鎌の先端に似ている。俺と同じ、生きる者の責務を背負った眼差しだった。
「一刻も早く創世を成さねばならぬな。八雲、東京を頼む」
越水と睨み合った。数秒視線が火花を散らした結果、俺はアヤカシを納めた。頷きはしない。だが否定もしなかった。
足音が響く。越水が背を向け歩き始めた。俺は再び墓に目を向けた。墓石に触れる。冷たかった。
「サヤ。……俺はまだ、そちらには逝けない。俺にはまだやるべきことがある。……見守っていてくれ」
東京の空に、一筋の光が走ったのが見えた。稲妻のような激しい光、俺はそれを見たとき悟った。ああ、あの小僧がきっと創世を成したのだと。
空が割れる。悪魔が蔓延るかりそめの東京に亀裂が入っていく。創世、その瞬間が見えているのは俺だけなのだろうか。これまで経験したことのない、まさに天変地異が起ころうとしているのに誰も声を上げない。悪魔でさえも。
創世――それは、座に辿り着いた者の啓く理によって宇宙を新たに創ること。もうまもなく、この東京は役目を終えて眠りにつく。それはこの東京にいる俺も例外ではない。俺の――八雲ショウヘイとしての意識が、薄れていく――……。
「――くん!」
遠くから声が聞こえる。俺は眠っていたのだろうか。目を開くと、そこは真白の空間だった。周囲を見回したが何もない。
「――ヘイくん!」
声が聞こえる。先ほどより近くに聞こえた。声の聞こえた方に視線を向けると、木が一本立っているのが見えた。俺は自然とそちらに向かって歩き始めた。
「ショウヘイくん!」
俺を呼ぶ声が聞こえる。ああ……懐かしい声だ。探るように歩いていたのが早歩きになり、やがて俺は駆け出した。懐かしい声の聞こえる方へひたすらに走る。
「遅いよ、ショウヘイくん!」
ようやく木の近くに辿り着いた。改めて木を眺めるとからたちの木だった。白い花が咲き誇り、無風だった空間に風が吹く。風が吹き渡るとともに、白い空間は新緑と青い空の穏やかな色に塗り潰された。俺は帽子を被り直すと、俺を呼ぶ彼女に微笑んだ。
「すまない。待たせたな、サヤ」
からたちの梢と彼女――サヤの髪を揺らす風が吹き、草原の緑に波が立つ。俺は生前と同じように微笑むサヤの腕を引き、抱きしめた。
「ショウヘイくん?」
サヤの戸惑う声が聞こえたが離してなどやらない。サヤの体を強く抱きしめた。久方ぶりのサヤのぬくもりに目頭が熱くなった。つ、と瞳から零れた雫がサヤの髪にぽつぽつと落ちる。
「会いたかった。……会いたかった」
「ショウヘイくん……」
抱きしめたサヤは俺を間近で見つめ、指先でまなじりに浮かぶ涙を拭った。サヤは笑っていたが、その目には涙が滲んでいた。
「ショウヘイくんが泣いてる」
「サヤもだ」
「うん」
互いに言葉少な、それでよかった。言葉よりも何よりも交わしたいものがある。サヤの指先や髪を濡らしても、まだ涙は止まらない。それでも俺はサヤに口付けた。これも……これも、随分と久し振りだ。サヤの唇は柔らかくあたたかかった。
「サヤ。俺達はまた新しい世界で会えるのか」
「会えるよ」
サヤはにっこりと笑った。からたちの花に似た可憐な笑顔は優しかった。声も穏やかで俺の心のささくれを撫でてくれるようだった。
「サヤ、すまない。俺は人間だけの世界を創世できなかった」
悔恨を告げると、サヤの両手が俺の背を抱きしめた。俺の胸にサヤの額が触れる。
「ううん、いいの。ショウヘイくんが最後まで頑張ってたの、ちゃんと見てたよ。だから……もういいの」
「恐らく新たな世界でも悪魔がいるのだろうな」
「うん……残念だけど、そうみたい」
「サヤ」
声に自然と力がこもった。サヤを抱きしめる力も強くなる。
「今度こそお前を守る。お前を誰にも渡さない」
「うん。……ありがとう」
サヤは俺に体を預けもたれかかるように甘えてきた。愛おしい。新たな世界などどうでもいい、この時間が永遠に続けばそれでいいのに。そう思っていると、サヤが顔を上げた。青く澄み渡る空に小さなひびが入っているのが見えた。
「そろそろここもおしまいみたい。新しい世界に行かなきゃ」
「そうか」
「ね、ショウヘイくん」
サヤは俺の首元の結婚指輪を撫でた。本来はサヤが身につけるもの、俺には似合わないものだ。サヤは俺を呼ぶだけだが、何を求めているのかすぐにわかった。俺は鎖から指輪を外し、サヤの左手を取った。儚くもたおやかな薬指に指輪を通した。ぴたりと彼女の指にはまり、陽光に銀色の輝きが美しい。
「ふふ、嬉しい。今度は結婚しようね。約束だよ」
そう言ってサヤは左手の小指を立てた。俺は手袋を取り、小さな小指に小指を絡める。
「ゆびきりげんまん。約束だよ」
「ああ」
人生に「次」などないと思っていた。しかし次の世界が俺達を待っている。新しく創世される世界で、俺達は再び出会うだろう。今度こそサヤを守り、穏やかな日常をこの手に持ち続けたい。青い空に亀裂が入り視界が白く染まっていく中、俺はサヤを再び抱きしめた。次こそ離さない。ずっと彼女とともにいるのだ。
東雲家の墓の前で俺は目を開いた。これまでの俺の軌跡が脳内に溢れていたが、そろそろ現実を見なければならない。ジョカを失い生き延びてしまった俺が、何をするべきなのか。墓は何も答えてくれない。ただ、ここに死者の骨が眠ることを知らせているだけだ。俺は左手で首元の指輪に触れた。俺がつけているものより小ぶりな指輪は、サヤそのものといっても差し支えない。指輪も黙して語ることはないが、俺の心に立つ荒波を凪に変えてくれた。
俺は手折ったからたちの花を墓に供えた。白い花弁がそよ風に揺れる。サヤが好きだった花――彼女は今の俺を見たらなんと声をかけるだろうか。よく頑張ってるね、ショウヘイくん。少し休みなよ。そんな風に慰めてくれるだろうか。それとも、立ち止まってるなんてショウヘイくんらしくないよ。そんな風に発破をかけられるだろうか。うまく想像できなかった。俺の中のサヤが少しずつ薄れていく気がする。それが何よりも怖かった。
「八雲」
背後で低い声が響いた。振り返ると、そこには墓花を抱えた越水が立っていた。忌々しい……舌打ちしそうになったがすんでのところで堪えた。代わりに問う。
「……何をしにきた」
「今日は彼女の月命日だろう。何故だろうな、お前がいる予感があった」
「……」
越水は墓花を供え、静かに手を合わせ目を閉じた。この男はサヤの墓前で何を思っているのだろうか。サヤの死に少なからず責任を感じているのだろうか。俺は歯軋りしていた。
目を開いた越水は俺に向き直った。顔だけでなく体ごと。俺はちらりと視線を送ったが何も言わなかった。越水が口を開く。
「創世の座にはナホビノしか辿り着けぬことは知っているな」
「知っている」
「ジョカが死んだ。そう聞いているが」
「そうだ。……何が言いたい?」
越水を睨み付けると、奴は俺から目を逸らすように目を伏せた。越水はしばし黙り込んでいたが、再び言葉を紡いだ。
「私はあの少年と合一し、創世の座へ向かう。お前の望む世界は叶わぬだろう」
「そうだろうな。俺とお前の理想とする世界は違うようだ」
越水も所詮は悪魔の端くれ、自らが消えるような決断をするとは思えない。奴の望む世界がどんなものかには興味がない。俺の理想とは違う。ただそれだけだった。
「彼女の死には私にも責任がある。だから……報告せねばならない気がしたのだ」
越水の言葉に俺は嘲笑した。何を言うのかと思えば……実に、実にくだらない。
「持てる者の傲慢を死者に押し付けるな。俺は創世の争いに負けた、それだけだ。勝者に情けをかけられる謂れなどない。お前と小僧は創世に向かうといい」
俺はアヤカシを抜いた。サヤから受け取った「力」だった。俺はナホビノにはなれないが力がある。悪魔を斬り裂き弱者を守る力だ。悪魔の血を吸ったアヤカシは美しい銀色の輝きを放っていた。
「俺はサヤと過ごしたこの東京を守る。お前達が創世を成すその日まで、悪魔を狩り人間を守る。それが俺の……生き残ってしまった者の責務だ」
サヤのいないいずれ滅びる東京であっても、ここには彼女と過ごした記憶がある。彼女と過ごした東京が悪魔に蹂躙されるのは見ていられない。俺にはまだやるべきことがある。この身果てるまで、俺は戦い続ける。
「……そうか」
越水のどこか諦めたような声が聞こえた。そしてぽつりと奴は呟く。
「私も許しが欲しかったのだろう。……弱くなったものだ」
「勘違いするな」
一人納得した様子の越水に、アヤカシの鋒を突きつけた。越水は微動だにしなかった。ただ片方の眉をぴくりと動かしただけだった。
「俺はお前を、ベテル日本支部を許してなどいない。所詮はお前も悪魔、お前が創世できなければ生かす理由すらなかった」
越水は頷き、俺を見つめた。その視線は鋭く、尖った鎌の先端に似ている。俺と同じ、生きる者の責務を背負った眼差しだった。
「一刻も早く創世を成さねばならぬな。八雲、東京を頼む」
越水と睨み合った。数秒視線が火花を散らした結果、俺はアヤカシを納めた。頷きはしない。だが否定もしなかった。
足音が響く。越水が背を向け歩き始めた。俺は再び墓に目を向けた。墓石に触れる。冷たかった。
「サヤ。……俺はまだ、そちらには逝けない。俺にはまだやるべきことがある。……見守っていてくれ」
東京の空に、一筋の光が走ったのが見えた。稲妻のような激しい光、俺はそれを見たとき悟った。ああ、あの小僧がきっと創世を成したのだと。
空が割れる。悪魔が蔓延るかりそめの東京に亀裂が入っていく。創世、その瞬間が見えているのは俺だけなのだろうか。これまで経験したことのない、まさに天変地異が起ころうとしているのに誰も声を上げない。悪魔でさえも。
創世――それは、座に辿り着いた者の啓く理によって宇宙を新たに創ること。もうまもなく、この東京は役目を終えて眠りにつく。それはこの東京にいる俺も例外ではない。俺の――八雲ショウヘイとしての意識が、薄れていく――……。
「――くん!」
遠くから声が聞こえる。俺は眠っていたのだろうか。目を開くと、そこは真白の空間だった。周囲を見回したが何もない。
「――ヘイくん!」
声が聞こえる。先ほどより近くに聞こえた。声の聞こえた方に視線を向けると、木が一本立っているのが見えた。俺は自然とそちらに向かって歩き始めた。
「ショウヘイくん!」
俺を呼ぶ声が聞こえる。ああ……懐かしい声だ。探るように歩いていたのが早歩きになり、やがて俺は駆け出した。懐かしい声の聞こえる方へひたすらに走る。
「遅いよ、ショウヘイくん!」
ようやく木の近くに辿り着いた。改めて木を眺めるとからたちの木だった。白い花が咲き誇り、無風だった空間に風が吹く。風が吹き渡るとともに、白い空間は新緑と青い空の穏やかな色に塗り潰された。俺は帽子を被り直すと、俺を呼ぶ彼女に微笑んだ。
「すまない。待たせたな、サヤ」
からたちの梢と彼女――サヤの髪を揺らす風が吹き、草原の緑に波が立つ。俺は生前と同じように微笑むサヤの腕を引き、抱きしめた。
「ショウヘイくん?」
サヤの戸惑う声が聞こえたが離してなどやらない。サヤの体を強く抱きしめた。久方ぶりのサヤのぬくもりに目頭が熱くなった。つ、と瞳から零れた雫がサヤの髪にぽつぽつと落ちる。
「会いたかった。……会いたかった」
「ショウヘイくん……」
抱きしめたサヤは俺を間近で見つめ、指先でまなじりに浮かぶ涙を拭った。サヤは笑っていたが、その目には涙が滲んでいた。
「ショウヘイくんが泣いてる」
「サヤもだ」
「うん」
互いに言葉少な、それでよかった。言葉よりも何よりも交わしたいものがある。サヤの指先や髪を濡らしても、まだ涙は止まらない。それでも俺はサヤに口付けた。これも……これも、随分と久し振りだ。サヤの唇は柔らかくあたたかかった。
「サヤ。俺達はまた新しい世界で会えるのか」
「会えるよ」
サヤはにっこりと笑った。からたちの花に似た可憐な笑顔は優しかった。声も穏やかで俺の心のささくれを撫でてくれるようだった。
「サヤ、すまない。俺は人間だけの世界を創世できなかった」
悔恨を告げると、サヤの両手が俺の背を抱きしめた。俺の胸にサヤの額が触れる。
「ううん、いいの。ショウヘイくんが最後まで頑張ってたの、ちゃんと見てたよ。だから……もういいの」
「恐らく新たな世界でも悪魔がいるのだろうな」
「うん……残念だけど、そうみたい」
「サヤ」
声に自然と力がこもった。サヤを抱きしめる力も強くなる。
「今度こそお前を守る。お前を誰にも渡さない」
「うん。……ありがとう」
サヤは俺に体を預けもたれかかるように甘えてきた。愛おしい。新たな世界などどうでもいい、この時間が永遠に続けばそれでいいのに。そう思っていると、サヤが顔を上げた。青く澄み渡る空に小さなひびが入っているのが見えた。
「そろそろここもおしまいみたい。新しい世界に行かなきゃ」
「そうか」
「ね、ショウヘイくん」
サヤは俺の首元の結婚指輪を撫でた。本来はサヤが身につけるもの、俺には似合わないものだ。サヤは俺を呼ぶだけだが、何を求めているのかすぐにわかった。俺は鎖から指輪を外し、サヤの左手を取った。儚くもたおやかな薬指に指輪を通した。ぴたりと彼女の指にはまり、陽光に銀色の輝きが美しい。
「ふふ、嬉しい。今度は結婚しようね。約束だよ」
そう言ってサヤは左手の小指を立てた。俺は手袋を取り、小さな小指に小指を絡める。
「ゆびきりげんまん。約束だよ」
「ああ」
人生に「次」などないと思っていた。しかし次の世界が俺達を待っている。新しく創世される世界で、俺達は再び出会うだろう。今度こそサヤを守り、穏やかな日常をこの手に持ち続けたい。青い空に亀裂が入り視界が白く染まっていく中、俺はサヤを再び抱きしめた。次こそ離さない。ずっと彼女とともにいるのだ。
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