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月見には穏やかな眠りを
今日はいわゆる「中秋の名月」が見られる日らしい。越水自身は一切興味がなく、そういう日であるという認識すらなかったが、
「長官長官!十七日は中秋の名月ですよ!お月見しましょう!」
とミコトから言われてようやくことを知った次第である。まったく彼女は水を向けるのがうまいものだ、毎度のことながら感心する。
九月十七日。ベテル日本支部内では中秋の名月など関係ない。通常どおり業務を行い、夜が訪れる。幸い今日は晴天で、執務室から見える夜空は澄み切っている。
「長官!」
執務室のブザーが鳴り、ミコトの明るい声が響いた。越水が机のタッチパネルを操作するとドアがスライドし、興奮した様子のミコトが入ってきた。
「お疲れ様です長官!」
「ご苦労。もう他の職員は帰ったか?」
「はい、残っているのは私だけです」
越水はミコトの腕を引き、抱きしめた。彼女も両腕を越水の背中に回し、嬉しそうに胸に頬を擦り寄せている。毎度思うが猫のようだ。頭を撫でてやるとくすぐったそうにするのがたまらない。
「長官、色々買ってきたんですよ。お団子とか。長官のお口に合うか心配ですけど」
ミコトはコンビニの袋を見せてはにかんだ。確かに越水はあまり……というよりほとんどコンビニを利用しないが、彼女が選んだものには興味がある。越水は口元を緩め、ミコトの手を取り緩やかに歩き始めた。
ベテル日本支部には小さな中庭がある。簡素な芝生と少しの木々、シンプルなベンチがいくつか設置されている。昼時にはここで過ごす職員も見受けられる、ベテル日本支部内で唯一外気と接する場所だ。濃紺の空に浮かぶ満月が神秘的な輝きを放ち、誰もいない中庭を静謐な空間に仕上げている。越水は初めて訪れたが、思ったよりも落ち着いたいい場所だ。ベンチにミコトと二人で腰掛ける。隣に座った彼女は濃紺の影と月に照らされた白い部分の対比が美しく、この夜闇を飾るにふさわしい。
「月見という言葉は知っているが、具体的にどう過ごすものなのだ」
「え?えーっと……月を見ながらのんびりすればいいと思います」
なるほど、単純明快である。越水はベンチにもたれ、空を仰いだ。暗く沈んだ夜空に白い月、たなびく雲は月の周りだけ白くきらめいている。夜のネオンが眩い東京では残念ながら星はろくに見えないが、それでも十二分に美麗な空だ。
「長官ってお酒飲みます?」
「飲むこともある」
答えた瞬間、ミコトがにやっと笑いながら酒の缶を取り出した。缶には色鮮やかな果実が描かれている。アルコール度数が低く見るからに甘そうなものだった。
「もしご興味があれば。月見酒ですよ」
「もらっておく」
越水がプルタブを引っ張るとプシュ、と小さな音が弾ける。開けた瞬間甘ったるい香りが鼻に届いた。ミコトは越水より先に豪快な一口を楽しんでおり、酒混じりの息を吐いている。越水も彼女に倣って一口含む。人工的なアルコールの苦味と甘い果汁の味が広がり、初めて味わう刺激に少し面食らった。この程度では越水に酔いを提供することなどできないが、なかなか強烈な味だ。穏やかな夜空の美しさとは裏腹の刺激的な味、興味深い。
「今日晴れてよかったです。綺麗ですね」
ミコトの膝にはパックに入ったみたらし団子が置かれていた。片手に酒の缶、片手に団子を持って月を見上げるミコトは滑稽にも見えるが、欲を隠そうとしないのは好感が持てる。
「月より団子といったところだな、月森君」
「否定はしませんけど、ちゃんとお月見だってしてますよ!」
「動くな、月森君」
越水はハンカチを取り出し、ミコトの口元についた汚れを拭いてやる。ミコトは慌てて手鏡を確認していた。その顔は真っ赤、月光はすべてを夜空の下に晒してしまう。
「すみません長官!ハンカチ、うちで洗います!」
「いや、構わぬ。君のそそっかしいところはよく知っている」
「私のせいですから、ちゃんと洗って返させてください」
越水の手からハンカチを奪い取ったミコトは、ハンカチについた茶色っぽい汚れを見て露骨にため息をついた。
「はぁー……本当、すみません」
「いいと言っている。そのようなところも含めて君なのだ、気にするな」
と言ったが彼女はハンカチを返そうとしない。もう甘えることとしようか。越水はミコトの膝にある団子に手を伸ばした。月見といえば団子らしい、一個食べてみる。たれの甘さ、団子の滑らかな舌触り、美味だ。団子の形状は今宵の月に似ている。そう思った途端団子が空に浮かんでいる気がして、越水は思わず笑った。
「どうしたんですか、長官」
「月が団子に見えてしまっただけだ」
「月が?あー、確かに……」
ミコトが団子を持ち上げ月と並べて見せた。丸い形が二つ並んでいる。遠い月と団子の大きさはここから見るとほぼ同じだ。
「お団子って丸ですから、満月と似てるといえば似てますね。でも、意外です」
「何がだ?」
「長官ってそういうこと言うんですね。さっきは『月より団子といったところだな』なんて言ってたのに」
越水の声真似をしたつもりのようだが、彼女の声では演じきれていない。むしろ無理に声を出そうとした妙な真顔が可愛らしかった。
「そうだな。君のせいだ」
「私の?」
みたらし団子を咀嚼しながらきょとんとした顔のミコトは、本気で「わかっていない」ようだ。そういうところが魅力なのだけれども。越水は一気に酒を煽った。いくらアルコール度数が低いとはいえ、五百ミリ缶のおよそ四分の三程度を一気に飲むと喉が熱い。アルコールが一気に回る感覚がある。この程度で酔いが回るなど、ツクヨミも地に落ちたものだ……などと一人嘆いていると、くらくらと頭が揺れた。越水は自然と隣に座るミコトにもたれかかっていた。
「大丈夫ですか?ふらふらしてますよ」
「そのようだな……」
明晰な神の頭脳が、アルコールという人間の欲望を具現化した雫で酩酊する。普段は冷徹な神の皮の下に隠していた願望が、自然と口をついて出た。
「月森君、膝を貸してくれないか」
「膝?……膝?膝枕ってことですか?」
「一般的にはそう言うらしいな」
ミコトはふふ、と笑みを漏らした。慈しむような優しい顔をしている。彼女はぽんぽんと自らの太ももを叩いた。
「いいですよ。どうぞ。寝心地は保証しませんけど」
「すまない」
許可は得た。越水はベンチに寝転がり、ミコトの太ももに頭を預けた。見上げた彼女は楽しそうに笑っている。
「どうですか?」
「……眠ってしまいそうだ」
「少しくらい寝てもいいんじゃないですか?長官は働き過ぎですよ」
「そう、だな……」
頭を撫でられる優しい感触とともに、越水の瞼が重く閉ざされていく。輝く月とミコトの笑顔に安堵しながら、越水は訪れる眠りに身を委ねた。
越水ハヤオは月森ミコトの膝の上で眠ってしまった。ミコトは驚きつつも、眠りに落ちた上官を見下ろした。彼の寝顔を見ることも、膝枕をすることも初めてだ。中秋の名月には人を狂わせる魔力があるのかもしれない。
越水は穏やかな寝息を立てているが、寝顔はお世辞にも平穏なものには見えなかった。それどころか眉間に皺が寄っている。夢の中でも働いているのだろうか。彼ならありえそうだなと思い、ミコトは越水の頭を撫でた。几帳面にセットされた黒髪は夜になっても綺麗なままで、ミコトに心地いい手触りを提供する。月明かりに照らされた越水の髪が艶やかに輝き、女性のミコトですらその輝きは羨ましい。
こんな隙だらけの彼が近くにいる状況など滅多にない。膝枕をしているから動けない、というだけでは勿体無い。少しくらい触れてもいいだろうか。ミコトは頭を撫でていた手で頬に触れた。膨らみに乏しいすっきりした頬は少し硬い。秋らしさが混じった長月の夜風に当たったからか、やや冷たくもある。酒で血流がよくなったミコトの熱い手とは対照的だ。
じっと彼の顔貌を眺める。閉じた瞼さえも美しく、きりりと整った眉や薄い唇が目にとまる。ほんの少し戯れをしても彼は起きないと思う。ミコトは越水にそっと口付けた。思ったとおり少し冷たい唇の感触があった。味は……一瞬だったからよくわからない。
「やっちゃった」
思わず口をついて出た言葉は、秋の気配を孕んだ風に溶けていった。越水は目を閉じたまま変わらず規則的な寝息を立てており、眠っているはずだ。だからこの口付けはミコトだけのもの。ミコトは自らの唇を指でなぞった。もう越水から感じた体温は消え失せているが、どきどきと胸が弾んでいる。
「あ」
越水の唇がうっすらと色付いている。ミコトの口紅が付着してしまったらしい。派手な色ではないのだが、化粧っけのない越水には目立つ。ポケットティッシュを持っている、拭くことは容易だが躊躇った。……やめよう。越水が気付いてこれは何だと問いただしてくれたら嬉しい。
ミコトは越水の頭を撫でながら夜空を見上げた。白くきらめく月が美しい。この至福のときをもたらした魔性の月に、ミコトは微笑んだ。まだ彼は眠っていてくれるらしい。もう少し眠りの魔法をかけていてくれるように、ミコトは祈った。
今日はいわゆる「中秋の名月」が見られる日らしい。越水自身は一切興味がなく、そういう日であるという認識すらなかったが、
「長官長官!十七日は中秋の名月ですよ!お月見しましょう!」
とミコトから言われてようやくことを知った次第である。まったく彼女は水を向けるのがうまいものだ、毎度のことながら感心する。
九月十七日。ベテル日本支部内では中秋の名月など関係ない。通常どおり業務を行い、夜が訪れる。幸い今日は晴天で、執務室から見える夜空は澄み切っている。
「長官!」
執務室のブザーが鳴り、ミコトの明るい声が響いた。越水が机のタッチパネルを操作するとドアがスライドし、興奮した様子のミコトが入ってきた。
「お疲れ様です長官!」
「ご苦労。もう他の職員は帰ったか?」
「はい、残っているのは私だけです」
越水はミコトの腕を引き、抱きしめた。彼女も両腕を越水の背中に回し、嬉しそうに胸に頬を擦り寄せている。毎度思うが猫のようだ。頭を撫でてやるとくすぐったそうにするのがたまらない。
「長官、色々買ってきたんですよ。お団子とか。長官のお口に合うか心配ですけど」
ミコトはコンビニの袋を見せてはにかんだ。確かに越水はあまり……というよりほとんどコンビニを利用しないが、彼女が選んだものには興味がある。越水は口元を緩め、ミコトの手を取り緩やかに歩き始めた。
ベテル日本支部には小さな中庭がある。簡素な芝生と少しの木々、シンプルなベンチがいくつか設置されている。昼時にはここで過ごす職員も見受けられる、ベテル日本支部内で唯一外気と接する場所だ。濃紺の空に浮かぶ満月が神秘的な輝きを放ち、誰もいない中庭を静謐な空間に仕上げている。越水は初めて訪れたが、思ったよりも落ち着いたいい場所だ。ベンチにミコトと二人で腰掛ける。隣に座った彼女は濃紺の影と月に照らされた白い部分の対比が美しく、この夜闇を飾るにふさわしい。
「月見という言葉は知っているが、具体的にどう過ごすものなのだ」
「え?えーっと……月を見ながらのんびりすればいいと思います」
なるほど、単純明快である。越水はベンチにもたれ、空を仰いだ。暗く沈んだ夜空に白い月、たなびく雲は月の周りだけ白くきらめいている。夜のネオンが眩い東京では残念ながら星はろくに見えないが、それでも十二分に美麗な空だ。
「長官ってお酒飲みます?」
「飲むこともある」
答えた瞬間、ミコトがにやっと笑いながら酒の缶を取り出した。缶には色鮮やかな果実が描かれている。アルコール度数が低く見るからに甘そうなものだった。
「もしご興味があれば。月見酒ですよ」
「もらっておく」
越水がプルタブを引っ張るとプシュ、と小さな音が弾ける。開けた瞬間甘ったるい香りが鼻に届いた。ミコトは越水より先に豪快な一口を楽しんでおり、酒混じりの息を吐いている。越水も彼女に倣って一口含む。人工的なアルコールの苦味と甘い果汁の味が広がり、初めて味わう刺激に少し面食らった。この程度では越水に酔いを提供することなどできないが、なかなか強烈な味だ。穏やかな夜空の美しさとは裏腹の刺激的な味、興味深い。
「今日晴れてよかったです。綺麗ですね」
ミコトの膝にはパックに入ったみたらし団子が置かれていた。片手に酒の缶、片手に団子を持って月を見上げるミコトは滑稽にも見えるが、欲を隠そうとしないのは好感が持てる。
「月より団子といったところだな、月森君」
「否定はしませんけど、ちゃんとお月見だってしてますよ!」
「動くな、月森君」
越水はハンカチを取り出し、ミコトの口元についた汚れを拭いてやる。ミコトは慌てて手鏡を確認していた。その顔は真っ赤、月光はすべてを夜空の下に晒してしまう。
「すみません長官!ハンカチ、うちで洗います!」
「いや、構わぬ。君のそそっかしいところはよく知っている」
「私のせいですから、ちゃんと洗って返させてください」
越水の手からハンカチを奪い取ったミコトは、ハンカチについた茶色っぽい汚れを見て露骨にため息をついた。
「はぁー……本当、すみません」
「いいと言っている。そのようなところも含めて君なのだ、気にするな」
と言ったが彼女はハンカチを返そうとしない。もう甘えることとしようか。越水はミコトの膝にある団子に手を伸ばした。月見といえば団子らしい、一個食べてみる。たれの甘さ、団子の滑らかな舌触り、美味だ。団子の形状は今宵の月に似ている。そう思った途端団子が空に浮かんでいる気がして、越水は思わず笑った。
「どうしたんですか、長官」
「月が団子に見えてしまっただけだ」
「月が?あー、確かに……」
ミコトが団子を持ち上げ月と並べて見せた。丸い形が二つ並んでいる。遠い月と団子の大きさはここから見るとほぼ同じだ。
「お団子って丸ですから、満月と似てるといえば似てますね。でも、意外です」
「何がだ?」
「長官ってそういうこと言うんですね。さっきは『月より団子といったところだな』なんて言ってたのに」
越水の声真似をしたつもりのようだが、彼女の声では演じきれていない。むしろ無理に声を出そうとした妙な真顔が可愛らしかった。
「そうだな。君のせいだ」
「私の?」
みたらし団子を咀嚼しながらきょとんとした顔のミコトは、本気で「わかっていない」ようだ。そういうところが魅力なのだけれども。越水は一気に酒を煽った。いくらアルコール度数が低いとはいえ、五百ミリ缶のおよそ四分の三程度を一気に飲むと喉が熱い。アルコールが一気に回る感覚がある。この程度で酔いが回るなど、ツクヨミも地に落ちたものだ……などと一人嘆いていると、くらくらと頭が揺れた。越水は自然と隣に座るミコトにもたれかかっていた。
「大丈夫ですか?ふらふらしてますよ」
「そのようだな……」
明晰な神の頭脳が、アルコールという人間の欲望を具現化した雫で酩酊する。普段は冷徹な神の皮の下に隠していた願望が、自然と口をついて出た。
「月森君、膝を貸してくれないか」
「膝?……膝?膝枕ってことですか?」
「一般的にはそう言うらしいな」
ミコトはふふ、と笑みを漏らした。慈しむような優しい顔をしている。彼女はぽんぽんと自らの太ももを叩いた。
「いいですよ。どうぞ。寝心地は保証しませんけど」
「すまない」
許可は得た。越水はベンチに寝転がり、ミコトの太ももに頭を預けた。見上げた彼女は楽しそうに笑っている。
「どうですか?」
「……眠ってしまいそうだ」
「少しくらい寝てもいいんじゃないですか?長官は働き過ぎですよ」
「そう、だな……」
頭を撫でられる優しい感触とともに、越水の瞼が重く閉ざされていく。輝く月とミコトの笑顔に安堵しながら、越水は訪れる眠りに身を委ねた。
越水ハヤオは月森ミコトの膝の上で眠ってしまった。ミコトは驚きつつも、眠りに落ちた上官を見下ろした。彼の寝顔を見ることも、膝枕をすることも初めてだ。中秋の名月には人を狂わせる魔力があるのかもしれない。
越水は穏やかな寝息を立てているが、寝顔はお世辞にも平穏なものには見えなかった。それどころか眉間に皺が寄っている。夢の中でも働いているのだろうか。彼ならありえそうだなと思い、ミコトは越水の頭を撫でた。几帳面にセットされた黒髪は夜になっても綺麗なままで、ミコトに心地いい手触りを提供する。月明かりに照らされた越水の髪が艶やかに輝き、女性のミコトですらその輝きは羨ましい。
こんな隙だらけの彼が近くにいる状況など滅多にない。膝枕をしているから動けない、というだけでは勿体無い。少しくらい触れてもいいだろうか。ミコトは頭を撫でていた手で頬に触れた。膨らみに乏しいすっきりした頬は少し硬い。秋らしさが混じった長月の夜風に当たったからか、やや冷たくもある。酒で血流がよくなったミコトの熱い手とは対照的だ。
じっと彼の顔貌を眺める。閉じた瞼さえも美しく、きりりと整った眉や薄い唇が目にとまる。ほんの少し戯れをしても彼は起きないと思う。ミコトは越水にそっと口付けた。思ったとおり少し冷たい唇の感触があった。味は……一瞬だったからよくわからない。
「やっちゃった」
思わず口をついて出た言葉は、秋の気配を孕んだ風に溶けていった。越水は目を閉じたまま変わらず規則的な寝息を立てており、眠っているはずだ。だからこの口付けはミコトだけのもの。ミコトは自らの唇を指でなぞった。もう越水から感じた体温は消え失せているが、どきどきと胸が弾んでいる。
「あ」
越水の唇がうっすらと色付いている。ミコトの口紅が付着してしまったらしい。派手な色ではないのだが、化粧っけのない越水には目立つ。ポケットティッシュを持っている、拭くことは容易だが躊躇った。……やめよう。越水が気付いてこれは何だと問いただしてくれたら嬉しい。
ミコトは越水の頭を撫でながら夜空を見上げた。白くきらめく月が美しい。この至福のときをもたらした魔性の月に、ミコトは微笑んだ。まだ彼は眠っていてくれるらしい。もう少し眠りの魔法をかけていてくれるように、ミコトは祈った。