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人のぬくもりと秋の空
最近気温が急に低くなり、肌寒くなってきた。東京の街を冷たい風が吹き抜けていく。ミコトの隣を歩く彼、間薙シンはいつもどおりフード付きパーカーの上に薄いウインドブレーカー、ハーフパンツを着ているが、寒くないのだろうか。
「ねえ間薙くん、寒くない?」
「ん?あー……」
問いかけたところ、彼はミコトから目を逸らし思いきり空を見上げた。ふぅ、と彼が吐いた息はまだ白くはないが空は薄く雲が覆う秋空、冷たい空気が肌に纏わりつく。
「少し寒い」
「やっぱり……」
苦笑いを浮かべる彼は鼻のあたりが少し赤く、両手はポケットに突っ込んだままだ。本当は寒いと暗に言っている仕草、素直で可愛らしい。
「間薙くん、ちょっと止まって」
「ん?」
ミコトは首に薄手のストールを巻いていた。灰色のギンガムチェックのストールは、彼が身につけていてもそこまでおかしくないだろう。ミコトはストールをほどき、彼の首に結んだ。
「あはは、なんかもこもこになっちゃったね」
彼の首元は緑色のフードと灰色のストールで覆われ、ハーフパンツのシンプルな下半身との差が激しい。おそらく本当に寒いのは露出が多い足の方だろうが、ミコトにはどうしようもない。シンはばつの悪そうな顔をした。
「いいのか?寒いからこれつけてたんだろ」
「いいよ、気にしないで。でも、そうだなあ……」
首元を覆っていたぬくもりがなくなり、肌寒く感じるのは本当だ。冷たい秋の風が通り抜けていく。ミコトは手を差し出した。
「じゃあ、手を繋いでよ」
「手?」
「寒いかもって心配してくれるんでしょ?」
合点がいった様子のシンが、ポケットから手を出した。彼の大きな手がぎゅっと握ってくる。掌同士を向かい合わせ指を絡め合う。彼の手はポケットのぬくもりであたたかかった。
「お前、手冷たいな」
「でしょ。ストールより手袋した方がよかったなって思ってたところ」
「じゃあ」
シンはミコトと繋いだ手を自らのポケットに入れた。ぐいと引っ張られ、自然と彼との距離が近くなる。
「こっちの方がいいんじゃないか」
彼はニヤリと笑った。子供っぽいようでどことなく邪心が感じられる、魅惑の笑みだった。ミコトは顔が赤らむのを感じた。冷えていた首元も熱くなる。ミコトは唇を尖らせた。
「ポケットに入ってない手が冷えるじゃん」
「なら手袋を買って、ポケットに入ってない方につけたら解決だな」
「ああーその発想はなかったです」
純粋に感嘆していると、シンが近くにある雑貨屋を指差した。マフラーや耳当てが並んでいるのが見える、手袋も買えそうだ。
「じゃあ、そこで買えばいいな」
「間薙くんが恥ずかしくなっちゃうような可愛いやつ、買っちゃおうかな」
「お前、そういうのはやめとけ」
なんて軽口を叩き合いながら、二人で雑貨屋に入っていく。店に入る直前にポケットから手が解放され、彼のぬくもりが消えていったのが寂しかった。
どちらの手にも入るものとなると、自然とシンプルな見た目の手袋に落ち着いた。ストールの色と合わせたような灰色だった。店を出た瞬間、シンが再びミコトの手をポケットに招待する。そして余ったもう片方の手に手袋をつけた。
「ほら、こうするとあったかいな」
「うん」
ミコトも手袋をつけると、露出した二人の手が灰色に染まる。どの手も寒くなく、幸せだった。
「間薙くん、今日はお散歩したいなあ」
「オレも同じこと考えてた」
二人で顔を見合わせ、笑い合った。当初は見たい店や行きたいところもあったけれど、このまま体温を分かち合いたい。二人は特に行き先を決めることなく歩き始めた。
最近気温が急に低くなり、肌寒くなってきた。東京の街を冷たい風が吹き抜けていく。ミコトの隣を歩く彼、間薙シンはいつもどおりフード付きパーカーの上に薄いウインドブレーカー、ハーフパンツを着ているが、寒くないのだろうか。
「ねえ間薙くん、寒くない?」
「ん?あー……」
問いかけたところ、彼はミコトから目を逸らし思いきり空を見上げた。ふぅ、と彼が吐いた息はまだ白くはないが空は薄く雲が覆う秋空、冷たい空気が肌に纏わりつく。
「少し寒い」
「やっぱり……」
苦笑いを浮かべる彼は鼻のあたりが少し赤く、両手はポケットに突っ込んだままだ。本当は寒いと暗に言っている仕草、素直で可愛らしい。
「間薙くん、ちょっと止まって」
「ん?」
ミコトは首に薄手のストールを巻いていた。灰色のギンガムチェックのストールは、彼が身につけていてもそこまでおかしくないだろう。ミコトはストールをほどき、彼の首に結んだ。
「あはは、なんかもこもこになっちゃったね」
彼の首元は緑色のフードと灰色のストールで覆われ、ハーフパンツのシンプルな下半身との差が激しい。おそらく本当に寒いのは露出が多い足の方だろうが、ミコトにはどうしようもない。シンはばつの悪そうな顔をした。
「いいのか?寒いからこれつけてたんだろ」
「いいよ、気にしないで。でも、そうだなあ……」
首元を覆っていたぬくもりがなくなり、肌寒く感じるのは本当だ。冷たい秋の風が通り抜けていく。ミコトは手を差し出した。
「じゃあ、手を繋いでよ」
「手?」
「寒いかもって心配してくれるんでしょ?」
合点がいった様子のシンが、ポケットから手を出した。彼の大きな手がぎゅっと握ってくる。掌同士を向かい合わせ指を絡め合う。彼の手はポケットのぬくもりであたたかかった。
「お前、手冷たいな」
「でしょ。ストールより手袋した方がよかったなって思ってたところ」
「じゃあ」
シンはミコトと繋いだ手を自らのポケットに入れた。ぐいと引っ張られ、自然と彼との距離が近くなる。
「こっちの方がいいんじゃないか」
彼はニヤリと笑った。子供っぽいようでどことなく邪心が感じられる、魅惑の笑みだった。ミコトは顔が赤らむのを感じた。冷えていた首元も熱くなる。ミコトは唇を尖らせた。
「ポケットに入ってない手が冷えるじゃん」
「なら手袋を買って、ポケットに入ってない方につけたら解決だな」
「ああーその発想はなかったです」
純粋に感嘆していると、シンが近くにある雑貨屋を指差した。マフラーや耳当てが並んでいるのが見える、手袋も買えそうだ。
「じゃあ、そこで買えばいいな」
「間薙くんが恥ずかしくなっちゃうような可愛いやつ、買っちゃおうかな」
「お前、そういうのはやめとけ」
なんて軽口を叩き合いながら、二人で雑貨屋に入っていく。店に入る直前にポケットから手が解放され、彼のぬくもりが消えていったのが寂しかった。
どちらの手にも入るものとなると、自然とシンプルな見た目の手袋に落ち着いた。ストールの色と合わせたような灰色だった。店を出た瞬間、シンが再びミコトの手をポケットに招待する。そして余ったもう片方の手に手袋をつけた。
「ほら、こうするとあったかいな」
「うん」
ミコトも手袋をつけると、露出した二人の手が灰色に染まる。どの手も寒くなく、幸せだった。
「間薙くん、今日はお散歩したいなあ」
「オレも同じこと考えてた」
二人で顔を見合わせ、笑い合った。当初は見たい店や行きたいところもあったけれど、このまま体温を分かち合いたい。二人は特に行き先を決めることなく歩き始めた。
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