なんだよ。
この鳴き声は。

あ～くそ～！
夜中なんだから静かにしろってんだ！

まったくであります！
うるさくて眠れないでありますよ～

君たちもか。
ぼくも起こされちゃったよ。

ほんと迷惑だよな～
こっちは寝てるってのにさ。

あれ？
レシエナ様はどうしたのでありますか？

ぼく、様子を見てくるよ。

…

どうだったでありますか？

ぐっすり寝てたよ。

え！？
こんなにうるさいのにか！？

うん。
あれは起きそうにないね。

すごい方でありますな。
うらやましいでありますよ。

おれさ、レシエナって見た目とイメージ違うって思ったな。

ぼくは、
ユーリスのイメージ違いの方が驚いたけどな。

おれだってセディルの性別には驚いたぞ。

なんか驚きばかりでありま…

キャアッ！！

ど、どうしたのでありますかっ！

大丈夫か？
何があったんだ！？

怖い夢をみたの。

夢…？

私のことをヴィリー、ヴィリーって呼んで追いかけて来る人がいたのよ。
私、ヴィリーじゃないのにね。

なんですと！？

いきなりなんだよエリレオ？

それで、
追いかけてきた人はどんな人だったんだ？

派手な服を着ていて高飛車で嫌な感じの男だったわ。

なんと！？

なんか…
そいつに似てる人がいたような気が…。

追いかけられていた私を助けに来てくれた人がいたんだけど、
なぜかその人まで私をヴィリーって呼ぶのよね。

それはどんな人なのかわかるかい？

金髪の若い剣士だったかしら。
輝く立派な剣を持っていたわ。

金髪の剣士でありますか？
はて、どこかで見たことがありますような…

その剣て…
まさかあの剣じゃないよな。

…でも、
助けてくれたその人は追いかけてきた男に刺されてしまって、
私の視界は真っ赤になってしまったのよ。

こ、怖いであります～！
恐ろしいであります～！

そんなのただの夢だから気にするなよ。
怖い夢なんてぼくも何回も見たことあるけど、特に何もなかったからね。

それもそうね。
夢を気にするなんて私らしくないわね。

そうでありますよ。
夢は夢であります。

なんだよ～
お前、結構恐がってたくせにさ～

うっ。
そ、それは…

私、また寝るわ。

寝れるかい？

平気よ。
それじゃお休みなさい。

この音で眠れるでありますかね？

おい。
ちょっと見てきてくれよセディル。

えっ、もう？
まだ早いんじゃないかな。

…

…熟睡してた。

うそだろ！？
あんなわずかな時間でか！？

ホントだって！
完全に眠りに入っているよあれは。

ああ。
その眠りを僕にも分けてほしいでありますよ～

レシエナって、もっと神経細かそうに見えるけど、意外に豪胆だよな。

ロルウェ様がレシエナ様には頭が上がらない理由がわかる気もするでありますよ。

朝よー
みんな起きてー

…おはよう。
…あれ…？
ぼくたち野宿してたんだっけ…

あ～ダメだ…
眠すぎて目蓋が重いよ～

もう眠気いっぱいでありますですハイ…

ほら見て。
みんながなかなか起きてこないから朝食を作っちゃったわよ。

え…！？

材料を適当に入れたスープしか作れなかったけど、朝食はきちんと取らなきゃね。

…

…