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ロルウェ
ようやくオレの番が来たか♪
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自分がやるのを密かに楽しみにしていたようだ。
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ロルウェ
実は、ユーリスが魔法でアシェドの嫌味を止める時に、
オレがこっそりとユーリスの魔力に上乗せするように魔力を送り込んでいたんだ。
こうでもしないとアシェドを止めることはできないからな。 -
微量な魔力だったのでユーリスは気づいていないようだった。
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ロルウェ
ユーリスがアシェドを止める度に、オレはユーリスに送る魔力を徐々に弱めていった。
これを繰り返していくうちに、ほんの僅かだけれどユーリスの魔力が強くなっていることがわかったんだ。 -
ユーリスの潜在能力に気付いた。
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ロルウェ
最終的には、ユーリスが自分だけの力で止められるようになるだろう。
あいつはアシェドにも匹敵するくらい…
いや、それを上回るほどの魔力になるかもしれない。
ユーリス自身もそれに気づいてくれるといいな。 -
そして…
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ユーリス
おれ、強くなったような気がするな。
なんとなくだけどわかるんだ。 -
ロルウェ
そうか?
対して変わらないだろう。
思い込みだけでは本当に強くなったとは言えないぞ。
実際はあまり強くなってないかもな。 -
知らないふりをするロルウェ。
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ユーリス
そんなことない!
おれは強くなっている!
はっきりとはわからないけどさ -
そして…
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ロルウェ
アシェドは今回もサボったからオレが出ることになったぞ。
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アシェドが来ない日が続いていた。
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ロルウェ
オレとユーリスの魔力で不適切な言葉を消し続けたから、嫌になったのかもしれないな。
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ユーリスがこちらへ走ってきた。
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ユーリス
ロルウェ!
お前、おれに魔力を送っていただろ。
おれがアシェドの暴言を止める魔法を使っている時にな。 -
ロルウェ
まあ、いつかはバレると思っていたけどな。
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ユーリス
よけいなことするなよ!
おれ一人でも止められたんだ! -
ロルウェ
あの時オレには、お前がアシェドの力に押されていたのが見えたぞ。
お前もわかっていたんじゃないのか? -
ユーリス
そ、そんなことない…っ!
おれがアイツなんかに… -
ロルウェ
確かに最初のころは、お前一人じゃ無理だったかもしれない…
オレはお前が魔法を使う度に送る魔力を段々と下げていった。
お前はそれを知らなかったから、無意識のうちにいつも通り魔力を使っていると思っていただろう? -
ユーリス
そうか…!
じゃあ、本当におれの魔力が強くなっていたのか!? -
ロルウェ
だといいけとな
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ユーリス
なんだよ!
結局何が言いたいんだよ! -
ロルウェ
さあ、何でしょう?
(アシェド口調) -
ユーリス
アイツのマネするなよ
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ロルウェ
ま、ユーリスは強くならないとな。
お前には大切な女の子がいるんだから… -
ユーリス
おっ
おれは別にリファラのことなんて…っ -
ロルウェ
リファラ、とは言ってないんだけどな
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ユーリス
う、うるさい…っ!
おれはもう帰る! -
顔を赤くしながらユーリスが去って行った。
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ロルウェ
ユーリスは強くなっている。
オレにはわかるよ。
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あえて本人の前では口にしないだけだった
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