ユーリスの魔力2

  • ロルウェ

    ようやくオレの番が来たか♪

  • 自分がやるのを密かに楽しみにしていたようだ。

  • ロルウェ

    実は、ユーリスが魔法でアシェドの嫌味を止める時に、
    オレがこっそりとユーリスの魔力に上乗せするように魔力を送り込んでいたんだ。
    こうでもしないとアシェドを止めることはできないからな。

  • 微量な魔力だったのでユーリスは気づいていないようだった。

  • ロルウェ

    ユーリスがアシェドを止める度に、オレはユーリスに送る魔力を徐々に弱めていった。
    これを繰り返していくうちに、ほんの僅かだけれどユーリスの魔力が強くなっていることがわかったんだ。

  • ユーリスの潜在能力に気付いた。

  • ロルウェ

    最終的には、ユーリスが自分だけの力で止められるようになるだろう。
    あいつはアシェドにも匹敵するくらい…
    いや、それを上回るほどの魔力になるかもしれない。
    ユーリス自身もそれに気づいてくれるといいな。

  • そして… 
  • ユーリス

    おれ、強くなったような気がするな。
    なんとなくだけどわかるんだ。

  • ロルウェ

    そうか?
    対して変わらないだろう。
    思い込みだけでは本当に強くなったとは言えないぞ。
    実際はあまり強くなってないかもな。

  • 知らないふりをするロルウェ。

  • ユーリス

    そんなことない!
    おれは強くなっている!
    はっきりとはわからないけどさ

  • そして… 
  • ロルウェ

    アシェドは今回もサボったからオレが出ることになったぞ。

  • アシェドが来ない日が続いていた。

  • ロルウェ

    オレとユーリスの魔力で不適切な言葉を消し続けたから、嫌になったのかもしれないな。

  • ユーリスがこちらへ走ってきた。

  • ユーリス

    ロルウェ!
    お前、おれに魔力を送っていただろ。
    おれがアシェドの暴言を止める魔法を使っている時にな。

  • ロルウェ

    まあ、いつかはバレると思っていたけどな。

  • ユーリス

    よけいなことするなよ!
    おれ一人でも止められたんだ!

  • ロルウェ

    あの時オレには、お前がアシェドの力に押されていたのが見えたぞ。
    お前もわかっていたんじゃないのか?

  • ユーリス

    そ、そんなことない…っ!
    おれがアイツなんかに… 

  • ロルウェ

    確かに最初のころは、お前一人じゃ無理だったかもしれない…
    オレはお前が魔法を使う度に送る魔力を段々と下げていった。
    お前はそれを知らなかったから、無意識のうちにいつも通り魔力を使っていると思っていただろう?

  • ユーリス

    そうか…!
    じゃあ、本当におれの魔力が強くなっていたのか!?

  • ロルウェ

    だといいけとな

  • ユーリス

    なんだよ!
    結局何が言いたいんだよ!

  • ロルウェ

    さあ、何でしょう?
    (アシェド口調)

  • ユーリス

    アイツのマネするなよ

  • ロルウェ

    ま、ユーリスは強くならないとな。
    お前には大切な女の子がいるんだから…

  • ユーリス

    おっ
    おれは別にリファラのことなんて…っ

  • ロルウェ

    リファラ、とは言ってないんだけどな

  • ユーリス

    う、うるさい…っ!
    おれはもう帰る!

  • 顔を赤くしながらユーリスが去って行った。

  • ロルウェ

    ユーリスは強くなっている。
    オレにはわかるよ。

  • あえて本人の前では口にしないだけだった

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