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セディル、ユーリス、レシエナ、エリレオの四人は、湖の上に浮かぶ特殊な石の上を渡っていた。
しかし、途中で、石が崩れてしまって足場がない所があり、飛び移って渡るしかない場所がある。 -
セディルこれは飛び越えて進んでいくしかないか。
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ユーリス踏み外したり、飛びそこねたりしたら、湖に落ちちゃうよな。
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不安そうな顔で湖を見る。
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エリレオもしや、ユーリス様は泳げないのでありますか?
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ユーリスう…。
実はそうなんだ。 -
レシエナだったら落ちなければいいのよ。
落ちてしまうことばっかり考えてると、本当に落ちてしまうわよ。 -
ユーリスそれでも考えちゃうんだよなぁ。
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レシエナとにかく渡るしかないわ。
先に行くわよ。 -
レシエナは真っ先に次の石に飛び移った。
そして、軽やかに次から次へと石を飛び越えていく。 -
ユーリスええっ!?
あんな簡単に渡っちゃってるぞ! -
エリレオは、速いでありますよ~
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セディルレシエナってすごいなぁ。
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レシエナみんなー!早くー!
ぐずぐずしていたら置いていくわよ。 -
レシエナは早々と渡り終えたので、こちらへ来るように呼ぶ。
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セディル今行くよレシエナ。
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そして、セディルとエリレオも渡り終えた。
後は遅れているユーリスだけだった。
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レシエナほらユーリス!しっかり~!
思い切って飛びなさい! -
エリレオあともう少しでありますよ~!
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セディル周りは湖だと思わないで普通の地面だと思ってジャンプするんだ!
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ユーリスわかってるよ!
こんなのどうってことないさ! -
ユーリスはわざと強がってみせた。
そして、なんとかユーリスも渡り終えた。 -
そして…
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更に進んでいくと、ロープを使って急な下り坂を下りていく場所がある。
下まではかなりの距離があり、景色が小さく見える。 -
セディルうわあ。
下りる時はあまり下を見ない方がいいな。
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ユーリスハア…
またおれの苦手な分野か… -
レシエナさあ行くわよ!
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レシエナはロープを掴みながらスイスイと下りていく。
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ユーリスええ!?
またあっさりと先に行っちゃったぞ! -
エリレオさすがロルウェ様の姉でありますな。
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セディルうん。
似てるところがあるよね。 -
ユーリスおれは、ロルウェよりも上回っているような気がするな。
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レシエナみんな!
この先は大丈夫みたいよ。
私について来て! -
ここからは過去の回想
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レシエナは弟のロルウェを探すために一人で行動していた。
すると、水色の髪で白い服を着た可愛い容姿の少年が魔物たちとの戦いで苦戦しているのを見つけた。 -
レシエナあの子は確か、リューエル家の大僧正レハラルドのご子息のユーリスね。
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レシエナはユーリスの所へ駆け出した。
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ユーリスな!?お前は闇のヤツだな!?
何をしに来た!? -
ユーリスはレシエナから闇の力を感じたので嫌悪した。
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レシエナそんなことを言ってる場合じゃないわ。
あの魔物をなんとかしないと。 -
ユーリスまさか、おれを助けに来たとでも言うのか!
闇の力を持つヤツの手なんか借りたくない!
あっちへ行け! -
レシエナそんなの関係ないわ。
私はただ邪魔な敵を倒したいだけよ。 -
ユーリスお前は引っ込んでろよ!
こいつなんておれ一人で十分だ! -
レシエナあなたのその魔強化の力では勝つことは難しいわよ。
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ユーリスうるさいっ!
見てろよ…! -
ユーリスは魔物の攻撃を魔強化で防御したが、魔物の力に押されてしまった。
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ユーリスうわぁー!
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ユーリスは弾き飛ばされてしまった。
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レシエナだから言ったでしょう。
あなたはそこでおとなしくしてなさい。 -
ユーリスうぅっ…くっそー
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レシエナ魔物め!
私が相手よ! -
レシエナは高度な魔強化と高い魔力と両方の力をうまく使いこなし、魔物を倒していった。
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レシエナ片付いたわね。
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ユーリスお、おい…!
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レシエナ何?
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ユーリス敵を倒してくれたことには感謝するけど、闇のヤツらはおれにとっては敵だからな!
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レシエナ闇の力だけで敵味方を区別するなんて単純ね。
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ユーリス何っ!?
…って、あれ?
誰かにも同じこようなことを言われたような… -
レシエナ?
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ユーリス…ロルウェ!
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ユーリスは思い浮かんだ人物の名を口にした。
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レシエナあなた!
ロルウェを知ってるの? -
ユーリスなんだよ突然!
アイツは…ロルウェは闇の力を持つヤツなのに勝手に仲間になったんだよ。 -
レシエナ私はロルウェを探しているの。
あなたに付いていけば会えるのね。 -
ユーリスなんでだよ?
お前はロルウェと関係があるのか? -
レシエナ私の名前はレシエナ。
ロルウェは私の弟よ。 -
ユーリスえっ!?
あいつの…!? -
レシエナそうと決まったら行くわよユーリス。
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ユーリス!?
なんでおれの名前知ってんだよ!?
それにおれは一緒に行くなんて一言も言ってないからな! -
レシエナまた、さっきの魔物に遭遇したらどうするつもりなの?
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ユーリスそ、それは…
な、なんとかするさ! -
レシエナいちいち手間取っていたら時間の無駄でしょう。
その分あなたの仲間を待たせてしまうことになるわよ。 -
ユーリス…
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ユーリスはしばらく考えた後、口を開く。
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ユーリス…言っておくけどな。
あくまで自分が早く行くためにお前と行動するだけだからな。 -
こうして二人は出会ったのだった。
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