第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「彼女の様子はどうだ?」
「今は疲れて眠ってる感じだね」
治療室に足を運ぶと白いベッドで規則正しい寝息を立てる少女が見えた
片腕には点滴の透明な管が見え、フリードは静かに彼女の側に椅子を寄せ座り込む
「疲労と栄養失調が気になるけど大きな怪我はないよ」
「そうか、ならマードックに美味いもん沢山作って貰うか」
鼻で笑いながら毛布から少し出ていたもう片方の手がフリードの目に止まった
ひび割れた指先をした少女の手を取り軽く握りしめるとあまりの細さに驚き悔やむように俯いてしまう
「…………だいたいの事はオリオからメールで聞いたよ、この子を保護するのは私も賛成だ」
「サンキュー、悪いな勝手な事して」
「……ハッ、今更言う?いつもの事じゃん」
痛い事を言われ苦笑いをするがフリードの気持ちは軽くはならなかった
「モリー……この子の体も診たか?」
「…………ああ、酷い痣だらけだったよ」
人身売買された人間は商品てして人権がない事が多い、奴隷のように働かされたり愛玩具のように夜の世話をさせられたり
フリードは流石に性行為までは聞けなかったが体にできた痣で唇を噛み締めてしまった
気持ちが昂り少女の手を握っていた手に力が入ると感触に驚いたのか、少女が目を覚ましてしまった
「あ、悪いっ、起こしたか?」
『………ぅ?』
ここが何処か分からないのか彼女はぼんやりと辺りを見回しフリードを見つめた
「ここは俺等の家、ブレイブアサギ号の中だ!もう悪い奴らはいないから安心してくれ」
体を起こそうとする彼女を咄嗟に支えてやり上半身を起こすと寝ていた状態では見えなかったモリーが見えキョトンと目を見開く
「私はモリーだ、体はどう?痛いとこある?」
どうだと聞くが彼女は何のことかイマイチ分かっていないのだろう
頷くでもなくただモリーを見つめ、ふと自分の手に繋がった管を見下ろした
『うー?』
「あ、こらっ!」
これはなんだと腕を上下に振り始める彼女にモリーはつい声を大きくさせた
その声に驚き体をびくんっと震わせた彼女
怒られた事は分かるようだ
駄目な事なのだと分かった彼女はしょんぼりと腕を降ろし布団をいじいじと指でいじりだす
小さな子供を見ているようでフリードは切なくも可愛らしいと感じた
「さて!これから忙しいぞ?色々覚えなきゃいけないからな」
フリードは席から腰を上げると彼女のベッドへと腰掛け直し
「でもまずは……名前からだな!」
『?』
彼女の視線にあわせ背中を丸めると自分の胸に手を当て
「フリード、俺はフリードだ」
『………?』
今度は彼女の手を取り自分の胸に押し当てるとゆっくりともう一度名前を口にした
「フリード……言ってみな」
『……う、…ど……ふ……ふ〜ど』
「ハハッ、フリード」
『ふー…ど…ふりー……ど』
何度も繰り返し教えると少女は段々と口の動かし方を学び
『……っ…ど……ふりーど!』
「そうだ!いい子だなナマエ!」
頭を優しく撫でて褒めてやると少女は気持ちよさと初めての達成感に喜び顔を明るくさせる
「ナマエ?その子の名前?」
「ああ!今決めた」
「そんな勝手に…本当の名前ないの?」
「さあな?過去を思い出すような物なら別にいらないだろ?これからは新しい人生が始まるんだから新しい名前の方がいいさ」
フリードの勝手な考えだがモリーも悪くないと感じ静かに頷いた
「ナマエ、それがお前の名前だ」
フリードは自分の名前を教えた時のように今度は彼女の胸元にナマエの手を押し当て名前を口にした
「ナマエ…覚えてくれ」
『……っ…ナマエ?』
「……そうだ」
その後すぐにマードックが食事を持って現れ拙い言葉を発する彼女を見ては大泣きし大騒ぎとなった
スプーンを上手く持てない彼女をモリーが手助けしようとしたがフリードが自ら世話をしだし、食事をしている間も終わってからも彼女から離れようとしなかった
マードックなら分かるがフリードはこんなに世話好きだっただろうか?
モリーは小首を傾げながらも暫くは二人を見守る事にする
すると突然
『っ!うっ、うぁ!』
大人しくしていたナマエが突然ベッドから降りようとし、腕に繋がっていた管がピンと真っ直ぐになる
このままでは針が抜けてしまう、痛みもある筈だというのに彼女は構わずベッドから身を下ろしてしまいフリードとモリーそしてマードックは驚き直ぐ様駆け寄った
「ちょっどうしたの!」
「ナマエ!どうした?」
「なんだなんだ?歩きたいのか?」
三人が慌てる中、彼女はフッ、フッと短い息を繰り返し四つん這いで進もうとする
何処へ向かっているのか分からないが、ほっとけずフリードが彼女の肩を掴み動きを止めようとした
「待てって!無理に動くな針が抜けちまうだろ?」
『っ、うっ、あぁっ!』
離せと言うようにフリードの手を引き離そうと爪を立てるが彼に離す気はない
暴れすぎて点滴の針は抜けてしまい腕に血が滲む、それなのにフリードに捕まりながら部屋の片隅を目指そうとする彼女の行動にモリーはハッとし口を開きかけるが
「フリードこの子!」
「ん?」
ビクンと体を大きく震わせた彼女はぺたりとその場に急に大人しく座り込み
彼女の座った場所からはじんわりと何かの液体が広がった
尿意があったのだろう
捕まえたばかりのポケモンも同じ行動をする事をモリーは思い出し口にしようとしたが遅かったようだ
『ふっ…ぁ…うぅっ…』
恥ずかしいのか怯えているのか
彼女はカタカタと震えだし両手で自分の股を隠し俯いた
「今着替えを用意するからアンタらは部屋から出てって!」
モリーの言葉にマードックは気不味そうに部屋を出ていったがフリードはすぐには立ち去らなかった
それどころか震えて背中を丸める彼女の側にしゃがみ込むと無言で少女を横抱きにし持ち上げてしまった
「ちょっフリード!」
「このままじゃ気持ち悪いだろ?バスルームへ運ぶから着替えさせてやってくれ」
服を濡らして汚しているというのにフリードは気にせず抱き上げ、治療室の扉を足で蹴り開けてしまった
先に大股で進んでいく彼に慌ててモリーは着替えや治療道具を用意し遅れて彼らを追いかけた
『うっ、っ…うぅ…ひっ…ん』
「……………」
スンスンと泣く彼女はまだ震えておりフリードは彼女を落ち着かせるように強く抱き直しバスルームを目指した
歩いていると飛行船内に住むポケモン達がフリードが運ぶ彼女に気が付き顔を見たがり足元に群がってくる
「皆、後でな?」
その子誰?どうしたの?と好奇心で群がる彼らを苦笑いで退かしバスルームに着くとフリードは遅れてついてきたモリーに任せ扉を閉めた
「……はぁぁ」
扉に背を押し付け大きなため息を吐くと彼は徐ろに自分の長い前髪を片手で掻きむしり額を抑えた
ポケモン達はそんなフリードの顔を下から見上げ小首を傾げた、何故なら彼の顔は…
「………なんだよ……これっ」
酷く興奮していたからだ
「今は疲れて眠ってる感じだね」
治療室に足を運ぶと白いベッドで規則正しい寝息を立てる少女が見えた
片腕には点滴の透明な管が見え、フリードは静かに彼女の側に椅子を寄せ座り込む
「疲労と栄養失調が気になるけど大きな怪我はないよ」
「そうか、ならマードックに美味いもん沢山作って貰うか」
鼻で笑いながら毛布から少し出ていたもう片方の手がフリードの目に止まった
ひび割れた指先をした少女の手を取り軽く握りしめるとあまりの細さに驚き悔やむように俯いてしまう
「…………だいたいの事はオリオからメールで聞いたよ、この子を保護するのは私も賛成だ」
「サンキュー、悪いな勝手な事して」
「……ハッ、今更言う?いつもの事じゃん」
痛い事を言われ苦笑いをするがフリードの気持ちは軽くはならなかった
「モリー……この子の体も診たか?」
「…………ああ、酷い痣だらけだったよ」
人身売買された人間は商品てして人権がない事が多い、奴隷のように働かされたり愛玩具のように夜の世話をさせられたり
フリードは流石に性行為までは聞けなかったが体にできた痣で唇を噛み締めてしまった
気持ちが昂り少女の手を握っていた手に力が入ると感触に驚いたのか、少女が目を覚ましてしまった
「あ、悪いっ、起こしたか?」
『………ぅ?』
ここが何処か分からないのか彼女はぼんやりと辺りを見回しフリードを見つめた
「ここは俺等の家、ブレイブアサギ号の中だ!もう悪い奴らはいないから安心してくれ」
体を起こそうとする彼女を咄嗟に支えてやり上半身を起こすと寝ていた状態では見えなかったモリーが見えキョトンと目を見開く
「私はモリーだ、体はどう?痛いとこある?」
どうだと聞くが彼女は何のことかイマイチ分かっていないのだろう
頷くでもなくただモリーを見つめ、ふと自分の手に繋がった管を見下ろした
『うー?』
「あ、こらっ!」
これはなんだと腕を上下に振り始める彼女にモリーはつい声を大きくさせた
その声に驚き体をびくんっと震わせた彼女
怒られた事は分かるようだ
駄目な事なのだと分かった彼女はしょんぼりと腕を降ろし布団をいじいじと指でいじりだす
小さな子供を見ているようでフリードは切なくも可愛らしいと感じた
「さて!これから忙しいぞ?色々覚えなきゃいけないからな」
フリードは席から腰を上げると彼女のベッドへと腰掛け直し
「でもまずは……名前からだな!」
『?』
彼女の視線にあわせ背中を丸めると自分の胸に手を当て
「フリード、俺はフリードだ」
『………?』
今度は彼女の手を取り自分の胸に押し当てるとゆっくりともう一度名前を口にした
「フリード……言ってみな」
『……う、…ど……ふ……ふ〜ど』
「ハハッ、フリード」
『ふー…ど…ふりー……ど』
何度も繰り返し教えると少女は段々と口の動かし方を学び
『……っ…ど……ふりーど!』
「そうだ!いい子だなナマエ!」
頭を優しく撫でて褒めてやると少女は気持ちよさと初めての達成感に喜び顔を明るくさせる
「ナマエ?その子の名前?」
「ああ!今決めた」
「そんな勝手に…本当の名前ないの?」
「さあな?過去を思い出すような物なら別にいらないだろ?これからは新しい人生が始まるんだから新しい名前の方がいいさ」
フリードの勝手な考えだがモリーも悪くないと感じ静かに頷いた
「ナマエ、それがお前の名前だ」
フリードは自分の名前を教えた時のように今度は彼女の胸元にナマエの手を押し当て名前を口にした
「ナマエ…覚えてくれ」
『……っ…ナマエ?』
「……そうだ」
その後すぐにマードックが食事を持って現れ拙い言葉を発する彼女を見ては大泣きし大騒ぎとなった
スプーンを上手く持てない彼女をモリーが手助けしようとしたがフリードが自ら世話をしだし、食事をしている間も終わってからも彼女から離れようとしなかった
マードックなら分かるがフリードはこんなに世話好きだっただろうか?
モリーは小首を傾げながらも暫くは二人を見守る事にする
すると突然
『っ!うっ、うぁ!』
大人しくしていたナマエが突然ベッドから降りようとし、腕に繋がっていた管がピンと真っ直ぐになる
このままでは針が抜けてしまう、痛みもある筈だというのに彼女は構わずベッドから身を下ろしてしまいフリードとモリーそしてマードックは驚き直ぐ様駆け寄った
「ちょっどうしたの!」
「ナマエ!どうした?」
「なんだなんだ?歩きたいのか?」
三人が慌てる中、彼女はフッ、フッと短い息を繰り返し四つん這いで進もうとする
何処へ向かっているのか分からないが、ほっとけずフリードが彼女の肩を掴み動きを止めようとした
「待てって!無理に動くな針が抜けちまうだろ?」
『っ、うっ、あぁっ!』
離せと言うようにフリードの手を引き離そうと爪を立てるが彼に離す気はない
暴れすぎて点滴の針は抜けてしまい腕に血が滲む、それなのにフリードに捕まりながら部屋の片隅を目指そうとする彼女の行動にモリーはハッとし口を開きかけるが
「フリードこの子!」
「ん?」
ビクンと体を大きく震わせた彼女はぺたりとその場に急に大人しく座り込み
彼女の座った場所からはじんわりと何かの液体が広がった
尿意があったのだろう
捕まえたばかりのポケモンも同じ行動をする事をモリーは思い出し口にしようとしたが遅かったようだ
『ふっ…ぁ…うぅっ…』
恥ずかしいのか怯えているのか
彼女はカタカタと震えだし両手で自分の股を隠し俯いた
「今着替えを用意するからアンタらは部屋から出てって!」
モリーの言葉にマードックは気不味そうに部屋を出ていったがフリードはすぐには立ち去らなかった
それどころか震えて背中を丸める彼女の側にしゃがみ込むと無言で少女を横抱きにし持ち上げてしまった
「ちょっフリード!」
「このままじゃ気持ち悪いだろ?バスルームへ運ぶから着替えさせてやってくれ」
服を濡らして汚しているというのにフリードは気にせず抱き上げ、治療室の扉を足で蹴り開けてしまった
先に大股で進んでいく彼に慌ててモリーは着替えや治療道具を用意し遅れて彼らを追いかけた
『うっ、っ…うぅ…ひっ…ん』
「……………」
スンスンと泣く彼女はまだ震えておりフリードは彼女を落ち着かせるように強く抱き直しバスルームを目指した
歩いていると飛行船内に住むポケモン達がフリードが運ぶ彼女に気が付き顔を見たがり足元に群がってくる
「皆、後でな?」
その子誰?どうしたの?と好奇心で群がる彼らを苦笑いで退かしバスルームに着くとフリードは遅れてついてきたモリーに任せ扉を閉めた
「……はぁぁ」
扉に背を押し付け大きなため息を吐くと彼は徐ろに自分の長い前髪を片手で掻きむしり額を抑えた
ポケモン達はそんなフリードの顔を下から見上げ小首を傾げた、何故なら彼の顔は…
「………なんだよ……これっ」
酷く興奮していたからだ