第一章
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それからというものダンデは時間を見つけては彼女の家を訪ねた
「リビングの電球新しいのにしといたぜ、他にも俺に手伝える事はないか?」
『え…えっと…じゃあ…』
一人で家の掃除をする彼女の手伝いをしたり、軽食を買ってきたり
その間ダンデは彼女が知らないであろう旅での出来事やチャンピオンになってからの事を話してくれた
ナマエは遠慮がちに返事をする程度だったがダンデは気にせず独り言のように話し続ける
最初の頃はソニアにボロ負けし泣いてしまった事、ヒトカゲが初めて進化した日の事
チャンピオンになりキバナというライバルを得た事等二人の空白の時間を埋めるように思い出を教えてくれた
『(チャンピオンになるにはやっぱりそう簡単じゃなかったんだな…ダンデさん凄い頑張って…)』
そこでふとナマエは女性関係の話題がない事に気が付き疑問を浮かべた
『(あれ?ダンデさんって今まで恋人とかいなかったのか?)』
今日は休みだからと私服姿で重い荷物を運んでくれる彼をじっと見つめていると視線に気が付き金色と菫色がぶつかった
「ん?なんだ?」
汗を浮かべた彼は首に巻いていたタオルで額を拭きながら問いかけた
ナマエは悩みながらも疑問に感じていた事を口にする
『ダンデさんて今まで恋人作った事ないんですか?』
「……………君、こないだの俺の話しをちゃんと聞いてなかったのか?」
ムッと口をへの字にさせた彼はぷいっと顔を逸らすと不機嫌そうに頬を膨らませた
『えーと?』
「……君しか見えてないのに他の女性と付き合えるわけないだろ」
『っ、そ…そうですか』
焦る顔が見えるかと思えば逆に攻められた気分だった、ナマエは気不味さにどうすればいいのかと迷いながら箒を忙しそうに動かし誤魔化したがダンデは頬を膨らませたままで中々機嫌を治してくれない
「………君こそ」
『ん?』
「君こそ俺と離れてから恋人はいたのか?」
じっとりとこちらを見た金色の瞳は悔しさと嫉妬を含ませておりナマエは息を呑んでしまった
「いや、すまない…聞きたくない、いややっぱり気になる!でもっ!君が話したくないなら我慢するぜ!」
何か葛藤している彼は頬を赤めたまま持っていたタオルを強く握り唇を噛み締める
好きな相手の事は知りたいが過去に彼女に触れた男がいたらと考えると面白くない
ならばいっそ聞かない方がいいのに知りたい
ダンデが一人悩んでいる隙にナマエはそそくさと逃げてしまい暫く考え込んでいたダンデは彼女が消えていたのに気づくのに時間がかかった
大分家が綺麗になった頃だ
大きく元気な声が室内に響いた
「アニキ!ナマエ!母ちゃんからお菓子貰ってきたぞ!皆で食べようぜ!」
『うわぁ、ありがとうっホップ!』
成長したホップだ
最後に会ったのはまだ五歳にもなってない程幼かったのに今じゃ少年らしく活発だ
彼が持ってきたバスケットにはクッキーやパイが入っており三人で中庭でお茶をする事にした
中庭に簡単にシートを敷きお茶を用意するとホップを真ん中にし三人で座りお菓子を楽しむ
「このチェリーパイ母ちゃんの自信作なんだぞ!食べてみろよ」
『ん、あ…本当に美味しいっ!』
「だろ!母ちゃんのパイは美味いんだ!他にもミートパイなんかも美味くてアニキなんか俺の分まで全部食べちまうんだぞ?酷いよな?」
「なっ!ホップだって俺の分まで食べるだろ!」
『(ふふっ兄弟で仲が良いのは変わってないんだな)』
ホップもナマエが戻ってきたと聞いた時はすぐに来てくれた
姉のように慕っていたせいもあり今でも甘えてくる少年が可愛くてナマエも彼をすぐに受け入れ、内心ダンデは嫉妬を覚えていた
『ホップ、口についてるよ』
急いで食べるからか口元をチェリーパイで汚した彼はまだまだ子供らしい、本当の弟のように可愛らしくてナマエは世話がしたくなりハンカチで口元を拭いてやった
「んむっ、へへっサンキューだぞ!」
「む!ナマエ!俺には?してくれないのか!」
ずいっとホップの隣から顔をこちらに前のめりに出す彼の頰にも確かに食べかすがついていたがナマエは苦笑いし
『ダンデさんは自分で拭いてくださいよ』
「〜〜っ!不公平だ!差別だっ」
また不機嫌になってしまった彼は新しいパイをとってはガツガツと大きな口でたいらげていく
残り少なくなるパイにホップは文句を言うがダンデは嫌がらせのつもりなのか聞く耳持たず、結局パイの早食い競争が始まってしまいナマエは二人を眺めて笑い紅茶を楽しんだ
「そうだっアニキ!例のお願いだけどさ、マサルの分のポケモンも捕まえてくれたか?」
「ああ、用意はしてるが推薦状は別だぜ?」
「ケチっ!!」
『ポケモン?推薦状?』
二人の兄弟の会話の内容が掴めず聞くとダンデが答える前にホップが口を開いた
どうやらホップは友人と近々ジムチャレンジに旅立つ予定のようだ
その為にウールーとは別に相棒ポケモンを一匹ダンデから貰う約束をしていたそうだ
「そうだな…次の休暇にでもポケモンは渡そう」
「やりぃっ!絶対だぞ!約束したからな!」
「心配するな、俺は約束は守る男だぜ」
二人で約束を交わすとホップは空になったバスケットを持ち先に自分の家へと足取り軽く帰っていった
ダンデとナマエの二人っきりになると突然静かな空気が流れ沈黙が続いた
並んで座る二人の間にはホップが座っていた分距離があり、ダンデはもどかしくも感じていた
『(……約束…か)』
そういえばとナマエが思い出しているとダンデは座ったままズボンのポケットに手を入れ小さなボールを一つ取り出した
『モンスターボール?リザードンですか?』
「いや、こいつはリザードンじゃない」
真ん中のボタンを押すとボールは本来の大きさに戻る、赤と白のツートンカラーをしたポケモンが入っているモンスターボールだ
「これは君にだ」
『え?』
「約束したろ?」
いつか相棒ポケモンを…
昔約束した事を彼は忘れてなかった
ダンデから受け取ったモンスターボールをまじまじと見つめているとボールは突然開き中から光と一緒にとあるポケモンが現れた
『うわっ!』
出てきたポケモンはウサギのような姿をしておりナマエを見るなり飛び跳ねて喜んだ
「ヒバニーだ、君を守ってくれる相棒ポケモンさ」
『ヒバニー…本当にいいんですか?』
「勿論だ」
『〜〜っ!』
嬉しそうに顔を明るくさせヒバニーを見つめるとダンデも満足そうに微笑み、ほんの少し距離を縮めて座り直した
ヒバニーはナマエがパートナーだと分かると警戒心もなく彼女の膝の上に座り嬉しそうに足をパタパタさせる
「君はジムチャレンジは興味あるか?もし興味があるなら俺が推薦状を出せるぜ?まあ勿論バトルを見てからだが」
ヒバニーから目線を上げるとさっきよりいつの間にか近くなっていた距離に驚いた
隣に座る彼のTシャツから出た太い腕や胸板
服が小さいのか彼の筋肉質な体のせいなのか、ハッキリ分かる逞しさに胸が高鳴る
『(……凄い筋肉)』
「ナマエ?」
『えっ、あ、ジムチャレンジ?』
つい体を見てしまい慌てて視線を上げる
『(やだあたしったら、変態さんじゃないんだからっ!)』
恥ずかしさに頬が熱くなるのを感じながら一生懸命彼の話を聞こうとした
ダンデは彼女の違和感に気がついたがまさか自分の体に見惚れていたなんて分かるわけもなく、変だと思いながらも話を続けた
「ああ、旅は楽しいぜ?相棒の力を出し切ってバトルして新しい出会いや景色を見れる…君にも是非見て欲しい…俺が見た美しいガラルを」
金色の瞳を細めて優しく微笑む彼、それだけでナマエの胸はまた早鐘をうちドキドキと落ち着かない胸を抑えヒバニーへと視線を落とす
『……できるなら…ヒバニーと……あたしもダンデさんが見た世界を見てみたいです』
遠慮がちに希望を口にする彼女にヒバニーは賛成だというように元気よく鳴き声をあげ、ダンデも表情を柔らかくさせる
「リビングの電球新しいのにしといたぜ、他にも俺に手伝える事はないか?」
『え…えっと…じゃあ…』
一人で家の掃除をする彼女の手伝いをしたり、軽食を買ってきたり
その間ダンデは彼女が知らないであろう旅での出来事やチャンピオンになってからの事を話してくれた
ナマエは遠慮がちに返事をする程度だったがダンデは気にせず独り言のように話し続ける
最初の頃はソニアにボロ負けし泣いてしまった事、ヒトカゲが初めて進化した日の事
チャンピオンになりキバナというライバルを得た事等二人の空白の時間を埋めるように思い出を教えてくれた
『(チャンピオンになるにはやっぱりそう簡単じゃなかったんだな…ダンデさん凄い頑張って…)』
そこでふとナマエは女性関係の話題がない事に気が付き疑問を浮かべた
『(あれ?ダンデさんって今まで恋人とかいなかったのか?)』
今日は休みだからと私服姿で重い荷物を運んでくれる彼をじっと見つめていると視線に気が付き金色と菫色がぶつかった
「ん?なんだ?」
汗を浮かべた彼は首に巻いていたタオルで額を拭きながら問いかけた
ナマエは悩みながらも疑問に感じていた事を口にする
『ダンデさんて今まで恋人作った事ないんですか?』
「……………君、こないだの俺の話しをちゃんと聞いてなかったのか?」
ムッと口をへの字にさせた彼はぷいっと顔を逸らすと不機嫌そうに頬を膨らませた
『えーと?』
「……君しか見えてないのに他の女性と付き合えるわけないだろ」
『っ、そ…そうですか』
焦る顔が見えるかと思えば逆に攻められた気分だった、ナマエは気不味さにどうすればいいのかと迷いながら箒を忙しそうに動かし誤魔化したがダンデは頬を膨らませたままで中々機嫌を治してくれない
「………君こそ」
『ん?』
「君こそ俺と離れてから恋人はいたのか?」
じっとりとこちらを見た金色の瞳は悔しさと嫉妬を含ませておりナマエは息を呑んでしまった
「いや、すまない…聞きたくない、いややっぱり気になる!でもっ!君が話したくないなら我慢するぜ!」
何か葛藤している彼は頬を赤めたまま持っていたタオルを強く握り唇を噛み締める
好きな相手の事は知りたいが過去に彼女に触れた男がいたらと考えると面白くない
ならばいっそ聞かない方がいいのに知りたい
ダンデが一人悩んでいる隙にナマエはそそくさと逃げてしまい暫く考え込んでいたダンデは彼女が消えていたのに気づくのに時間がかかった
大分家が綺麗になった頃だ
大きく元気な声が室内に響いた
「アニキ!ナマエ!母ちゃんからお菓子貰ってきたぞ!皆で食べようぜ!」
『うわぁ、ありがとうっホップ!』
成長したホップだ
最後に会ったのはまだ五歳にもなってない程幼かったのに今じゃ少年らしく活発だ
彼が持ってきたバスケットにはクッキーやパイが入っており三人で中庭でお茶をする事にした
中庭に簡単にシートを敷きお茶を用意するとホップを真ん中にし三人で座りお菓子を楽しむ
「このチェリーパイ母ちゃんの自信作なんだぞ!食べてみろよ」
『ん、あ…本当に美味しいっ!』
「だろ!母ちゃんのパイは美味いんだ!他にもミートパイなんかも美味くてアニキなんか俺の分まで全部食べちまうんだぞ?酷いよな?」
「なっ!ホップだって俺の分まで食べるだろ!」
『(ふふっ兄弟で仲が良いのは変わってないんだな)』
ホップもナマエが戻ってきたと聞いた時はすぐに来てくれた
姉のように慕っていたせいもあり今でも甘えてくる少年が可愛くてナマエも彼をすぐに受け入れ、内心ダンデは嫉妬を覚えていた
『ホップ、口についてるよ』
急いで食べるからか口元をチェリーパイで汚した彼はまだまだ子供らしい、本当の弟のように可愛らしくてナマエは世話がしたくなりハンカチで口元を拭いてやった
「んむっ、へへっサンキューだぞ!」
「む!ナマエ!俺には?してくれないのか!」
ずいっとホップの隣から顔をこちらに前のめりに出す彼の頰にも確かに食べかすがついていたがナマエは苦笑いし
『ダンデさんは自分で拭いてくださいよ』
「〜〜っ!不公平だ!差別だっ」
また不機嫌になってしまった彼は新しいパイをとってはガツガツと大きな口でたいらげていく
残り少なくなるパイにホップは文句を言うがダンデは嫌がらせのつもりなのか聞く耳持たず、結局パイの早食い競争が始まってしまいナマエは二人を眺めて笑い紅茶を楽しんだ
「そうだっアニキ!例のお願いだけどさ、マサルの分のポケモンも捕まえてくれたか?」
「ああ、用意はしてるが推薦状は別だぜ?」
「ケチっ!!」
『ポケモン?推薦状?』
二人の兄弟の会話の内容が掴めず聞くとダンデが答える前にホップが口を開いた
どうやらホップは友人と近々ジムチャレンジに旅立つ予定のようだ
その為にウールーとは別に相棒ポケモンを一匹ダンデから貰う約束をしていたそうだ
「そうだな…次の休暇にでもポケモンは渡そう」
「やりぃっ!絶対だぞ!約束したからな!」
「心配するな、俺は約束は守る男だぜ」
二人で約束を交わすとホップは空になったバスケットを持ち先に自分の家へと足取り軽く帰っていった
ダンデとナマエの二人っきりになると突然静かな空気が流れ沈黙が続いた
並んで座る二人の間にはホップが座っていた分距離があり、ダンデはもどかしくも感じていた
『(……約束…か)』
そういえばとナマエが思い出しているとダンデは座ったままズボンのポケットに手を入れ小さなボールを一つ取り出した
『モンスターボール?リザードンですか?』
「いや、こいつはリザードンじゃない」
真ん中のボタンを押すとボールは本来の大きさに戻る、赤と白のツートンカラーをしたポケモンが入っているモンスターボールだ
「これは君にだ」
『え?』
「約束したろ?」
いつか相棒ポケモンを…
昔約束した事を彼は忘れてなかった
ダンデから受け取ったモンスターボールをまじまじと見つめているとボールは突然開き中から光と一緒にとあるポケモンが現れた
『うわっ!』
出てきたポケモンはウサギのような姿をしておりナマエを見るなり飛び跳ねて喜んだ
「ヒバニーだ、君を守ってくれる相棒ポケモンさ」
『ヒバニー…本当にいいんですか?』
「勿論だ」
『〜〜っ!』
嬉しそうに顔を明るくさせヒバニーを見つめるとダンデも満足そうに微笑み、ほんの少し距離を縮めて座り直した
ヒバニーはナマエがパートナーだと分かると警戒心もなく彼女の膝の上に座り嬉しそうに足をパタパタさせる
「君はジムチャレンジは興味あるか?もし興味があるなら俺が推薦状を出せるぜ?まあ勿論バトルを見てからだが」
ヒバニーから目線を上げるとさっきよりいつの間にか近くなっていた距離に驚いた
隣に座る彼のTシャツから出た太い腕や胸板
服が小さいのか彼の筋肉質な体のせいなのか、ハッキリ分かる逞しさに胸が高鳴る
『(……凄い筋肉)』
「ナマエ?」
『えっ、あ、ジムチャレンジ?』
つい体を見てしまい慌てて視線を上げる
『(やだあたしったら、変態さんじゃないんだからっ!)』
恥ずかしさに頬が熱くなるのを感じながら一生懸命彼の話を聞こうとした
ダンデは彼女の違和感に気がついたがまさか自分の体に見惚れていたなんて分かるわけもなく、変だと思いながらも話を続けた
「ああ、旅は楽しいぜ?相棒の力を出し切ってバトルして新しい出会いや景色を見れる…君にも是非見て欲しい…俺が見た美しいガラルを」
金色の瞳を細めて優しく微笑む彼、それだけでナマエの胸はまた早鐘をうちドキドキと落ち着かない胸を抑えヒバニーへと視線を落とす
『……できるなら…ヒバニーと……あたしもダンデさんが見た世界を見てみたいです』
遠慮がちに希望を口にする彼女にヒバニーは賛成だというように元気よく鳴き声をあげ、ダンデも表情を柔らかくさせる