short short short!
短編にすらならない夢。ただの会話文とか。
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暗殺チームの幼女は三つ編みにする
20220107(金)00:37※幼女夢主
「メローネ、メローネ!」
「チビ、どうしたんだい?」
「みつあみ、やって!」
「三つ編みか。分かった。結ってる間、じっとしてろよ?」
「うん」
「ところで、なんでこんなに髪がグチャグチャなんだ?」
「じぶんでやろうとしたらね、できなかったの。ホルマジオにおねがいしたらね、もっとへんになったの」
「ああ、ホルマジオか。あいつはこういうことが苦手だからな」
「メローネとあにきはじょうず」
「イルーゾォも上手いだろ」
「イルーゾォ、へんなかみにするから、いや」
「あいつなりに、おまえを可愛がってるんだよ。それにしても、おまえの髪は本当に手触りがいいな」
「あにきもいってたー」
「肌もこんなにスベスベだ」
「ほっぺ、ひっぱっちゃダメ。のびちゃう」
「伸びないさ。ほら、できた。どうだ?」
「かわいい!」
「似合ってるぜ。おまえは可愛いからな。このまま、オレたち以外の要らねーもんなんて知らずに、大きくなれよ」
「どういうこと?」
「イイ女になれってことだ。ほら、リゾットに見せて来いよ」
「うん!リゾットにみせる!ほめてもらう!」
メローネ
プロシュートはそれでもあの子が好き
20220106(木)16:47※一方通行シリーズ
プロシュート→夢主→ペッシ
「うう……ッ。何で……何でペッシくんじゃあないの……!」
「てめー……。人の背中を借りといて文句か?」
「連絡をした時に、ペッシくんを寄越してって言ったのに。怪我を理由に、ペッシくんにおんぶしてもらう予定だったのに……ッ!」
「黙らねーと、この場で振り落とすぞ」
「……」
「少しはそうやって静かにしてろ」
「……ねえ、プロシュート」
「黙れって言ったよな、オレは」
「……ペッシくんって、何でわたしを好きになってくれないの?」
「知らねーよ」
「わたし、魅力ない?ダメな女?」
「ペッシに聞け。ただ、本人の前であれだけ煩く騒いでたら、煩わしく思うのも当然だ」
「それってやっぱりダメな女?」
「だからペッシに聞けよッ」
「……わたしは、こんなにペッシくんが好きなのに」
「……」
「初めて好きになったのも、ペッシくんなのに」
「……」
「ペッシくん、ペッシくん、ペッシくん……ッ!」
「耳元で煩ェんだよッ!落とすぞッ!」
「……」
「……やっと静かになったか」
「プロシュート、凄くいい匂いがする。何の柔軟剤使ってるの?」
「……香水だ。バカか、オメーは」
「後で何を使ってるのか教えて!この匂い、好き!」
「ん?この匂い……。おまえ、香水付けてるのか?」
「うん!プロシュートが使ってるのと同じやつなんだ。いい匂いだったから、教えてもらおうとしたら買ってくれたの」
「(だから最近の兄貴の機嫌が妙にいいのか)」
「ねえねえ、ペッシくんも同じやつ使おうよ。三人でお揃いにしようよ」
「い、いや、オレは……」
「一緒にしようよ!」
「(んなことしたら、兄貴が不機嫌になるじゃあねーかッ)」
プロシュートペッシ
パッショーネには変わり者しかいない3
20220105(水)00:17わたしが一番来たくない場所が、親衛隊のチョコラータさんのところだ。チョコラータさんの過去は知っている。変わり者をとっくに超えた、好んで自ら人を殺すとんでもない人だ。そんな人が相手でも、依頼があればチームとして動かなければならない。わたしは少しだけ乱暴に扉をノックし、部屋に踏み込んだ。
「待っていたぞ」
「早く用件を言って下さい」
「まあ、そう急かすな。ゆっくりして行けばいいじゃあないか」
「忙しいので」
「ククッ。そんなに嫌か?わたしといるのは」
「はい」
この人の依頼は決まっている。「始末する人間をより苦しめるために、その人の全てを知りたい」というもの。対象が何に愛情を感じ、何に恐怖を感じるのか。特にそれが知りたいと言う。愛情を向けている者を、ターゲットの目の前で苦しめることも好んでいるし、恐怖しているものを拷問に積極的に使う。この人が手を下す相手は、裏切り者の中でも組織に大きな損害を与えた人だ。麻薬を少し抜き取っただとか、組織の下っ端の情報を売った程度であれば、暗殺チームに任務として回って来る。しかし、それ以上となると……ボスの許可なしに独自に麻薬の売買ルートを作り上げたり、幹部の情報を売ったり、ボスを裏切ったりすれば、地獄の苦しみを与えるためにチョコラータさんとセッコさんが動く。時には「見せしめ」として、ターゲットの仲間や家族をも巻き込んで。
「今回はこの女。組織に潜り込んで探っていた、他の組織の犬だ」
「……」
「楽しみだなァ?」
チョコラータさんは、わたしの能力を面白がっている。拷問を終えた後、必ずわたしを呼び出して能力を使わせる。どうやって拷問したのか、どのようにターゲットが苦しんだのか、いつどんな形で息絶えたのか、その時にターゲットは何を思っていたのか。それをわたしに言い当てさせる。泣きながら、吐きそうになりながら、全てを知って全てを紡ぐわたしを見て楽しんでいる。本当に誰よりも狂っていて、誰よりも厄介で、誰よりも変わっている。親衛隊
パッショーネには変わり者しかいない2
20220104(火)00:24暗殺チーム。組織の者の殆どは近付こうともしないこのチームに、わたしは来ていた。チームからの依頼で。しかし、わたしは暗殺チームに来ることに、特に嫌だとかは思っていない。このチームも変わり者が多いことを知っているし、ターゲットの始末の仕方もそりゃあもう事細かに知っているが、リーダーであるリゾット・ネエロさんは、他の人たちが思っているよりも悪い人ではないことも知っていた。
「次の任務のターゲットの居場所が知りたい。組織に狙われていることを知って逃げ回っているからか、情報管理チームから受け取った情報に潜伏先の情報がなかった」
「分かりました。写真、見せてください」
リゾット・ネエロさんは、見た目も雰囲気も人を寄せ付けない怖さがある。だけど、彼は本当は心優しい人間だ。初めて人を殺した理由だって、いとこの子供を殺した犯人の判決に納得がいかなかったというものだ。そして、こんな危険な仕事をしているチームのメンバーを、いつも心配している。表情や言動にこそ出さないが、彼はいつだって自分よりも他人のことばかりを考えていた。
「ターゲットの現在地は、ベルガモです。そこに自分の部下が経営する店があり、店の地下に隠れていますね。昼は警戒して殆ど地下にいますが、夜中に部下と共に外出しているようです。二時間くらいですが。店の名前と住所、だいたいの外出時間、部下の名前と特徴など、紙に書いておきます」
「ああ」
リゾット・ネエロさんは何も言わないが、わたしがこのアジトに来るまでを陰から見守っていたようだ。わたしは『知る』能力だけは人よりも優れているけれど、戦闘には全く役立たないし、わたし自身も腕力には乏しい。場合によっては組織から護衛が付くけれど、暗殺チームに来るときは、その護衛すら首を横に振る。そのことを知って、気遣っているのだ。やっぱり、この人は優しい。だけど変わっている。本来の自分をもっと表に出せばいいのに、そうすればこのような待遇は受けないのに、この人は不器用で他人に気を遣い過ぎているがゆえに、こういうことしかできないのだ。
リゾット
パッショーネには変わり者しかいない1
20220103(月)17:03わたしは、パッショーネというギャング組織の偵察チームに所属している。なんでギャング組織にいるのかというと、スタンドだなんていう別に欲しくもなく生まれながらに持っていた能力が原因だ。スタンドが一度目にした人や物の過去と現在を知ることができる。それは本人自身から写真や映像といった、とにかく『本物』または『本物を切り取ったもの』であれば可能。そんな能力だ。組織にとっては、この能力が欲しかったらしいが、わたしはこんな能力に感謝などしたことがなかった。人間、知らない方がいいことだってあるのだから。
「来たか。偵察チーム……だな?そこに座ってくれ」
「すみません、ブローノ・ブチャラティさん。お待たせしてしまって」
「電車が遅れたと聞いている。問題はない。まずは何か飲むか?疲れただろう」
「ああ、いえ。仕事中なので」
「真面目だな」
「ところで、電話で話していた件は?」
このブローノ・ブチャラティさんという男性。紳士的で頼り甲斐があり、優しく、周囲からも信頼されている人だ。ギャングに入ったのも、自分の父親を守るためで、正義を心から求めている。……というのは噂でも聞いたし、この依頼が来た際に、彼の写真から知った。しかし、わたしは知っている。この人は、汗の味で嘘か本当かを見極めることができるという、スタンドではない奇妙な能力を持っていることを。
「この男の情報を知りたい。君の能力なら……どうした?」
「何でもありません」
ブローノ・ブチャラティさんは、組織の女性陣だけでなく街の女性住民からも絶大な人気を誇っている。まあ、この性格にこの端整な顔だ。それは当然だろう。しかし、その人たちは知っているのだろうか。汗の味で嘘か本当かを知るこの能力を。少し……いや、かなり変わった能力だし、知らない人の汗を舐めるとか、正直なところ「それってどうなの」という能力だと思う。人って分からないものだ。それにしても、このブチャラティチームにしろ、この組織全体にしろ、変わり者が多いな。
ヘブンズ・ドアーは、本人・本体が必要で、書き込む事で支配すらも可能ですが、夢主の能力は本人・本体に関わらず写真やテレビなどの映像からも可能な代わりに、ただ読み取るだけで相手に直接何かをすることは出来ません。
ブチャラティ
グイード・ミスタの同僚は問題児23
20211231(金)00:46「おまえ、カレンダーと睨み合ってどうしたんだよ」
「……ミスタ。あと少しで、新しい一年が来るよ」
「だからどうしたんだって」
「来年、みんなとどんな思い出を作ろうかなって考えてたの」
「思い出ェ~?」
「うん。今年は、ミスタと色んな所に行って遊んで楽しかったし、ナランチャと一緒にご飯が美味しいお店を探したし、ブチャラティに任務成功を褒められたし、アバッキオには……怒られたことの方がちょっと多いけど去年よりはちょっぴり優しくしてもらえたし、フーゴにも怒られたりしたけど勉強を沢山教えてもらったし、ジョルノには色々と助けてもらったし」
「……おまえ、まーたジョルノを頼ったりしてねーだろうな?」
「し……してないよ」
「(嘘だな)」
「と、とにかく、みんなと沢山思い出を作ったし、楽しい一年だったから、来年はもっと楽しい年になったらいいなって思ってるんだ」
「おまえは、何をしてても楽しそうだけどな」
「みんながいれば何でも楽しいよ!」
「……一番は?」
「ん?」
「誰といる時が一番楽しいんだ?」
「うーん……」
「……」
「うーん……」
「……」
「やっぱり、みんなといる時」
「みんな……か」
「でもね、一緒にいる時間が一番長いのはミスタだよ。一緒に出掛けて、一緒にご飯を食べて、一緒に仕事をして。ミスタといる時間、凄く楽しいし、凄く幸せ」
「し、幸せ……」
「だから、来年も一緒に色んなことをしようね、ミスタ」
「……ああ。勿論だぜ」
ミスタ
トリッシュ・ウナは奪われたくない
20211229(水)23:55sssネタ募集企画より
ゆり様「トリッシュのヤンデレ」
※病んでるトリッシュ、百合
ソファーに座っていたあの子が、携帯電話の画面を見ながら首を傾げていた。「どうしたの?」と声を掛ければ、眉をハの字にさせてあたしを見上げる。隣に座って腕を密着させるように寄り掛かると、彼女はあたしの名前を小さなその声で呼んだ。
「トリッシュちゃん……。ちょっとね」
「ちょっとって、何よ。隠し事?」
「べ、別にそういうわけじゃあ……」
「じゃあ、どういうわけ?」
彼女は歪に笑った。そして少し沈黙を挟んでからこう言った。
「……友達が……話をしてくれなくなって。一昨日から避けられてるの。一週間前、一緒に遊んだはずなのに」
「何かあったの?」
「分からない……」
彼女は臆病そうな見た目に反して、パッショーネというギャングだなんて組織に入っている。あたしがパッショーネと関わった時には既に入団をしていて、「こんな子がギャングなの?」と思った。彼女が入団をしたのはジョルノの入団試験が原因らしいけれど、そのことに責任を感じているのか、組織のボスの座に就いたジョルノは、自分が学校に行っていないというのに、彼女には「ちゃんと学校に行って下さい」と言い、ギャングとしての仕事よりも学校を優先させていた。それが、あたしから彼女を遠ざけた。あたしとは違う学校に通う彼女は、あたしの知らない人と仲良くなっていって、一緒に昼食を食べたり、学校帰りに寄り道をしたり、どこかへ出かけるまでになっていた。
「ふうん。まあ、そういうこともあるんじゃあない?」
「……うん」
「寂しい?」
「そりゃあ。だって、友達だったし」
「友達……」
本当に友達なら、あんたがギャングってだけで、嫌わないはずよ。あたしはそう思った。彼女は、学校ではギャングという事実を隠している。ジョルノにそうアドバイスされていたし、彼女も隠しておいた方がいいと思っていたから。あたしはそれを教えただけ。その友達に。
「そいつが離れて行っても、あたしはあんたの傍にいるわ。だから、元気出しなさいよ」
「トリッシュちゃん……」
彼女は、ぎこちなく笑った。この子のこういう顔がとても可愛くて、あたしは大好き。それと、ギャングのくせに人を疑わない性格も。彼女の手から携帯電話を奪って、電源を切り、テーブルに置く。そうして空いた彼女の手に指を絡めれば、彼女の唇が震えた。
彼女の中での一番はチームの仲間。ジョルノ、ミスタ、フーゴ、もう今はいないブチャラティ、アバッキオ、ナランチャ。そんな彼女の中で、女の一番はあたしだったはずなのに、そこに割って入ろうとするヤツがいるなんて許せない。あたしたちは一緒に戦い抜いた。誰よりも強くて固い絆がある。彼女も、あたしのことを大好きと言ってくれた。そこに、学校が一緒なだけで入り込むなんて、図々しいわ。
sssネタ募集企画、消化完了しました。トリッシュ
テレンス・T・ダービーは迫られる
20211228(火)23:03sssネタ募集企画より
匿名様「テレンス→←夢主←DIOのお話」
ヴァニラ・アイスは彼女を「バカ」だの「アホ」だのと言うが、わたしはそうは思わなかった。まあ、確かに落ち着きには欠けていて幼いところも目立つが、相手を騙すとか嘘を吐くだとか、そんな面倒くさいことは一切せず、素直に自分の気持ちを表現するその性格は、実は世間では結構少ない部類だ。そういう彼女がわたしは気に入っていたが、このところそれが少しばかり問題となっている。
「テレンスさん!」
わたしを見つけると、彼女は尻尾を千切れんばかりに振る犬のように近付く。彼女は「今日も素敵です」「会えて嬉しいです」と、輝かせた瞳でこちらを見上げながら言う。こう言われて悪い気など普通はしない。わたしから「似合っている」という言葉が欲しいために選んだという服を、望むように褒めれば、彼女は頬を赤らめて口元を緩ませた。
その日の夜。DIO様に呼ばれて、わたしは部屋に向かった。望まれたコーラとグラスを盆に乗せて。普段、DIO様はコーラなどという甘たるいものは口にしない。これを運ばせるということは、DIO様の部屋にはもう一人……いるはずだ。そう、甘い物を好む彼女が。
DIO様は、彼女を食料とも部下とも違うように扱っていた。最初は犬よりも犬らしいとヴァニラ・アイスに言われていた彼女を『ペット』のように見ていたが、気付けば彼女を頻繁に呼び出し、他の者には決して贈らない高価な衣服や装飾品、この地では中々手に入らない菓子をも与えるようになっていた。今日もそんな贈り物をされ、着せ替えられたのだろう。部屋の扉を開けると、ベッドに寝転ぶDIO様と向かい合う形で椅子に座る彼女がいた。昼間の服とはまた別の物を纏う彼女を見ていると、刺すような視線がこちらに飛んできた。
「テレンス。なにをそんなに真剣に見ている」
「いえ、何でもありません、DIO様」
わたしを見るなり尻尾を振り始めた彼女は、「夜も会えるだなんて幸せです」と場の空気も考えずにはしゃぎだす。横から向けられる視線が一層に鋭いものになり、なんとか和らげようとコーラを差し出すと、彼女は早速とグラスを受け取ってストローを咥えた。
「こいつがおまえに会いたいと煩くてな。だから呼んだのだ、テレンス」
「は、はあ……」
「テレンスさんが持って来てくれるコーラ、お店で飲むのよりずっと美味しいです!」
「中身は……普通の市販の物なので、変わりはないはずですが」
「あの、テレンスさん。この服、DIO様に戴いたんです。DIO様は褒めてくださったんですが……」
彼女がわたしを見つめる意味は、何となく分かっていた。わたしがどう思うのかを知りたいのだろう。
「テレンス。答えてやれ」
「……」
「どうした、テレンス」
ここでどう答えてもDIO様の機嫌は悪くなる。褒めても、否定をしても。彼女を褒めて喜ばせてしまえば怒り、否定をすれば悲しませるうえにDIO様の贈り物も貶してしまうことになる。どちらを選んでも結果は同じ。急かすようにわたしを見つめる二人。その視線の意味はそれぞれが違っていて、わたしは頭を抱えた。
スタンド、その他5部、他部
リゾット・ネエロは恋愛下手にも程がある
20211226(日)02:00もちむぎ様「恋愛に経験値を振っていない上に認知が歪みまくってるリゾットがまとわりつく」
「リゾットさん、メローネさん。わたしはお先に失礼します」
「ああ。明日、遅れるなよ」
「それはこっちの台詞です。待ち合わせに遅れるの、メローネさんの方なんですから。メローネさんこそ遅れないでくださいよッ」
「分かった。……んん?リゾットのヤツ、どこに行ったんだ?」
「ひいッ!リ、リゾットさん……ッ。いつの間に隣に……」
「……」
「きょ、今日は、残って仕事をするんじゃあ……?」
「送って行く」
「(て、手を掴まれたッ)」
「……」
「いや……その、リゾットさんの帰りが遅くなるので、わたしは一人で大丈夫です」
「…………男と会う気か?」
「ん?……って、痛い痛いッ!リゾットさん、手に力が……!」
「男と会うのかと聞いている。オレ以外の、他の」
「(な、なに言ってんだ、この人ッ)」
「答えろ」
「ち、違いますッ!」
「嘘じゃあないな?」
「嘘じゃあないですッ!嘘じゃあないので、手を……ッ!手を離してくださいッ!」
「なら、いい」
「……あの、手、手を……」
「何だ」
「何でも……ありません」
「……」
「(力は緩くなったけど、このまま手を繋いで帰るの?そういえば最近、リゾットさんって何かとくっ付いて来るよなあ……。待機中に出掛ける時も、買い出しに行く時も、アジトにいる時も……。あれ?まさか、わたし……リゾットさんを怒らせるようなことを……?)」
「どこに行ってたんだよ、リゾット。仕事中だってのに、急にいなくなって」
「あいつを送っていた」
「ん?おまえら、デキてたのか?まあ、最近やけに一緒にいるとは思っていたが。いつからだよ」
「二週間前。おまえたちが任務で出払っていた時だ」
「(マジかよ。あいつ、リゾットのことを『顔が怖い』とか言ってたのに)」
「……」
「切っ掛けはなんだよ」
「……あいつが笑った。オレに……『頼りになる』と。付き合うなら、この仕事を受け入れて、頼りになる男がいい……と言っていた」
「…………それだけか?」
「だったら何だ」
「(そういえばあいつ、二週間前にリゾットと二人きりになった時、沈黙が嫌で色々と思い付くままに話したとか言ってたな。緊張で吐きそうだったとも言ってたが)」
リゾット
パンナコッタ・フーゴの恋人は離れられない
20211224(金)23:03日和様「暴力的なヤンデレ」
※病んでるフーゴ、暴力表現あり
口の中が鉄の味でいっぱいになった。頬の肉が切れたとかじゃあない。歯が折れたかもしれない。いや、確実に折れている。小さく硬い物が舌の上に転がっていて、血の混じった唾液と一緒に吐き出せば、白い塊が床に落ちた。
「ご、ごめん、なさい」
「『ごめんなさい』だと?てめーは、オレが何で怒ってるのか、それを理解してそう言ってんのか~ッ!?」
パンナコッタの足が脇腹を蹴った。痛みに思わずお腹を抱えれば、今度は髪を鷲掴みにされて顔を引き上げられる。視界を占めたのはパンナコッタの怒りに満ちた顔で、わたしはもう一度「ごめんなさい」と謝った。すると、パンナコッタは先程と同じ側の頬を殴りつけ、わたしの額を床に叩きつけた。
なぜ彼が怒っているのか。わたしにはよく分からない。分からないけれど謝った。パンナコッタは、普段はとても紳士的だ。言葉遣いだってこんな荒っぽいものじゃあない。だけど一度、その怒りに火が付くと、こうして容赦のない暴力を振るう。最初は……恋人になった当初は、こんなことはなかった。ゆっくりとだった。ゆっくりと、パンナコッタは変わっていった。初めて彼が怒ったのは、わたしが彼のチームの仲間であるナランチャくんと話した時。「傍にいるのに、ぼくよりもナランチャと楽しそうに話してたのが気に食わない」。そういって顔を背けた彼に、わたしは可愛いと思ってしまった。年齢相応のヤキモチだと。だけどそれは、「自分以外の男と連絡を一切取るな」「出掛けるなら必ず連絡をしろ」「自分以外の人と話すな」「笑いかけるな」と、どんどん酷いものになった。少しでもそれに反して機嫌を損ねてしまえば、血が出ようと歯や骨が折れようと、気が済むまで暴力に溺れる。
「てめーは……ッ!てめーは、オレをバカにしてんのかッ!このアバズレ女ッ!オレに言ったあの言葉は嘘だったのか!?てめーは誰にでも軽々しく『愛してる』なんて言うのかッ!」
息を切らしながら、何度も何度もわたしの頭を床に叩きつける。骨を伝って響き渡る振動、神経を蝕む痛覚。始めは反射的に悲鳴が漏れていたけれど、今はもう呻き声をあげるだけで精一杯だった。するとパンナコッタは、ハッと息を呑んだと思うと、髪を掴んでいた手を離し、床にうつ伏せるだけのわたしの身体を抱き起して包み込んだ。
「ぼくは……また」
「パンナ……コッタ」
「す、すまない。ぼくは……ぼくはッ」
「……」
「……ぼくを……」
「……」
「ぼくを、嫌いにならないで……ッ」
パンナコッタは、最後には必ず謝る。そして、わたしを抱き締め、頭を撫で、キスをして、手当てをする。
「大丈夫だよ、パンナコッタ。嫌いに……ならないから」
わたしは、そんなパンナコッタから離れられないでいる。何かに怯えている彼から。フーゴ