short short short!

短編にすらならない夢。ただの会話文とか。
更新履歴にも載らない。

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  • プロシュートとペッシは振り回される

    20221013(木)01:12
    ※一方通行シリーズ

    「ペッシくん!開けて!開けてくれなきゃ開けるよ!」
    「お、おまえ、ホテルのドアを壊す気かよ……ッ。開けるから大人しくしてろッ」
    「わーい!ペッシくんの部屋!」
    「オレだけじゃあなく兄貴もいるんだから、静かにしてろよ……」
    「プロシュートは?」
    「兄貴は風呂だ」
    「ねえねえ、どっちがペッシくんのベッド?」
    「右だけど……って、おい、なに寝てるんだよッ!」
    「ペッシくんの匂いがする……ッ」
    「い、いいからベッドから出ろよ。オレが兄貴に怒鳴られるだろッ」
    「こうしていればペッシくんと一緒のベッドで眠れるでしょ?」
    「……おい、ペッシ。なんでこいつが部屋にいる?」
    「あ、兄貴ィ……!」
    「プロシュート、わたしもこの部屋に泊まる!ペッシくんと一緒のベッドで寝るの!」
    「オメーも男の部屋に入って来てんじゃあねーよ。襲われてーのか」
    「ペッシくんに……お、襲われ……。ううッ!嬉しいッ!」
    「お、襲わねーよッ!」
    「あッ!プロシュートが髪を下ろしてるの久しぶりに見る!」
    「そりゃあ風呂に入ってたからな」
    「結んでるだけあって、やっぱり髪が長いよね。でも、髪を下ろしてるのも似合うよ!」
    「……」
    「(兄貴、すっげー喜んでる……ッ。表情は変わってねーけど……)」
    「ねえ、触らせて。前から触ってみたいって思ってたんだ!」
    「……仕方ねーな。ほら、さっさとしろ」
    「サラサラだ!羨ましい!引っこ抜いていい?」
    「ふざけんな」
    「(兄貴……!スゲーいい感じですぜッ!)」
    「わたし、ペッシくんが髪を下ろしてるのも見たいな!」
    「おまえ、今そこでオレの名前を出すなよッ!」
    「ペッシくんも早くお風呂に入って髪洗って!あ、それとも、一緒に入る?身体洗ってあげるし、わたしの身体洗っていいよ!」
    「(ひいッ!兄貴がオレを睨んでるッ!なんでこいつはオレを危険にさらすんだよ……ッ!)」

    プロシュートペッシ

  • ジョルノ・ジョバァーナは色々と隠している

    20221012(水)00:56
    sssネタ募集より「ジョルノの正義だけじゃないスリとかタクシー詐欺しちゃう性格の片鱗がみえる話」

    「す、すみません。写真、お願いしても?」
    「ええ、いいですよ」
    「ジョルノって、写真を頼まれることが多いよね」
    「そうですね。結構頼まれます。まあ、そのおかげで色々といい事があるのですが」
    「あ、可愛い子と知り合えるとか?」
    「そんな事ではありません。臨時収入……と言うんですかね。そんなところです」
    「お礼で貰うの?」
    「たまにですが」
    「あれ?ジョルノ。手から何か……」
    「これですか?内緒です」
    「ん?」
    「内緒。秘密です」

    「やっと徴収終わったね。途中でスリが出たのは驚いたけど。ジョルノのおかげで捕まえられたし、盗まれたお財布も持ち主に返すことができたし良かった」
    「そうですね。それにあのスリ、結構持っていましたし」
    「え?」
    「自分の金を持っているくせに『勿体ない』でスリをするなんて、考えられない」
    「……ねえ、ジョルノ。そのお財布って、ジョルノの物じゃあないよね?なんかいつも見てる物と違う気が……」
    「そうでしょうか?そうだ。そこでジェラートでも食べませんか?丁度、臨時収入があったし」
    「ん?ん?」
    「ぼくはチョコレートとピスタチオで」
    「……」
    「注文、何にします?」
    「え、あ、いや……」
    「迷っているんですか?じゃあ、彼女にも同じ物を」
    「ジョルノ。わたしは……ッ」
    「はい、どうぞ。会計は済ませたので」
    「……ね、ねえ。そのお財布って……もしかして……さっきのスリの……」
    「さっきの……とは?」
    「だ、だから……ッ」
    「ぼくを疑うんですか?ぼくがそんなことをするような人間に見えますか?」
    「……いや、あのッ。わ、分かった。ご、ごめんね、変な事を言って」
    「ほら、早く食べないと溶けてしまいますよ」
    「う、うん……。い、一応言っておくけど、わ、悪いことはしちゃダメだよ。ね?約束できる?」
    「はい。では、約束しましょう」
    「(あれ絶対あのスリのお財布だよなあ……)」


    sssネタ募集企画、消化完了しました!読んでくださったみなさま、ありがとうございます!

    ジョルノ

  • ペッシの観察日記

    20221010(月)02:48
    sssネタ募集より「寝るのが大好きな夢主と寝ている夢主を自分のとこに持っていくリゾット」

    ※ちょっと病んでるリゾット

    「ペッシくんだ。任務終わったの?」
    「い、いや。今日は兄貴とホルマジオが組んでんだ。あまり人を連れて行けねーってんでオレはここで待機なんだよ」
    「へえ。そっか」

    オレのチームには、いつでもどこでも時間さえあれば眠っている女がいる。それがこの女だ。任務先への移動中も、任務が終わって帰る時も、報酬の配分の話をしている最中も。こいつどれだけ寝てんだと思って聞いたことがあったが、「寝たいだけ寝てる」と返って来た。これでも仕事だけはちゃんと出来てるってのが不思議だぜ。
    女は大きな欠伸をすると、一人掛け用のソファーに寝転び、そこで器用に丸まってから目を閉じた。寝息が聞こえて来たのはそれから数分後。帰って来て早々に寝るのかよ。ここがアジトだってのに、女はもうすっかり熟睡していた。

    それから三十分後だった。三十分後、任務から帰って来たリゾットが部屋の扉を開けて現れる。そしてオレの前を通り過ぎて、ソファーで眠っている女に近付き、そいつを抱き上げて複数人掛けのソファーに移ると、そこに座り、女を横に寝かせた。自分の膝に女の頭を乗せて。

    「ペッシ」
    「は、はい……ッ」

    オレは立ち上がり、足早に部屋を出た。リゾットはどういうわけか、あの女にベタ惚れってやつをしている。その理由は分からねーが、とにかく、あいつと一緒にいるリゾットは任務のとき以上に怖ェ。リゾットの前であいつと話しているとスゲー睨んでくるし、さっきみてーに圧を掛けて来る。別にそういう仲ってわけじゃあねーのに、あいつを独占するような行動ばかりを取る。どこでも寝ちまうあいつが、テーブルに突っ伏して眠っていたり椅子に凭れて眠っていたりすると、ああやってわざわざ自分の隣に連れて来る。下手に一緒にいたり関わると面倒だ。逃げちまった方がいい。本当に、リゾットのやつ、なんであの女にああも拘るんだ。兄貴は「リゾットは、そういうことに関してはイカレてる」って言ってたけど……。

    リゾット

  • リゾット・ネエロは興味が湧く

    20221008(土)00:28
    sssネタ募集より「スタンド能力が全く効かない、見えない、スタンド能力がない夢主に暗殺チームが執着するお話」

    女がこっちを見ていた。ただそれだけなら問題はなかった。こっちを見ているだけで、オレを見ていなければ。しかし、女は確かにオレを見ていて、オレの存在に気付いていた。オレが動けば女の視線が追って来る。『メタリカ』で姿を隠して、ターゲットの背後に立っているオレを。

    女は自分の目を擦って、改めてオレを見る。そして目を見開き、顔を逸らした。この女、やはりオレが見えている。そういう能力を持ったスタンド使いか?だとしたら、任務の邪魔になる。ターゲットはスタンド使いでも何でもない、敵対組織の幹部だ。そんなヤツはいつでも手に掛けられる。オレは女を先に始末してしまおうと、女に意識を集中させた。

    「どういうことだ……?」

    オレは女の首から剃刀を作り出そうとしたが、細い首からは剃刀の一枚も出てくることはなかった。もう一度、メタリカに指示をするが発動しない。そうしているうちに、女は席から立ち上がって逃げるように店を出た。

    ここで追いかけるのは時間の無駄だ。本来の目的であるターゲットを始末してアジトに帰ったオレは、情報管理チームに連絡を取り、女のことを調べさせたが、女はスタンド能力があるわけではなかった。つまり、非能力者でありながらスタンドの能力が利かないということ。

    「……興味深い」

    手に入れた資料から女の住所を知ったオレは、そいつの家に行った。オレが始末した男のことを、テレビのニュースや新聞で知るはずだ。あの女はオレが殺したと察するだろう。他の誰かにオレのことを話したところで信じるヤツなどいないだろうが、念のためにとナイフを取り出した。スタンド能力が利かなくても、こういった物ならば使えるはずだ。

    ただ、始末する前に、女から直接聞き、試したい。本当にスタンド能力がないのか、スタンド自体は見えているのか、メタリカを使った攻撃全てが利かないのかを。しかしその日、警戒をしていたのか、女が家に帰って来ることはなかった。

    次の日、街で女を見掛けた。周りのヤツらに見られないよう姿を隠して女に近付くが、女はオレの存在に気が付くと途端に走り出した。その背中を追う。顔を真っ青にさせた女は扉が閉まろうとしている列車に駆け込み、オレからすんでのところで逃げ切った。

    逃がすか。絶対に捕まえて、聞き出し、能力を試して、場合によっては始末する。必ずだ。


    暗殺チーム全員だと長くなってしまうので、リゾットにしぼらせていただきました。

    リゾット

  • 犯人のサーレー

    20221006(木)00:18
    sssネタ募集より「固定する能力を使って逃げられなくするサーレー」

    知らない男の人が、わたしの隣の席に座った。他の席も空いているというのに、なぜわざわざ隣に。そう思っていると、彼はこちらを見て笑った。

    「一人か?」
    「え、ああ……はい」
    「偶然だな。オレも一人なんだよ」

    わたしは「そうなんですか」と答えて、目の前の料理を口の中に押し込んだ。中々に面倒くさそうな人だから、早く食べ終えて店を出よう。そう思ったからだ。「この店のオススメってやつ、知ってたりするか?」「何食べてんだ?」とか、そんなことを言う彼を無視して食べ続ける。最後の一口を入れ、あまり噛まずに飲み込んだわたしは、椅子から立ち上がろうとした。

    「え?」

    おかしい。膝が伸ばせない。当然、腰も上がらないし、足なんか床に貼り付いているかのように動かない。

    「帰らねーのか?お、もしかして、オレに付き合ってくれんのか?」
    「そ、そういうわけじゃあ……ッ」
    「嬉しいじゃあねーか。へえ、大人しそうな顔して、結構積極的だな。まあ、嬉しいけどよ」

    「下半身が動かない」なんて言えるはずがない。「こいつ頭イカレてんじゃあねーか」って思われるに決まっている。しかし、わたしの下半身が動かないのは本当だ。どうなっているんだろう。視線を下半身に持っていっても、特に何かがあるわけでもない。

    「『下』が気になるのか?」
    「……」
    「そうだ。この後、バーに行こうぜ」
    「いや、わたしは……ッ」
    「酔ってもオレがちゃんと家まで送り届けるからよ。安心しろよ。オレ、ここら辺じゃあ結構顔が利くんだ。いい所を紹介するぜ」

    そう言って笑う彼は、何だかちょっと怪しい。確信はないが、おかしいことを言っているようだが、この人がわたしの傍に来てから奇妙な事が続いている気がする。この人が……この人が原因なんじゃあないか。

    「ん?何だ?オレが格好良くて、見惚れちまったか?」
    「……」
    「素直に言えよ」
    「……」
    「自己紹介ってやつがまだだったな。オレはサーレー」

    いや、そんな非現実的な事はないか……。

    スタンド、その他5部、他部

  • 空条承太郎は『お友達』である

    20221003(月)03:07
    sssネタ募集より「愛が重い承太郎」

    ※病んでる承太郎

    「昨日、男と話してただろ。短髪でヒョロいやつと。校門前で」
    「じょ、承太郎くん、見てたの?」
    「ああ、見てたぜ。見てたから聞いてるんだ。何だ、答えられねーのか」
    「……」
    「答えられねーような関係なのか?『お友達』のおれに」
    「そ、そういうわけじゃあ……。その、た、ただのクラスメイトだよ」
    「本当に『ただの』か?」
    「う、ん……」
    「なるほど。クラスメイト……」
    「あ、あの、承太郎くん」
    「なんだ」
    「今度は……何もしないで欲しいの。本当に……クラスメイトで、ぐ、偶然会って、話してただけだから……ッ」
    「何も?さて、どういう意味だ?分からねーな」
    「……」
    「おれからも、もう一つ聞きたいことがある。そいつと一緒にいたことを、何でおれに話さなかった?なぜ隠した?おれは言ったはずだ。『お友達』なら、隠し事はなしだってな」
    「ご、ごめん、なさい……ッ」
    「おまえはそればかりだ。……まあ、いい。ただな、次はもうない。それをしっかり覚えておけ」
    「う、うん……」
    「約束は破るもんじゃあねーだろ?守るものだ。特に『お友達』との約束はな」
    「そう、だね……」
    「さっきから俯いてばかりだな。顔上げて、こっちを見ろ。おまえは『お友達』とそうやって話すのか?」
    「ご、めんなさいッ」
    「……」
    「ちゃんと……するから、言う事……きくから、お、怒らないで……ッ」
    「怒ってはねーよ。おまえがしっかり約束を守るなら、おれはいちいち怒らねえ」
    「じょ、承太郎くん。て、手をそんなに強く握られたら、い、痛いよ……ッ」
    「笑えよ。『お友達』と話してるんだ。笑うのが普通だろ」
    「わら、笑う、から……許してッ」
    「おまえは何をそんなに怯えてる?」
    「お、怯えてない、よ……ッ」
    「……」
    「本当だよ……ッ。と、友達ッ。承太郎くんは、友達だから、怯えてなんか、ないよッ」


    最初、夢主は承太郎と『友達』になったはずなのに、いつの間にか承太郎の感情が友達へ向けるものじゃなくなっていったお話。

    スタンド、その他5部、他部

  • ディアボロは構って欲しい

    20220929(木)01:58
    sssネタ募集より「病んでなくてギャグじゃないディアボロ」

    一人掛けの椅子に腰掛け、大量の紙と向き合う。すると突然、背中に温もりと重みを感じた。同時に、顔の左側に斑模様の入ったピンク色の髪が掛かる。肩にぐるりと回された二本の太い腕。漂う匂い。わざわざ相手の顔を確認しなくても、誰であるのかは直ぐに分かった。

    「ボス」
    「その呼び方、今は止めろ。今はそうじゃあない」
    「ディアボロ」
    「そうだ。それでいい」
    「どうしたの?」
    「触れたいと思った。ただ、それだけだ」
    「そう。なら、満足するまで触れていていいよ」
    「そうするに決まっている」

    肩に回っていた腕が一本伸びて、紙を一枚摘まみ上げた。

    「仕事か?」
    「ドッピオくんにばかり任せていられないからね。あなたに近い事務処理はわたしの役目。そう決めたのは、ディアボロでしょ」
    「確かにそうだ。だが、今は手を止めろ。おまえが集中しなければならないのは、こんな物じゃあない」

    そう言って摘まんでいた紙をテーブルに放り、その腕をまた肩へと絡みつかせる。随分と甘えたな人だ。もういい大人なのに。こういう時、相手をしてやらなければ、彼は不貞腐れてしまう。それが結構面倒だ。わたしが甘えたい時、構って欲しいと訴えても、自分の気分が乗らないという理由で跳ね退けるくせに。

    「はいはい。分かったから、圧し掛からないで。重い」

    テーブルに広げた紙をまとめて隅に置くと、彼はわたしから離れて複数人掛けのソファーに座った。それが何を意味しているのかなんて言われなくても分かる。わたしは立ち上がり、どっしりと構える彼の膝を跨いで向き合った。

    「これでいいんでしょ?」
    「おまえは本当に物分かりがいいな」
    「これでも一応、あなたの恋人だから」

    わたしが仕事で他の男の人と話すだけで怒るし、望んでいることを汲み取ってやらないと機嫌を損ねるし、こちらが甘えなさ過ぎても文句を言う。そんな厄介な彼だけど、私は何だかんだと言いつつ付き合い続けている。

    ドッピオ&ディアボロ

  • 空条徐倫はあの子に弱い

    20220928(水)02:00
    sssネタ募集より「徐倫と付き合っている夢主のお話」

    ※百合

    「徐倫ちゃん!見てこれ!可愛いでしょ!日本のマスコットキャラクターなんだって!」
    「何これ。ダサいキーホルダー」
    「酷い……ッ。この可愛さが分からないなんて!」
    「あんた、こういうの好きよね。こういう子供向けのやつ」
    「子供っぽくないよ!日本では、わたしたちくらいの年齢の人にも大人気なんだよッ」
    「ところで、何で同じ物を二つ持ってるの?」
    「徐倫ちゃんとお揃いで持ちたくて!」
    「嫌よ」
    「そんな……ッ」
    「……」
    「お、お揃いにしてくれないの?」
    「……」
    「わたし、徐倫ちゃんとお揃いにしたいのに」
    「……」
    「うう……ッ」
    「……わ、分かったから、それ頂戴ッ。付けりゃあいいんでしょッ」
    「やったー!徐倫ちゃん優しい!これでお揃いだね!」
    「(あんな捨てられた犬みたいな顔をされちゃあ、断れないに決まってるでしょ)」
    「徐倫ちゃんと付き合って一年だからね。その記念だよ」
    「それをもっと早く、最初に言うべきなんじゃあないの?」
    「え?」
    「まあ、いいわ。……このキャラクター、よく見るとあんたに似てるわね」
    「わ、わたしこんなクタッとした顔してないよッ」
    「(顔じゃあなく、この気の抜けそうな感じが似てるのよ)」
    「でも、ありがとう!徐倫ちゃんとお揃い、凄く嬉しい!」
    「やっぱり似てるわ」

    好みも何もかも真逆だけど付き合っていればいいなと。

    スタンド、その他5部、他部

  • パンナコッタ・フーゴは敵わない

    20220927(火)00:11
    sssネタ募集より「フーゴの性格に理解のある年上彼女に甘えるフーゴ」

    「いつもありがとうございます。え、食事よりわたしに会うため……?ふふっ、そういうこと、みんなに言ってるんじゃあ?でも、来てくださって嬉しいです。ゆっくり食事をして行って下さい。…………ん?あ、パンナコッタくん。いらっしゃい。ごめんね。仕事、あと少しで終わるから」
    「まあ、元々終わるまで待つつもりで来たので」
    「そっか。優しいね」
    「優しいわけじゃあ……」
    「そこの席に座って。何か飲む?」
    「いえ。別に喉は渇いてないので要りません」
    「十五分くらいで終わるから。お腹減ったら声を掛けてね」
    「……」

    「お待たせ、パンナコッタくん」
    「……あいつ、さっき話してた客、仲いいんですか?」
    「ただのお客さんだよ」
    「あんなに笑っていたのに?しかも、口説かれていたじゃあねーかッ!本当はああやって言われて嬉しかったんじゃあねーのかッ!?」
    「大丈夫だよ。わたしの好きな人は、パンナコッタくんだけだから」
    「……嘘を言うんじゃあないッ」
    「嘘なんて言ってないよ」
    「本当は……ぼくみたいなヤツは面倒で嫌なんだろ。口に出さないだけで、そう思っているはずだ」
    「そんなこと思ってないから安心して」
    「正直に言えよ。年下で余裕のないヤツだって思ってるんだろ?」
    「正直に言うよ。思ってない」
    「……」
    「本当だよ。だから、そんなこと言わないで。パンナコッタくんはいつもわたしのことを心配してくれていて、だから不安になってるんだって知ってるから」
    「……」
    「抱き締めてあげるから、おいで」
    「……すみません。ぼく、また……」
    「いいんだよ。思ったこと、ちゃんと言ってくれてありがとう」
    「……」
    「わたしはパンナコッタくんを愛してるからね。だから、安心して」
    「……はあ。やっぱり、あんたには敵わない」

    フーゴ

  • ジョルノ・ジョバァーナの婚約者の話

    20220926(月)00:07
    sssネタ募集より「誰かの婚約者な夢主が結婚を諦めてもらうためにあの手この手で嫌がらせをする」

    わたしの父はギャング組織のボスだった。まあ、ギャングといっても規模は小さく、特に影響力が強いわけでもなかった。しかし、そんな父がわたしにこう言ったのだ。「パッショーネのボスと婚約をしてくれ」と。どんな理由からか分からないが、どうやらパッショーネのボスがわたしに一目惚れをしたらしい。わたしは勿論断った。ギャングの娘といっても、わたしには一応「好きな人と結婚をする」という女らしい夢があった。だから断ったはずなのに、イタリアでも最大規模のギャング組織に逆らえるはずもなく、父は自分の組織への恩恵のために、わたしを婚約者にしてしまった。

    「ジョルノさん。わたし、家事が全くできないんです。料理を作れば兵器ができて、掃除をすればあらゆる物を破壊して、洗濯をすると服が雑巾になるんです」
    「不器用なあなたも可愛らしい。それくらいぼくがやるし、ぼくが仕事で忙しければ人を雇えばいい話だ」
    「チッ!」
    「勿論、そういう強気なところも素敵ですよ」
    「クソ……ッ」
    「口が悪いところもいい」

    わたしは演じた。パッショーネのボスがわたしを嫌いになるように。家事もろくにできない人間を演じたし、男が大好きで何人もの人と浮気をしている女を演じたし、歪んだ性癖を持っている女も演じた。それなのにパッショーネのボスは、「それでもいい」と言った。彼がわたしに触れれば「触るな」、近付けば「近付くな」、見つめれば「見るな」とわたし自身が驚くほど冷たい声で言って、尚且つ蔑んだ目で見下ろすが、どれも効果はなかった。

    「ぼくは、あなたしか欲しくない」
    「そうですか」
    「あなた以外の女性が、ぼくの隣を歩くなんて想像もできない」
    「……そうですか」
    「これからもずっと、あなたの傍にいたい」
    「……」

    しかし最近、不思議なことにパッショーネのボスとこうして話すのが楽しいと思うようになってきた。彼に見つめられれば何だか胸の奥が痒くなるし、顔が信じられないくらい熱くなる。手は恥ずかしいほど震えるし、気温は高くないのに汗が出る。これは何なんだろう。いつの間にか、わたしの身体はおかしくなってしまったようだ。今度、病院にでも行こうか。

    ジョルノ