short short short!

短編にすらならない夢。ただの会話文とか。
更新履歴にも載らない。

記事一覧

  • ホルマジオはあの子を口説き落としたい

    20230406(木)02:42
    「何ですか、ホルマジオさん」
    「マジでつれねーなァ~。女は愛嬌が大切だって言うだろ?」
    「愛嬌で生きて行けるなら誰も苦労しませんよ」
    「そういう意味じゃあねーよ。ったく、まあ、そういう冷たいところも可愛いと思うぜ」
    「それで、何なんですか」
    「褒めてんだからもっと何か反応してくれよ。寂しいだろ」
    「何なんですかと聞いているんですが」
    「あの事、考えてくれたか?」
    「あの事?」
    「オレと付き合わねーかって話だよ」
    「ああ。それなら前に言いましたよね。嫌ですって」
    「あー、あー、悪い。なんか今の言葉、聞こえなかったなァ」
    「……はあ。疲れる」
    「オレはおまえの口から『はい』って言葉が聞きたいんだ。それ以外は受け付けねーぜ」
    「受け付けるも何も、わたしには付き合う気はありませんよ」
    「そんなにオレが嫌か?」
    「はい」
    「躊躇いがねーな」
    「そうですね」
    「何でオレの気持ちが通じねーんだよ。こうやって毎日おまえに一番に挨拶をして、愛の言葉を伝えてるってのに」
    「しつこいと嫌われますよ」
    「いいや、おまえは絶対にオレに惚れるぜ。惚れさせるから頷く練習でもしておけよ」
    「しませんよ」

    「オメーも素直になればいいだろ」
    「……い、今更。そんなことできるはずありませんよ、プロシュートさん」
    「恥ずかしくて素直になれねーなんて、ガキかよ」
    「……」

    ホルマジオ

  • ティッツァーノは別れさせたい

    20230404(火)01:20
    ※病んでるティッツァーノ


    あの人を前にすると、何故だか頭で考えていることとは別の言葉が出て来てしまう。前までは……それこそ一か月前までは、普通に話していたはずだ。いつも通り、「愛してる」と言えていたはず。それなのに、今のわたしの口からは彼を拒絶する言葉ばかりが出る。わたしの意思に反して。「嫌い」「触らないで」と繰り返し言うわたしに彼はとうとう嫌気がさしたらしく、別れを告げられた。当然だ。彼が怒ってしまうのも仕方がない。わたしの態度はあまりに酷いものなのだから。

    それでも受け入れられず、立ち尽くすわたしの肩に何かが触れた。視線を持って行けば、グローブに包まれた手が見えた。それを辿ると褐色の腕。そして、女性でも羨んでしまうような長い銀髪。ヘアバンドの下からは碧眼が覗き、こちらを静かに見下ろしていた。すると、厚い唇が僅かに端を上げ、じっとりと、どこか粘り気のある声が紡がれた。

    「どうかしたんですか?」
    「ティッツァーノさん……」
    「涙なんか流して……。何かあったのですか?」

    ティッツァーノさんはこの組織で親衛隊に属している。一か月前、わたしは親衛隊に異動になって、その時にティッツァーノさんやスクアーロさん、ドッピオさんといった親衛隊の人たちと初めて会った。ティッツァーノさんは他人との距離感が近いようで、こうして肩に手を置くだけでなく、肩を抱いたり、手を絡めたりと、正直なところ困ってしまうような、周囲の人々に誤解を与えるような、そんな触れ方をする。

    ティッツァーノさんのもう片方の手が涙を拭った。わたしはもう少し離れて欲しいと、そう訴えるように胸を押すが、彼の身体はほんの少しも動くことはなく、むしろ顔を近付けてこちらを見つめた。

    「あの、ティッツァーノさん。もっと……こっちに来てください」

    わたしは自分が放った言葉に驚いた。ティッツァーノさんは笑みを深め、わたしの肩に腕を回して抱き寄せる。困惑する中、わたしの口はどんどん思っていることとは真逆の事を続けた。

    「強く抱きしめてください」
    「今日は積極的ですね。『彼』はもういいんですか?」
    「はい」

    まさかと思った。わたしが親衛隊に異動になったのは、スタンド能力が目覚めたからだ。この親衛隊は全員がスタンド使いだと聞いている。つまり、ティッツァーノさんもスタンド能力がある。まさか、これは……。

    親衛隊

  • エンリコ・プッチは間違えた

    20230402(日)22:07
    ※アホの子にスタンドDISCを入れてしまった神父

    「神父様!見てください!こうして自分のスタンドに肩車をしてもらうと、神父様より大きくなれますよ!」
    「君に能力を与えたのは失敗だったか……。いつもいつも、そんな下らないことばかりを……」
    「それにこれ便利ですね。看守の人には見えていないので、売店からお菓子を取り放題ですよ。あ、これ、神父様にもあげます!」
    「わたしは要らないからポケットに押し込むなッ」
    「能力をくださった神父様へのお礼ですよ。この能力のおかげで、ご飯もちょっと多く取れるんです」
    「(少しバカなくらいが扱いやすいと思ったが、予想以上のバカだった)」
    「あと巻き上げられたお金をこっそり取り返したり」
    「(こっそり……)」
    「届かない場所にも手が届くようになって、本棚の一番上の本も取れるようになったんです!」
    「もう一度説明をしよう。君にその能力を与えたのは、そんな日常生活をちょっぴり便利にするためじゃあない。同じ女子監にいる空条徐倫を……」
    「あ!その空条徐倫なんですけど……」
    「何かあったのか?」
    「友達になれました!空条徐倫も同じく能力を持ってるんですね!見せてもらっちゃいました!」
    「わたしは始末をしろと言ったはずだが」
    「空条徐倫、いい子でしたよ。見てください!三つ編みも結ってもらいました!わたし、不器用で三つ編みとかできないので……。なにがどうなったら三つ編みになるんですかね」
    「(空条徐倫に髪を……?おまえの髪をいつも整えているのはわたしだろう……ッ)」
    「神父様、ポニーテールしかやってくれないので、たまには三つ編みもいいなって思っていて、頼んだらやってくれまし……」
    「三つ編みくらいわたしにもできるッ!」
    「な、なんで怒るんですか……ッ」
    「……」
    「神父様?」
    「……」
    「神父様……?」
    「……」
    「ごめんなさい」
    「(なぜわたしはあんなことを言ったんだ……?)」
    「し、神父様……ッ」
    「(ま、まさか、わたしがこんな女になにか特別な感情を抱いているとでも……ッ?)」
    「悲しくなるので無視しないでください……ッ」


    なんやかんや言っても、アホの子の世話を焼くことに慣れてしまった神父。とりあえず三つ編みを乱暴に解いてやった。

    スタンド、その他5部、他部

  • リゾット・ネエロの恋人は大きくしたい

    20230330(木)01:40
    ※下品

    「胸を大きくしたい」
    「気持ち悪ィことを言うんじゃあねーよッ!」
    「だって、ギアッチョ!聞いて!わたしって貧乳じゃん!?」
    「オレに聞くんじゃあねえ……ッ!」
    「男の人は胸が大きい人の方が好きでしょ?小さい人よりは」
    「オメーの一番の問題はそういうことを平気で言うことだろうが」
    「特にさ、リゾットは手が大きいでしょ。なんて言うか……触っても絶対に楽しくないと思うの。それなのに、リゾットはたくさん触ってくれるんだ!わたしは幸せだし、嬉しいし、リゾットが触ってくれる度に好きでいっぱいになるの」
    「……」
    「愛してる人には楽しんで欲しいでしょ?だから大きくしようと、こうして乳製品や大豆製品を積極的にとってるの。でも全然効果はないし、飽きるし、むしろ気持ち悪く……うッ」
    「こっちに顔を向けるなッ、汚ェ!」
    「もうこの世からわたしより胸の大きい女をみんな殺しちゃえば、わたしが一番大きいことになると思うんだ。うぷ……ッ」
    「(こんなバカ女でも殺人の腕は確かだし、あのリゾットが惚れた女でもあるんだよな)」
    「ねえ、メローネ。どうしたら大きくなれる?」
    「胸だけデカくするってのは、実際には難しい。手っ取り早いのは豊胸手術だ」
    「ほう……きょう」
    「まあ、今まで女に興味も持たなかったリゾットがおまえに惚れたんだ。それだけで十分だろ。自信を持てばいい」
    「え、なに、メローネが凄くいいことを言ってる。怖い」
    「怖いっておまえな……」
    「はあ。身体を作り変えられるスタンド能力を持った人がどこかにいないかな~」

    「やっと出掛けたか。漸く静かになったぜ。あのバカ女……ッ」
    「あいつらしいじゃあないか。確かにバカではあるが、献身的なんだぜ」
    「献身的ィ?」
    「リゾットのためなら何でもするんだ。あいつが大人しく任務を遂行するのだって、リゾットに褒められたいからだ。その前のチームじゃあ、まともにリーダーの言うことも聞かなかったらしい」
    「とんだ暴れ馬だな」
    「ギアッチョ。おまえが言うか?」
    「何だと、メローネッ!」

    「リゾット。今日も任務がんばった!褒めて!」
    「よくやった」
    「ねえ。リゾットは、わたしのこと好き?今日も好き?」
    「ああ」
    「わたしも好き!凄く好き!リゾットは、わたしが貧乳でも好き?愛してくれる?」
    「おまえじゃなきゃ、こうして一緒にいない」
    「リゾット、大好き!」

    リゾットはリゾットで、身体が大きいことを気にしてたり。

    リゾット

  • ジョルノ・ジョバァーナはいい所を見せたい

    20230329(水)12:58
    「ん?あ、アリだ。そっち行ったぜ、ジョルノ」
    「まあ、外の席ですから。アリくらいいるでしょう」
    「どこかに逃がしてやらねーと、あいつがビビるぜ。血だらけの人間を見ても騒がねーのに、こんな小せー虫で悲鳴をあげるからな」
    「いいんです、ミスタ。このままで」
    「はあ?」
    「これがいいんです」
    「どういうことだよ?あ、戻って来たぜ」
    「料理、もう来てたんだ。待っててくれたの?先に食べてても良かったの……に」
    「(丁度、アリがあいつの席のテーブルに……)」
    「ちょ、ちょっと!誰かそのアリを取って!」
    「やっぱりな。言っただろ、ジョルノ。ったく、こんなアリでビビるなんてよ~。取ってやるから騒ぐなって」
    「早くして、ミスタ!うわあああッ!沢山の脚が動いてる……ッ!ゾワゾワするッ!」
    「ミスタ、ぼくがやります」
    「ん?あ、ああ、別にいいけど。おまえの方が近いし」

    「ほら、これでもう大丈夫ですよ」
    「本当?もういない?虫いない?」
    「はい。いませんよ」
    「嘘ついてない?」
    「ついてません」
    「……あ、ありがとう、ジョルノ」
    「別に。虫は平気なので」
    「凄いね……。わたし、脚が多いのは苦手で……」
    「まあ、女性は虫が苦手な場合が多いでしょうし、仕方ありませんよ。誰にだって苦手な物くらいあります。また虫が出たら、ぼくが取るので」
    「う、うん。お願い」
    「次は何かお礼が欲しいですけど」
    「お礼?」
    「はい。キスとか……なんて冗談ですよ」
    「(これを狙ってたのか……。結構狡賢いよな、ジョルノってよ)」

    ジョルノのブローチはデフォルメされているので平気な夢主。

    ジョルノ

  • 東方仗助の幼馴染が子供になった

    20230328(火)22:17
    ※夢主幼児化

    おれの幼馴染が子供になった。子供になったって言っても、姿だけだ。頭ん中は高校生。男勝りの、すっげー気の強いあいつのままだった。

    「はあ。どうすっかな~……。一応、本体の方は康一と億泰に任せたけど……。今日中に戻らねーと、ヤベーよな……」
    「わたしはひとりでへいきだから、じょうすけもほんたいをおってッ!」
    「んなわけにいかねーだろ。おまえの見た目は五歳になっちまったんだから、一人でウロチョロしてたら保護されるに決まってるぜ」

    今は気が強いが、昔のこいつはビビリで引っ込み思案だった。いつもいつもおれの後ろにくっ付いて、おれがいなけりゃあ近所の公園で遊ぶこともなかったし、何をするにもおれと一緒じゃあないとダメだと言って泣いていた。あの時は可愛かった……。おれの服を引っ張って、泣きそうな目で見上げて来て……。今じゃあ、おれが心配して手ェ貸そうもんなら「いらねー」って突っ返す。「じょうすけくん、ありがとう」って笑っていたあの頃とは違う。おれだって男だぜ?す、好きな女を守りたいって思うのは普通だってのに……。こういう時、ちょっとは不安そうにしてくれれば、なんかこう……格好良く元気付けて……ッ。

    「そう都合良くはいかねーか……」
    「はあ?」
    「何でもねーよ。歩き疲れただろ?子供の身体は慣れねーだろうし。そこのベンチで休むか?」

    子供になる前も、身長差は確かにあった。あったにはあったが、今ほどじゃあない。子供の脚じゃあ、おれの歩幅に付いて行くのは大変だろうと、近くのベンチに向かった。が、あいつにとってはただのベンチすら高かったようで、上手く座れずにいた。か、可愛い。おれは思わず漏れそうになった言葉を呑み込んだ。そんな事を言えば、こいつはキレてスタンドで殴って来る。

    「ほら、座らせてやっから、じっとしてろ」
    「ひとりでできるッ!さわるなッ!バカにするなッ!」
    「だってよ……」
    「こどもあつかいするなッ!」
    「子供だろ、今は」

    アイスを買っても思うように掴めず落としそうになったり、ジュースも零すし、ちょっとした段差で転ぶし……。見ていられずに世話を焼けば、あいつはその分、機嫌を悪くして不貞腐れた。

    スタンド、その他5部、他部

  • 親衛隊はリゾット・ネエロから逃げられない

    20230324(金)00:05
    「あ、あの……」
    「何だ」

    わたしは今、暗殺チームに来ていた。親衛隊として、ボスからの指示を伝えるために。しかし来て後悔をした。親衛隊は、まあ、チョコラータさんとセッコさんはともかくとして、というか除いて、比較的まだ友好的というか親切というか……とにかく怖さというものはあまりない。チョコラータさんとセッコさんを除いてね。あの二人とは関わりたくない。

    だけど、暗殺チームも暗殺チームだ。特に今、目の前にいるリーダーのリゾット・ネエロさん。威圧感があるし、目が怖いし、口元はいつも真一文字。ああ、早く帰りたい。なのになぜか、この人はいつも決まって足止めをして来るのだ。嫌がらせだろうか。

    「わたし、そろそろ帰らないと……」
    「……」
    「すみません。まだ大丈夫です。睨まないでください。怖いです」
    「睨んでなどいない」

    睨んでいるように見えるんだ……ッ。わたしは冬山にいるが如く震える手でテーブルの上のカップを取った。中の飲み物が震えに合わせて揺らぎ、音を立てている。チームメンバーのホルマジオさんが遠くからこちらを見て何やら笑っている。クソッ、何が面白いんだ。わたしは死を目前にしているような気持ちなのに。

    「……リゾットさん」
    「何だ」
    「こ、こ、このコーヒー、お、美味しいですね」
    「それはココアだ。おまえはコーヒーが苦手だと聞いた」

    もうさっきから味がしない。飲み物も食べ物も何もかも。「そうでした。ココアでした」と天井を見上げながら言えば、ホルマジオさんの大きな笑い声が聞こえた。覚えてろ。面倒くさい任務をホルマジオさんの担当だと言って放り込んでやる。

    「そ、外、雨が凄いですね。わたし、これ以上酷くなる前に帰……」
    「止むのを待てばいい。今出て行くと濡れて風邪を引く」

    ああ、またドッピオさんに叱られる。

    リゾット

  • 暗殺チームの幼女はいい女になりたい

    20230319(日)01:23
    ※幼女夢主


    「あにき!わたし、ブラジャーつけたい!」
    「……おい、メローネ!てめー、こいつに変な事を教えやがったな……ッ!」
    「なんでオレを疑うんだよ。オレは教えてないぜ」
    「いいブラジャーをつけると、いいおんなになるってきいたの」
    「おい、チビ。そんなことを教えたのはどいつだ?」
    「こうえんであそんでたとき、おんなのひとたちがはなしてたのをね、きいたの。オシャレはしたぎからって」
    「……」
    「ほらな。オレじゃあなかっただろ。直ぐオレを疑うのは止めろよ」
    「いいか、チビ。そんな物はまだおまえに必要じゃあねえ。それは胸がデカくなってきたら着ける物だ」
    「でも……」
    「でももクソもねえ。とにかく、おまえにはまだ早い。諦めろ」
    「むう……」
    「そうだな。チビには早い。サイズだって売ってないだろ。もう少し大きくなったら好きな物を買ってやるさ」
    「もうすこしって、どれくらい?」
    「成長は人によるからな。まあ、膨らみ始めるのにも、あと五年はかかるだろう」
    「ごねん……」
    「焦らなくても、おまえはきっといい女になるぜ」
    「ほんとう?メローネ」
    「ああ。そうなったら変な野郎も虫みてーに寄って来るんだろうな。……おい、プロシュート。顔が怖いぞ」
    「……」
    「(まあ、そうなっても、寄って来た虫は片っ端から始末されるんだろうが。そうなると、いい女になっても意味はねーな)」

    暗殺チーム

  • 暗殺チームのあの子は寝たふりをする

    20230318(土)00:56
    一時間前に遡る。わたしは任務から帰って来て直ぐに眠気を感じ、任務続きで疲れているのだろうとソファーに寝転がって目を閉じていた。……はずが、その眠気は吹き飛んだ。突き刺さるリゾットの視線によって。


    わたしが目を閉じて数分後、誰かが部屋に入って来たのは音で分かった。扉が開く音で。誰よりも静かに歩く足音、入って来て早々に騒がないことから、リゾットだというのは直ぐに分かった。他のメンバーはみんなリゾットより足音が大きく、人が寝ているところをわざわざ起こしにかかって来るのだ。わたしが眠るソファーの向かい側から軋んだ音が聞こえた。リゾットはそこに座ったのだろう。その次にカサカサという、紙が擦れ合う音。そしてパソコンのキーボードを叩く音。どれも控え目なのがリゾットらしい。なんだか心地よく、その音を聞きながらわたしはまた眠気に身を委ねようとした。

    それが十分ほど続いた後。今度は無音の時間が部屋を包んだ。もう意識を沈ませかけていたわたしの耳に、ソファーから人が立ち上がった音が流れ込んだ。リゾットだ。リゾットが立ち上がったんだ。音に配慮をしているのか、それはとても小さなものだった。そして、リゾットはゆっくりと歩き出す。その足音は部屋の隅にある冷蔵庫に向かうわけでもなく、部屋を出て行くわけでもなく、なぜかこちらに近付き、わたしが寝そべるソファーの前で止まった。

    「……」

    目を閉じていても分かる。リゾットがこちらを見下ろしていることは。突き刺さるリゾットの視線に、わたしの眠気はどこかへ吹き飛んだ。今更目を開けて「実は起きてました」なんて言えるはずもなく、寝たふりを続ける。

    「……」

    すると、頬を温かい何かが包んだ。わたしの身体は反射的に震えた。それと同時に頬にあった何かは離れて行ったが、わたしが目を閉じ続けていると、再び頬を包んでそこを擦った。これは……感触から察するに手だろうか。まさか、リゾットがわたしの頬に触っているのだろうか。だろうか、ではない。確実に触っている。緩やかに動くリゾットの手……と思われるもの。それは頬を撫で、額を覆い、やがては髪に絡み付いた。

    「……」

    こ、これでは起きられない。今ここで目を覚ましたら、気まずい空気が流れるのは目に見えている。わたしは目を固く瞑り、決して反応しないよう、本当に眠っていますよといった空気を醸し出した。

    結局、リゾットの手が離れて行ったのは、ホルマジオが帰って来た頃。騒がしいホルマジオによって起こされました、なんて感じで目を覚ましたのを装い、時計を確認すると、目を閉じてから二時間は経っていた。

    リゾット

  • 刑務所のあの子はみんなのペット

    20230317(金)00:09
    ※アホの子な夢主

    「神父様!暇なので遊んでください!」
    「ここはそういう場所じゃあないし、わたしは暇じゃあないんだよ。今だって報告書を書いていて手が離せない」
    「だって誰も遊んでくれないんです。忙しいって」
    「ここが刑務所だってことを忘れているのかい?」
    「忘れていませんよ。わたし、そこまでバカじゃあないです!失礼ですよ!」
    「(看守に犬猫のように遊ばれ、あのどうしようもない囚人たちからも食事を分けてもらって、刑務所で生活している人間とはとても思えないな)」
    「じゃあ、じゃあ、神父様。何かお手伝いできることはありませんか?」
    「なら、掃除を頼もうか」
    「はい!」

    「神父様、終わりました!神父様はお仕事終わりましたか?終わったなら遊んでください!」
    「終わったには終わったが……随分と服を汚したね。顔も汚れてしまっている。拭いてあげるから、こっちに来なさい」
    「はいッ」
    「(なぜだ。なぜ、この囚人を見ていると、世話を焼きたくなってしまうんだ……)」
    「神父様。一緒にトランプしましょう。看守の人から貰ったんです」
    「看守が囚人にそんな物を渡すのも、二人でする遊びにしても、どうかと思う」
    「ダメですか?」
    「……仕方ない。いいよ。君がトランプをしたいなら、それで遊ぼうじゃあないか」
    「神経衰弱しましょう!」

    「……神父様、神経衰弱強いですね」
    「君が弱いんだ」
    「殆ど神父様が取っちゃいましたね」
    「殆どというか全部だ」
    「わあ……。も、もう一回ッ。神父様、もう一回!」
    「君には敵わないな」

    スタンド、その他5部、他部