「差し入れ」神の場合

  • 今日から夏休み!!!
    ……けれど私は教室にいる。

  • あなたの名前

    部活してると夏休みなんてないんだよねぇ

  • そう、部活動をしている生徒は夏休みでも学校に来る。
    そんな私も夏休み初日から部活だ。
    そして部活前に自分の教室に忘れ物を取りに来ていた。

  • あれ、、、
    あなたの苗字

  • あなたの名前

    神くん!
    びっくりした

  • 誰も来ないだろうと思っていた教室に現れたのは、クラスメイトの神くんだった。

  • どうしたの?
    あ、もしかしてこれから部活かな?

  • あなたの名前

    そうそう!
    その前に昨日教室に忘れ物しちゃってさ

  • ははは、全部俺とおんなじだ

  • ニコリと私に向けられたその笑顔に少しだけ胸が高鳴った。

  • あなたの名前

    バスケ部も大変だよねぇ
    あ、これあげる!

  • 私はカバンの中から1つの飴玉を取り出し、神くんの手の平へと落とした。

  • あなたの名前

    差し入れ、にしては物足りないけどさ!

  • ありがとう。
    俺、あなたの苗字からの差し入れが1番嬉しいな

  • あなたの名前

    え?

  • 神くんは私をじっと見つめてくる。

  • あなたの名前

    あ、わ、私部活行かなきゃ!

  • そんな神くんの視線に耐えきれなくなり、慌ててその場から離れようとした。
    ーーが、神くんは私の腕をグッと掴み、それを許してくれない。

  • ねぇ、明日も部活ある?

  • あなたの名前

    う、うん……

  • なら、明日も差し入れくれない?

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