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あなたの名前
はっくしょん!!
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朝の教室で私は大きなくしゃみをする。
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三井
なんだよ
お前風邪か? -
あなたの名前
いや…
風邪ではないと思うんだけど
今日寒くない? -
隣の席の三井に話しかけられ、私はブルブルと震えながら答える。
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三井
ふぅん
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三井はさほど興味無さそうに返事をして、席を立った。
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あなたの名前
ぶっ!!
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いきなり顔に何かを投げつけられ、私は声が出る。
投げつけられた物を見るとジャージだった。 -
三井
今日1日
貸してやる -
三井は投げたジャージを指さしながら話す。
ジャージを見ると「三井」の刺繍が入っていた。 -
あなたの名前
いいの?
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三井
洗ってかえせよ?
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意地の悪い笑みを浮かべ、三井は私の頭にクシャっと手を乗せたあと再び席についた。
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あなたの名前
ありがと…
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三井のジャージをはおり、ぎゅっと握るとほんのり三井の匂いがしてきてドキドキしてきた。
……このドキドキの理由はわかっているけど、なんだか認めたくなかった。
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