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三井
ん?
なんの匂いだ? -
同じクラスで彼氏の寿が帰りのホームルームが終わったあと、私の席へ来て話しかけてきた。
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あなたの名前
ハンドクリームだよ
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三井
ふぅん
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あなたの名前
寿もつける?
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三井
いや、なんかベタベタしそうだしいらねぇ
……っておい! -
私は無理やり寿の手の甲にハンドクリームを乗せた。
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あなたの名前
ほら
寿もいい匂い~ -
三井
お前なぁ……
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あなたの名前
……なんかいいね
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三井
なにがだよ?
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あなたの名前
寿から私の匂いすると
寿は私のモノ!って感じ -
私はにしし、と寿に笑いかける。
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三井
ばかじゃねーの
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寿はハンドクリームを手に広げながら呆れたように話す。
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三井
んな事しなくたって
オレはお前のモノ… -
言いかけて寿は途中で口をつぐんだ。
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あなたの名前
え?!
なに?!
もう1回! -
私は目をキラキラさせ、寿の腕をつかんだ。
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三井
なんでもねぇよ!!
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寿はそう言って私がつかんでいた手を離し、その場を去った……が、すぐに立ち止まり少しだけこちらを見て言った。
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三井
部活見に来るんだろ?!
行くぞ! -
クスクスと笑いながら私は寿へ駆け寄った。
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