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クラスメイト
あ、次走るのバスケ部の
三井さんて人じゃない? -
友人のそんな声に私はスタート位置へと視線をうつした。
今日は湘北高校の体育祭。
今行っている競技は3年生の借り物競争だ。 -
あなたの名前
ホントだ。
三井さんちゃんと出てんだ… -
第2コースのスタート位置にいるのは、私がマネージャーをしているバスケ部の先輩の三井さん。
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クラスメイト
うわ、早いね三井さん
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あなたの名前
ホントだ
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ピストルの音と共に一斉に走り出す生徒たち、誰よりも前に出たのは三井さんだった。
ーーーーが -
あなたの名前
え、なにやってんの
三井さん -
三井さんは誰よりも先に先にお題が書かれている紙が置いてある場所に行ったのに、その紙をひらきその場で立ち尽くしている。
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あなたの名前
そんなに悩むお題なのかな?
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そんな事を思っていると三井さんはようやく走り出した。
ーーーなんとこっちへ向かって。 -
三井
あなたの名前!!
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あなたの名前
えぇっ?!
私?!?! -
三井
早くこいっつの!!
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三井さんは半ば無理やり私の腕をつかみ、走り出す。
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あなたの名前
お題なんなんですか?!
私でいいんですか?! -
三井
おめーじゃねぇとダメなんだよ!
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あなたの名前
あ、マネージャーとか?!
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そんなこんなで必死で走ったが、結局三井さんの遅れのせいで私たちは最下位だった。
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私はぜぇぜぇと息を切らしながら、三井さんが手に持っていたお題の紙をひょい、と取り上げた。
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三井
あっ!てめっ!!
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私は折りたたまれていた紙をひらき、そのお題を読み上げた。
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あなたの名前
好きな人…
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三井
!!!!!!
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あなたの名前
あ~
とりあえず…って事ですか? -
三井
あ?!
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あなたの名前
私だったら変な
誤解もないし?
あとくされも
なさそうだし? -
三井
ちげーよ!!!!
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三井さんはハッと気付いて自分の口を手で抑えた。
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このドキドキは走ったせいではない。
心臓がうるさいのは走ったせいなんかじゃない。 -
あなたの名前
私がこのお題ひいたら真っ先に行きますね
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お題の紙を三井さんの手の中へと戻しながら私は言った。
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あなたの名前
三井さんのところに
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