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女1
牧くん、これ差し入れ
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牧
ああ、すまないな
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うわぁ…。
また見てしまった。
放課後の体育館裏。
私の片想いの相手の牧くんはほぼ毎日誰かしらに差し入れを貰っている。 -
……そんな私もそのうちの1人なんだけど。
どうも勇気が出ず、いつも誰かに先を越される。 -
牧
おい
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あなたの名前
えっ?!
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後ろから声をかけられ、慌てて振り向くと牧くんがすぐそばに来ていた。
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あなたの名前
ま、牧くん…
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牧
なんだ、覗き見か?
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あなたの名前
ちっ、ちが………
わないかな? -
牧
ははっ、なんだよそれ
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あなたの名前
いやぁ、牧くんモテモテだね。
毎日のように差し入れ貰ってるじゃん -
牧
……毎日見ていたのか?
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あなたの名前
(しまった!!自爆じゃん)
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牧
お前はくれないのか?
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あなたの名前
え?
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牧
お前から貰えたら
俺は嬉しいんだが -
牧くんのそんな優しい言葉に私は、おずおずとカバンの中から用意していた差し入れを取り出し牧くんへと差し出した。
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牧
ホントにくれるとはな
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あなたの名前
だ、だって……
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牧
こんなに嬉しい差し入れは初めてだな。
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あなたの名前
え?今なんて…?
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牧
1番にいただくとするよ
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牧くんはそう言って私の頭に優しく手を乗せ、その場から去っていった。
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私の期待が膨らんだのは言うまでもない。
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