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ここは海南高校。
常勝を掲げるバスケ部も今日の練習は終わり。
だが、マネージャーである私は帰り道の1歩を踏み出せずにいた。 -
牧
あれ、どうした?
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あ、牧さん。
お疲れ様です。 -
牧
帰らないのか?
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私は空を見上げる。
ポツポツと雨が降っている空を。 -
傘、忘れちゃって。
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私は少し恥ずかしくなり苦笑いをする。
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牧
じゃあ、送るから
入って行けよ。 -
えぇっ?!
いやいやいや!
申し訳ないです!
まわり道になるし! -
思いもよらぬ牧さんの申し出に私は大慌てで両手の平をブンブンと振った。
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そんな私を見て牧さんはフッと笑い、
傘の中に私を入れた。 -
あ、ありがとう…
ございます。 -
いつもより近い牧さんとの距離に私のドキドキは止まらない。
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牧
俺は雨に感謝、だな。
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えっ?
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牧
いや、なんでもない。
さ、帰るか。 -
ーーーそんな2人を見ていたのは
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信長
神さん。
あれ、なんすか。 -
神
あぁ、さっさと付き合えばいいのにね。
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信長
お似合いすぎて悔しいぃぃぃぃ!!!
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神
ははは、誰も入り込むスキなんてないね。
どんまい、信長。 -
信長
…うっす。
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