相合傘 三井の場合

  • うわぁ、雨か。
    最悪…。

  • 私は長引いた委員会を恨めしく思った。

  • 三井

    あれ、お前こんな時間に何してんだ?

  • あ、三井くん。

  • 話しかけてきたのは同じクラスの三井くんだった。
    以前はあんなに話すのが怖かった彼も、バスケ部に戻ってからはフツーのクラスメイトとなんら変わりなく話ができるようになった。

  • 委員会長引いちゃって。
    三井くんは部活??

  • 三井

    おぅ。ってお前まさか
    傘ねぇの?

  • うっ…

  • 三井

    バカかよお前。
    今日絶対降るってわかってたろ。

  • はいはい、バカですよ。
    三井くんほどじゃないけどねーーー。

  • 悔しくなってつい憎まれ口をたたく。

  • 三井

    お前なぁ…。
    ほら

  • えっ?

  • 三井くんは自分がさしている傘の中へ私を迎えいれた。

  • いいの??

  • 三井

    おう!
    この三井様が送ってってやらぁ!!

  • 偉そうに…
    でも、ありがとう!
    助かっちゃった!

  • あれ?三井くんちょっと顔赤い??

  • ねえ?

  • 三井

    あん?

  • 相合傘、だねっ?

  • 三井

    ?!?!?!

  • 三井くんは耳まで真っ赤になった。

  • あははは!!
    三井くん照れてる?!
    かわいいっ!!

  • 三井

    …おい、濡れて帰るか?!

  • あぁ!!
    ごめんごめん!!!

  • すると三井くんは私をじっと見つめてきた。

  • えっ…な、なに?

  • 三井

    お前肩濡れてね?

  • 確かに私は少し傘からはみ出てる肩が濡れていた。

  • 三井

    こっち寄れば?

  • えっ?!いや!
    だっ、大丈夫!!

  • 三井

    なに照れてんだよ?

  • 三井くんはそう言ってニヤッと笑った。

  • なっ!!!!

  • この形勢逆転……
    いつかまた変えてやるんだから!!!
    そう思ってる私の顔は真っ赤だった。

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