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信長
あれ、あなたの苗字じゃん
何してんだ? -
あなたの名前
清田……は
犬の散歩? -
信長
おう!
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学校が春休みに入ったある日、友達の家に行く道で
つい最近まで同じクラスだった清田に会った。
清田の手にはリード、繋がれているのは飼い犬であろう大きな犬がいた。 -
あなたの名前
可愛いね
ゴールデンレトリ…
うわ!!! -
犬の犬種を聞こうとしたその時、その犬はガバッと私に向かって飛びついてきた。
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信長
こら!!!
悪ぃっ!!大丈夫か? -
清田はリードをグイッと引っ張り、私から犬を離す。
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あなたの名前
あはは
大丈夫だよ
私犬好きだし -
私はワシャワシャと清田の犬の頭を撫でながら話す。
犬は嬉しそうに私に懐いているようだった。
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信長
……そこまでだ
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あなたの名前
え?
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信長
ずりぃじゃねぇか
コイツばっかり -
清田は不貞腐れ気味に言って私から犬を離した。
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あなたの名前
……えっと
あの、さ -
信長
……おう
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あなたの名前
2年もまた同じクラスに
なれるといいね -
信長
そうだな
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ヒラヒラと舞い落ちる桜の花びらの中でニカッと笑う清田の姿が、私の目に焼き付いて離れなくなった。
そんな春の訪れーーー。
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