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今日は三学期の修了式。
あと1年で高校生活が終わる。
そう思いながら、私は彼氏の牧くんと並んで歩く。 -
あなたの名前
今日も部活だよね?
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牧
あぁ、昼からな
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牧くんはバスケ部のキャプテンとして、強豪海南高校を引っ張っている。
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牧
いつもすまないな
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あなたの名前
……え?
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申し訳なさそうな顔の牧くん。
私は思わず立ち止まってしまった。 -
牧
なかなかお前との時間が
とれなくて
すまないと思っている -
あなたの名前
そんなこと…
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「気にしないで」と言おうとしたその時、牧くんの頭にヒラヒラと何かが落ちてきた。
私はそれを見て思わず笑ってしまった。 -
牧
なんだ?
どうした? -
あなたの名前
まっ、牧くんの頭に桜…
あはは!
桜の花びら!!
可愛いんだけど! -
ちょこんと牧くんの頭の上に乗っかった物は牧くんには一生縁のなさそうな、可愛らしいピンク色の桜の花びらだった。
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牧
そんなにおかしいか
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あなたの名前
ごっ、ごめん
だって…ふっ、ふふ -
私がお腹を抱えて笑っていると、牧くんが優しく微笑んだ。
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牧
オレはいつもお前の笑顔に助けられているな
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……牧くんのそんな顔が見れるなら、私はずっと笑ってられるよ。
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