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あなたの名前
うわ…
超綺麗じゃん -
学校が春休みに入ったある日、友達の家からの帰り道に桜並木を見つけた。
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南
ん、あなたの名前ちゃん
やん -
あなたの名前
南さん!
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前から歩いてきたのは、私がマネージャーを務めているバスケ部の先輩である南さんだった。
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南
あなたの名前ちゃん家この辺やったっけ?
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あなたの名前
いえ、友達の家からの
帰り道なんです -
南
そうなんや
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ちょっとした沈黙が続き、気まずさが増してくる。
南さんはあまり口数が多い方ではないし……
「じゃあ」と声をかけ、別れようとした時先に南さんが口を開いた。 -
南
綺麗やな
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あなたの名前
え?!
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南
桜
オレもこの辺あんまり
通らへんねん -
あなたの名前
そうやったんですね
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私たちは2人で桜を見上げた。
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南
たまには違う道を通って
みるもんやな -
あなたの名前
ホントですね
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南
……あなたの名前ちゃん
意味わかってへんやろ -
あなたの名前
意味??
桜見れたからって事ですよね? -
南
……ま、今はそーゆー事でええか
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南さんは私の頭にポンと、手を乗せ「送る」と言って歩き出した。
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