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女1
あ、あの海南の神くんですよね?
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神
はい
そうですけど -
待ち合わせの場所にいたのは、大好きな彼氏と…見知らぬ女の子。
思わず私は物陰に隠れ、その様子をうかがう。 -
女1
ファンなんです!
握手してもらえますか? -
こーゆーのは何回見ても複雑な気持ちだ。
彼氏の宗一郎くんはバスケの強豪校、
海南高校でレギュラー。
ファンだと言われ、声をかけられることもある。 -
神
ありがとうございます
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そう言って握手をする宗一郎くんを見ているのが嫌で、私はその光景から目を背け、その場にしゃがんだ。
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あなたの名前
彼氏が人気者は辛いな…
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神
別にそこまで人気者じゃないよ
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頭上から聞こえてきた声に私は顔を上げた。
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あなたの名前
宗一郎くん!
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神
うん
あなたの名前の彼氏の
宗一郎くんです -
ニコッと笑う宗一郎くんに私の行動も、心も全て見透かされている事に気付く。
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あなたの名前
はずかし……
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神
はは
ホントにあなたの名前は
可愛いね -
神くんはそう言ってしゃがんでいる私に手を差し伸べた。
私がその手をつかむと、グイッと力強く、それでも優しく私を起こしてくれる。 -
神
好きだよ
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引き寄せられた時、耳元でそう言った神くんの言葉に私は再びしゃがみこんでしまいそうだった。
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