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女1
あっ、あの!
翔陽の花形さん…
ですよね? -
花形
あぁ、そうだが…
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今日は彼氏の透と久々にデート。
少し先に見つけた透の姿は知らない女の子と話していた。
私は思わず近くの物陰に身を寄せ、様子をうかがう。 -
女1
ファンなんです!
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花形
…藤真じゃなく?
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女1
花形さんです!
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花形
そ、そうか
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私はなんだか複雑だ。
透の魅力が他の人に伝わっていることは嬉しいけど……けど!!!
うーん。複雑だ。 -
女1
あ、あの…この後よければ時間ありませんか?
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花形
いや、すまない
彼女と待ち合わせをしているんだ -
女1
あ…そうなんですね
それなら、電話番号教えてくれませんか? -
……控えめに見えて随分と積極的な女の子に私はなんとも言えない気持ちだ。
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花形
悪いが、それもできない
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女1
そう…ですか
彼女にバレると困りますもんね -
花形
いや、オレがアイツの立場だったら
教えて欲しくないからな -
すると女の子はペコりと透に頭を下げ、その場を去って行った。
私はゆっくりと透の元へと歩いて行く。 -
あなたの名前
やっぱり透の魅力は私だけ気付いていればいいや
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花形
……聞いていたのか
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あなたの名前
ありがとね
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花形
なんだ?
礼を言われるようなことはしていないぞ -
ホントにそういう所大好きだよ。
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