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女1
あ!
豊玉の岸本くんやろ!! -
女2
ホンマや!
岸本くんやん! -
岸本
おうおう
なんやねん -
女1
豊玉の岸本くんって有名
やもんなー -
岸本
まぁ、そうやな
-
私はふんぞり返る実理を物陰から眺めていた。
今日は部活が休みの実理と街中でデート予定なのだ。 -
女2
なぁなぁ
このまま私らと遊びに行かへん? -
……逆ナン!!!
私は身を潜め、その様子をじっくり観察する。 -
岸本
お!ええなぁ!
-
……は?!
アイツは何言うとんの!!!???
私が怒ってもう帰ろうとした時、実理はさらに言葉を続けた。 -
岸本
でも2年前やったら
よかったなぁ -
女1
どゆこと?
-
岸本
今のオレには嫌われたく
ない女がおんねん -
「彼女と仲良くー」そう言って女の子たちはその場を去って行った。
それを見届けた私はルンルン気分で実理の元へと駆け寄った。 -
あなたの名前
そんなに私に嫌われたくないん?
-
岸本
うわ!!!
なんやねんお前…
……聞いとったんか -
あなたの名前
実理にも可愛いとこ
あるんやなぁ -
私がにししと笑いながらからかうと、「最悪や」と実理は頭を抱えた。
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あなたの名前
まぁまぁ
-
私は実理の手を握る。
-
あなたの名前
私も嫌われないようにせなあかんね
-
岸本
……アホか
オレがお前のこと嫌いに
なんてなるか -
実理は繋いでいる手にキュッと力をこめた。
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