今日は卒業式。 廊下歩いていると少し先で、下級生にどうやらボタンをねだられているだろう男子生徒の姿が目に入った。
透…
彼は花形透。 私の元恋人で、今でも私の想い人だ。
あなたの名前…
下級生がパタパタと私の横を通り過ぎた後、透は私に気付き気まずそうな顔をした。
モテモテですね 花形先輩
よせ そんなことはない
私がふざけて笑って言うと、透も笑いながら答えた。
第二ボタン 断ったの？
あぁ …渡したい人がいてな
そう……なんだ 渡せるといいね！ じゃ……
私がその場を去ろうとした時、ぐっと腕を掴まれる。 もちろん掴んだのは透だ。
困るのはわかってる。 けど…もらってくれないか？
透はそう言って制服のボタンをプツッと取り、私へと握らせた。
後悔したまま卒業したくないんだ
……泣かせないでよ
卒業おめでとう🌸
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