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岸本
おい
なんやお前顔真っ赤
やないか -
あなたの名前
……え?
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岸本
ボーッとしてるし
熱あるんちゃうか? -
……そう言えばなんや頭はぼーっとするし
身体の節々が痛い気がする。
クラスメイトの岸本に言われ私は自分の体調不良に気が付いた。 -
岸本
まぁ、なんとかは風邪
ひかない言うしな -
あなたの名前
失礼な!!
……あれ? -
岸本
おい!!
あなたの苗字!! -
岸本に怒って自分の席を立った瞬間やった。
目の前の景色が歪んだ。
そのあとは岸本と他にも何人か私を呼ぶ声が聞こえてきたんやけど……そこで意識が途切れた。 -
あなたの名前
……ん
-
気がつくと私はどこかに寝かされていた。
……どうやらここは保健室やな。
天井を見ているとにゅっと顔を覗かれた。 -
岸本
起きたか?
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顔を覗いてきたのは岸本だった。
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あなたの名前
私…どうしたん?
-
岸本
感謝せえよ?!
ここまでオレが運んでやったんやから!! -
……そうか。
倒れたんや、私。 -
あなたの名前
……ありがと
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岸本
なんや、素直で気持ち悪いな
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あなたの名前
あんたが感謝せぇ言うたやないの!
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先生
あんた達うるさいよ
-
仕切りのカーテンをシャっ!と開けて先生が私たちを怒る。
-
先生
ちょっと私席はずすけど……
くれぐれも変なこと
せーへんようにな! -
先生はそう言って保健室を出ていった。
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あなたの名前
……するわけないやん
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岸本
…で、体調どうなん?
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あなたの名前
まだ熱っぽいから
今日は帰るわ -
岸本
ほうか
-
あなたの名前
あの……
ホントにありがと -
岸本
……なんやねん
気持ち悪い -
あなたの名前
うっさいわ
人が珍しく感謝してるんやから
素直に受け… -
私の言葉は最後まで言えなかった。
岸本のキスによって遮られたのだ。 -
岸本
お礼するなら
これぐらいしぃや -
あなたの名前
な、な、な、
何すんねん!!!! -
岸本はひとつ「べー」と舌を出して保健室を出ていった。
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あなたの名前
……どうしてくれんねん
絶対熱上がるやんか -
1人保健室に残された私は頭まで布団をかぶるのだった。
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