アビス短編集
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「愛してるよ、菜真絵」
彼は愛の言葉をささやくのが得意だ。
得意だなんて変な言い方だけど、躊躇とか恥じらいとかが、彼には無いのだ。
その低い声で、甘く、優しく。
自分の理性がどこかへ消えてしまいそうだ。
だれか助けて
「っやめて下さい、ガイさん!」
「どうしてだい?」
ガイさんは恐怖症が軽くなってからというもの、調子に乗りすぎていると思う。
近寄って、抱きしめられて、口づけを。
いつも、ふたりきりになるとそんなんだ。私の意見なんて聞かずに。
特に耳元でささやくやつ、あれはけしからん。
耳元に来られると、外界の音はみな遮断されて、私の世界がガイさんだけになる。
自分がどこにいるのかも、何をしているのかもわからなくなって、制御できなくなる。
毎日あんな目に遭うなんて、たまったものじゃない。
「びっくりするので、耳元でささやくのはよして下さい」
「ん……?わかったよ、ちょっと離れて話そうか」
残念。と思ってしまった自分が嫌になる。
彼は離れても機嫌が良さそうににこにこしていた。
「ガイさんよく通る声してますから、いきなりだとびっくりしちゃうんですよ」
「そうかい?自分じゃわからないけどな」
そう言うガイさんはどことなく嬉しそうだ。
褒めればすぐ喜ぶんだから、単純で羨ましい。
実際、素敵な声だけどね。
「俺はともかく、君はかわいい声だよな」
「は?」
「いやだからかわいい声だなって」
不意討ち。
どうしてこう、すぐ人をおだてられるかな。悔しいけど、嬉しい。
今まで人に声を褒めてもられることなんてなかった。
こっちが褒めたから、条件反射で褒め返してきただけかもしれないが。
それでも、かわいい、なんて、嬉しいに決まってる。
ああもう、むかつく。
「お世辞はよしにしましょう」
「冗談抜きで、かわいいと思うよ。さっき俺を突き放した時もかわいかったな。慌ててる感じがさ」
あはは、と笑うガイさん。
この人、私をからかっているのか。
「からかわないでくださいよ、人の慌てる姿を……」
「まあ、かわいいのは声だけじゃないけどな」
「……っ!」
ウインクしながら、さらりとそんなこと言う。
ガイさんはニマニマ笑ってこっちを見ている。
やっぱりからかっているんだ。悔しい。主導権は、完全に向こう側にある。
「結局、菜真絵はささやかれるのに弱いんだろ?」
「……う」
「ほら、な?」
私は、ガイさんの腕の中におさめられて、顔を紅くすることしかできない。
どこまで天然で、どこまでが確信犯なのか。わからなくて怖い。
「調子にのらないでください」
「何かいけないかい?調子が良いのはいいことじゃないか」
そんなの屁理屈だ。でも、返す言葉は思いつかない。
あなたのせいで、私の感情はいつも定まらない。ふらふらして制御できない。
でも
「菜真絵、好きだ、愛してる」
結局私は、ガイさんには勝てなくて。彼の声に身をまかせるしかないみたいだ。
悔しいけど幸せだから、もう考えるのはやめにして、その素敵な声をただ聞くことにした。
彼は愛の言葉をささやくのが得意だ。
得意だなんて変な言い方だけど、躊躇とか恥じらいとかが、彼には無いのだ。
その低い声で、甘く、優しく。
自分の理性がどこかへ消えてしまいそうだ。
だれか助けて
「っやめて下さい、ガイさん!」
「どうしてだい?」
ガイさんは恐怖症が軽くなってからというもの、調子に乗りすぎていると思う。
近寄って、抱きしめられて、口づけを。
いつも、ふたりきりになるとそんなんだ。私の意見なんて聞かずに。
特に耳元でささやくやつ、あれはけしからん。
耳元に来られると、外界の音はみな遮断されて、私の世界がガイさんだけになる。
自分がどこにいるのかも、何をしているのかもわからなくなって、制御できなくなる。
毎日あんな目に遭うなんて、たまったものじゃない。
「びっくりするので、耳元でささやくのはよして下さい」
「ん……?わかったよ、ちょっと離れて話そうか」
残念。と思ってしまった自分が嫌になる。
彼は離れても機嫌が良さそうににこにこしていた。
「ガイさんよく通る声してますから、いきなりだとびっくりしちゃうんですよ」
「そうかい?自分じゃわからないけどな」
そう言うガイさんはどことなく嬉しそうだ。
褒めればすぐ喜ぶんだから、単純で羨ましい。
実際、素敵な声だけどね。
「俺はともかく、君はかわいい声だよな」
「は?」
「いやだからかわいい声だなって」
不意討ち。
どうしてこう、すぐ人をおだてられるかな。悔しいけど、嬉しい。
今まで人に声を褒めてもられることなんてなかった。
こっちが褒めたから、条件反射で褒め返してきただけかもしれないが。
それでも、かわいい、なんて、嬉しいに決まってる。
ああもう、むかつく。
「お世辞はよしにしましょう」
「冗談抜きで、かわいいと思うよ。さっき俺を突き放した時もかわいかったな。慌ててる感じがさ」
あはは、と笑うガイさん。
この人、私をからかっているのか。
「からかわないでくださいよ、人の慌てる姿を……」
「まあ、かわいいのは声だけじゃないけどな」
「……っ!」
ウインクしながら、さらりとそんなこと言う。
ガイさんはニマニマ笑ってこっちを見ている。
やっぱりからかっているんだ。悔しい。主導権は、完全に向こう側にある。
「結局、菜真絵はささやかれるのに弱いんだろ?」
「……う」
「ほら、な?」
私は、ガイさんの腕の中におさめられて、顔を紅くすることしかできない。
どこまで天然で、どこまでが確信犯なのか。わからなくて怖い。
「調子にのらないでください」
「何かいけないかい?調子が良いのはいいことじゃないか」
そんなの屁理屈だ。でも、返す言葉は思いつかない。
あなたのせいで、私の感情はいつも定まらない。ふらふらして制御できない。
でも
「菜真絵、好きだ、愛してる」
結局私は、ガイさんには勝てなくて。彼の声に身をまかせるしかないみたいだ。
悔しいけど幸せだから、もう考えるのはやめにして、その素敵な声をただ聞くことにした。