新たなΨ難? 季節外れの転校生
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翌日。
自己紹介で見事にタライを降らした明寺さんは、周囲の生徒から避けられていた。一人で弁当を広げながら、僕をちらりと見る。もちろん、僕は学校で仲良くしてやる気などない。こんな目立つ人間と一緒にいたくないからな。
しかしこの状況だ。声をかけてくる奴がいるのはわかりきっている。
「フ……ッ、訪問者よ、貴様、召喚魔法をどこで習った?」
「なあ、昨日のタライ、どうやるんだ?瞬が気になってるらしくてさ」
「ばっ……"持つ者"は、ダークリユニオンの標的となる。忠告に来たまでだ」
海藤と窪谷須だ。
まあ、あの二人がぼっちを放っておくわけがないよな。
(何言ってるかわからない……。でも、わざわざ話しかけてくれたんだ。友達になれるかも! 頑張って返事しよう!)
明寺さん、滅茶苦茶フレンドリーだ。
中二病患者なんて、どう考えても地雷だろう。よく相手する気になったな。海藤の心の声が聞こえているとすれば話は別だが、反応を見る限り違うようだ。
昨日もその片鱗を見せていたが、彼女は人付き合いに相当飢えているらしい。
「案ずるな。奴らには、とうの昔に見つかっておる」
「な……っ!それで無事だと言うのか……!?」
「わらわは能力を使いこなせておらぬ。役立たずに用はないと、奴らは見向きもしなかった。街を襲われた時も、な」
「そうか……。では同胞は皆……」
おいおい。会話成立させてるぞ。コミュニケーション能力も高いじゃないか。
「で、どうやるんだ?」
窪谷須は乗ってやらないんだな。
「うーん、わからないんだ。元々こんな感じで……」
そして明寺さんはちゃんと戻るんだな。
僕との約束も守ってくれているようで、何よりだ。
「っつーことはいつもあの調子なのか。苦労するな」
「ごめんね」
明寺さんは、悲しそうに頭を下げる。
(超能力に興味を持って話しかけてくれたのに、何もできないなんて……)
彼女の思考を読み取っておきながら、僕はその次に取る行動を読むことができなかった。
(こんなところで友達ができるチャンスを逃したくない!やってみよう!)
次の瞬間には、明寺さんはぐっと体に力を入れていた。超能力を発動させようとしているのだ。
僕はこの流れを止められなかったことを、少しだけ後悔した。さて、案の定頭上から物が落ちてくる。
今度は鏡餅か。助ける必要はあるのだろうか。当たれば痛いとは思うが、死ぬほどではない。自業自得の結果にわざわざ僕が構う必要はないが……。
「おっと危ねえ」
僕があれこれと考えている間に、明寺さんを救ったのは窪谷須だった。鏡餅をしっかりとキャッチしている。さすがの反射神経だ。
何が起きたのか察した明寺さんは、すぐに席を立って、窪谷須に向かって深々と頭を下げた。
「あ、ありがとう!ごめん……その、何もわからないどころか、迷惑かけちゃって」
「気にすんな。自分でもコントロールできないんだろ?」
「でも……」
まったく、爆弾でも降ってきたらどうするつもりだったんだ。
彼女はこちらをチラリと見て、僕の表情を確認した。おそらく、冷たい表情をしていたのだろう。彼女はしゅん、と、肩をすくめる。
まさか、昨日の訓練の結果をこんな形で披露されるとは。誰かの気を引くために超能力を使っても、ろくな事にならない。二度とこんなことはするな、とだけテレパシーを送って、僕は彼女から目を逸らした。
「んなことより、一緒にメシ食わねぇか?」
落ち込む明寺さんをなだめるように、窪谷須が声をかける。
「え?」
「明寺さん、転校したてでわからないことも多いだろうし、何か力になれたらと思って。ほら、斉木も一緒にさ!」
「いいんですか!?」
海藤の一言で、何故か僕も巻き込まれてしまった。これ以上彼女と関わり合いになりたくないが、下手に距離を取っても不自然だ。渋々席を立つと、明寺さんは僕に向かって小さく頭を下げた。
反省しているのなら、これ以上とやかく言うつもりはない。無茶な行いの代償も既に払っているしな。
「あ……。お弁当がない」
明寺さんの弁当は、今頃餅屋にでも落ちているのだろう。
「弁当がなくなったなら、食堂に行こうぜ」
海藤の機転で、僕達は食堂で昼食を食べることになった。誰が誘ったわけでもないが、ラーメンを食べたいという燃堂も着いてきた。
「お?タライの転校生か。よろしくな!」
「はい、よろしくお願いします!」
「この食堂のオススメはカツ丼だぜ、一回食ってみろよ」
「(あ、でもチャーハン頼むんだ……)」
彼女は特に燃堂の顔に言及することもなく、普通に接している。
この見た目で驚かないとは珍しい奴だ。それどころか心中では、友達になりたいな、とまで言っている。やはりフレンドリーだ。
明寺さんは素直にカツ丼を頼んで、席に腰掛けた。さて、何もトラブルが起きないといいが……。
「私、クラスメートとごはん食べるの、初めてなんです」
「お?なんだ?ダチがいなかったのか?」
ハッキリ言うな。燃堂。
「あはは、いつもこんな感じだから、友達もできなくて、物を壊しては転校の繰り返しで……」
「やはり能力者は孤高の存在……。だが心配するな。これからは俺が力を貸そう」
「力を……?」
「まあなんだ、仲良くしようってこった。な、瞬」
「!!」
明寺さんの顔が、みるみるうちに明るくなっていく。仲良くしようと言われて喜んでいるのだろう。
「うれしいです!私も仲良くしたいです!……あっ」
さて、案の定、力む明寺さんの頭上にタライが現れる。
これも窪谷須が拾うだろうかと観察していたが、ギリギリのところで間に合わず、手でタライを弾いてしまう。それを燃堂が受け止めたが、身を乗り出したために、燃堂のチャーハンが飛び散る結果となってしまった。
「ご、ごめんなさ……ありがとうございます!ごめんなさい!ごめんなさい!」
惨状を前に、明寺さんは土下座をしながらヘドバンを繰り返している。
まあ、自分のせいで人の昼食を台無しにしてしまったのだ。取り乱してしまうのも致し方ない。
そんな明寺さんの前に、3人は集まる。
「気にすんなよ。俺もうまくやれなかったし」
「ハンカチ貸すから、使っていいぜ」
「ま、今度ラーメン奢ってくれたら許してやんよ」
いや、今弁償してもらえよ。
しかし、こいつらも大概お人好しだ。これだけのトラブルメーカー、僕なら関わり合いたくない。
優しい言葉をかける3人を前に、明寺さんは感動したのか、涙をどばどばと流している。それをキッカケに降ってきた爆弾は、僕がマリアナ海溝に沈めておいた。
(こんなに素敵な人達に出会えるなんて……、転校してきてよかった!)
(もっと自分のことわかれば、みんなと友達になれるのかな……)
深い深い土下座から直った後、明寺さんはこちらを向いた。そして頭を下げ直して、心の声で「よろしくお願いします。絶対に、迷惑をかけないように成長します」と言った。
……まあ、とんだ転校生だが、悪い奴ではなさそうだ。
(3人とも、かっこいい……)
おお。これは前回と同じ流れじゃないか?
明寺さんの興味が他に移ってくれれば、僕が♀難に巻き込まれることもない。
好感度メーターを開いて見てみれば、それぞれに対して85の値を指していた。よし。よくやった。3バカも、僕から注意を逸らすのには役に立つ。
僕に対する好感度はどうなったか。一応開いてみると、…………数値は85のままだった。
……ああ、なるほど。全方位に好感度を振りまいていくタイプか。さすが夢主を務めるだけある。
(なんか変な心の声が聞こえたような?)
おっと、僕は何を言っているんだ?
ともかく、明寺菜真絵が要注意人物であることには変わりないな。
自己紹介で見事にタライを降らした明寺さんは、周囲の生徒から避けられていた。一人で弁当を広げながら、僕をちらりと見る。もちろん、僕は学校で仲良くしてやる気などない。こんな目立つ人間と一緒にいたくないからな。
しかしこの状況だ。声をかけてくる奴がいるのはわかりきっている。
「フ……ッ、訪問者よ、貴様、召喚魔法をどこで習った?」
「なあ、昨日のタライ、どうやるんだ?瞬が気になってるらしくてさ」
「ばっ……"持つ者"は、ダークリユニオンの標的となる。忠告に来たまでだ」
海藤と窪谷須だ。
まあ、あの二人がぼっちを放っておくわけがないよな。
(何言ってるかわからない……。でも、わざわざ話しかけてくれたんだ。友達になれるかも! 頑張って返事しよう!)
明寺さん、滅茶苦茶フレンドリーだ。
中二病患者なんて、どう考えても地雷だろう。よく相手する気になったな。海藤の心の声が聞こえているとすれば話は別だが、反応を見る限り違うようだ。
昨日もその片鱗を見せていたが、彼女は人付き合いに相当飢えているらしい。
「案ずるな。奴らには、とうの昔に見つかっておる」
「な……っ!それで無事だと言うのか……!?」
「わらわは能力を使いこなせておらぬ。役立たずに用はないと、奴らは見向きもしなかった。街を襲われた時も、な」
「そうか……。では同胞は皆……」
おいおい。会話成立させてるぞ。コミュニケーション能力も高いじゃないか。
「で、どうやるんだ?」
窪谷須は乗ってやらないんだな。
「うーん、わからないんだ。元々こんな感じで……」
そして明寺さんはちゃんと戻るんだな。
僕との約束も守ってくれているようで、何よりだ。
「っつーことはいつもあの調子なのか。苦労するな」
「ごめんね」
明寺さんは、悲しそうに頭を下げる。
(超能力に興味を持って話しかけてくれたのに、何もできないなんて……)
彼女の思考を読み取っておきながら、僕はその次に取る行動を読むことができなかった。
(こんなところで友達ができるチャンスを逃したくない!やってみよう!)
次の瞬間には、明寺さんはぐっと体に力を入れていた。超能力を発動させようとしているのだ。
僕はこの流れを止められなかったことを、少しだけ後悔した。さて、案の定頭上から物が落ちてくる。
今度は鏡餅か。助ける必要はあるのだろうか。当たれば痛いとは思うが、死ぬほどではない。自業自得の結果にわざわざ僕が構う必要はないが……。
「おっと危ねえ」
僕があれこれと考えている間に、明寺さんを救ったのは窪谷須だった。鏡餅をしっかりとキャッチしている。さすがの反射神経だ。
何が起きたのか察した明寺さんは、すぐに席を立って、窪谷須に向かって深々と頭を下げた。
「あ、ありがとう!ごめん……その、何もわからないどころか、迷惑かけちゃって」
「気にすんな。自分でもコントロールできないんだろ?」
「でも……」
まったく、爆弾でも降ってきたらどうするつもりだったんだ。
彼女はこちらをチラリと見て、僕の表情を確認した。おそらく、冷たい表情をしていたのだろう。彼女はしゅん、と、肩をすくめる。
まさか、昨日の訓練の結果をこんな形で披露されるとは。誰かの気を引くために超能力を使っても、ろくな事にならない。二度とこんなことはするな、とだけテレパシーを送って、僕は彼女から目を逸らした。
「んなことより、一緒にメシ食わねぇか?」
落ち込む明寺さんをなだめるように、窪谷須が声をかける。
「え?」
「明寺さん、転校したてでわからないことも多いだろうし、何か力になれたらと思って。ほら、斉木も一緒にさ!」
「いいんですか!?」
海藤の一言で、何故か僕も巻き込まれてしまった。これ以上彼女と関わり合いになりたくないが、下手に距離を取っても不自然だ。渋々席を立つと、明寺さんは僕に向かって小さく頭を下げた。
反省しているのなら、これ以上とやかく言うつもりはない。無茶な行いの代償も既に払っているしな。
「あ……。お弁当がない」
明寺さんの弁当は、今頃餅屋にでも落ちているのだろう。
「弁当がなくなったなら、食堂に行こうぜ」
海藤の機転で、僕達は食堂で昼食を食べることになった。誰が誘ったわけでもないが、ラーメンを食べたいという燃堂も着いてきた。
「お?タライの転校生か。よろしくな!」
「はい、よろしくお願いします!」
「この食堂のオススメはカツ丼だぜ、一回食ってみろよ」
「(あ、でもチャーハン頼むんだ……)」
彼女は特に燃堂の顔に言及することもなく、普通に接している。
この見た目で驚かないとは珍しい奴だ。それどころか心中では、友達になりたいな、とまで言っている。やはりフレンドリーだ。
明寺さんは素直にカツ丼を頼んで、席に腰掛けた。さて、何もトラブルが起きないといいが……。
「私、クラスメートとごはん食べるの、初めてなんです」
「お?なんだ?ダチがいなかったのか?」
ハッキリ言うな。燃堂。
「あはは、いつもこんな感じだから、友達もできなくて、物を壊しては転校の繰り返しで……」
「やはり能力者は孤高の存在……。だが心配するな。これからは俺が力を貸そう」
「力を……?」
「まあなんだ、仲良くしようってこった。な、瞬」
「!!」
明寺さんの顔が、みるみるうちに明るくなっていく。仲良くしようと言われて喜んでいるのだろう。
「うれしいです!私も仲良くしたいです!……あっ」
さて、案の定、力む明寺さんの頭上にタライが現れる。
これも窪谷須が拾うだろうかと観察していたが、ギリギリのところで間に合わず、手でタライを弾いてしまう。それを燃堂が受け止めたが、身を乗り出したために、燃堂のチャーハンが飛び散る結果となってしまった。
「ご、ごめんなさ……ありがとうございます!ごめんなさい!ごめんなさい!」
惨状を前に、明寺さんは土下座をしながらヘドバンを繰り返している。
まあ、自分のせいで人の昼食を台無しにしてしまったのだ。取り乱してしまうのも致し方ない。
そんな明寺さんの前に、3人は集まる。
「気にすんなよ。俺もうまくやれなかったし」
「ハンカチ貸すから、使っていいぜ」
「ま、今度ラーメン奢ってくれたら許してやんよ」
いや、今弁償してもらえよ。
しかし、こいつらも大概お人好しだ。これだけのトラブルメーカー、僕なら関わり合いたくない。
優しい言葉をかける3人を前に、明寺さんは感動したのか、涙をどばどばと流している。それをキッカケに降ってきた爆弾は、僕がマリアナ海溝に沈めておいた。
(こんなに素敵な人達に出会えるなんて……、転校してきてよかった!)
(もっと自分のことわかれば、みんなと友達になれるのかな……)
深い深い土下座から直った後、明寺さんはこちらを向いた。そして頭を下げ直して、心の声で「よろしくお願いします。絶対に、迷惑をかけないように成長します」と言った。
……まあ、とんだ転校生だが、悪い奴ではなさそうだ。
(3人とも、かっこいい……)
おお。これは前回と同じ流れじゃないか?
明寺さんの興味が他に移ってくれれば、僕が♀難に巻き込まれることもない。
好感度メーターを開いて見てみれば、それぞれに対して85の値を指していた。よし。よくやった。3バカも、僕から注意を逸らすのには役に立つ。
僕に対する好感度はどうなったか。一応開いてみると、…………数値は85のままだった。
……ああ、なるほど。全方位に好感度を振りまいていくタイプか。さすが夢主を務めるだけある。
(なんか変な心の声が聞こえたような?)
おっと、僕は何を言っているんだ?
ともかく、明寺菜真絵が要注意人物であることには変わりないな。