プロローグ編
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少女が床に倒れるのを、ヴァンは見ていた。
少女は起き上がり、部屋に散らばった調度品を元に戻してから部屋を出る。
まだ掃除は途中だったのに。
心臓がばくばくしているが、思考は意外と落ち着いていて、少女は自分自身に感心した。
そろそろあの少年が来る頃だ。そう思って、ヴァンは歩き出す。少年が行くことのない、少女の部屋を目指して。
ドアを開けると、少女はベッドの上でうずくまっていた。ヴァンが声をかけると、少女は飛び起き、挨拶をする。
「わ、ごめんなさい」
「何かあったのか?」
「すみません。アッシュ様を怒らせてしまいました」
少女は痛そうに背中をさする。目が少し腫れていた。
ヴァンは、少年少女が喧嘩する姿を見ていた。しかし、理由までは知らない。突き飛ばされる程怒らせるなんて、一体何があったのだ。
「何をしたんだ」
「彼の昔の話で、喧嘩を売ったんです……」
ヴァンの想像していたよりも、少女の行動はたくましかった。あれだけ邪険にされたとはいえ、自分よりも力の強い、地位のある人間に喧嘩を売るなど、普通はできない。
ヴァンは、少女と出会った時のことを思い出した。少女は自分に「預言に背いても人の命を救えるか」と問うてきた。そんな幼い少女ならではの無神経さを、自分は気に入ったのだ。
今はその勢いを失っているが。
「やりすぎてしまいました……」
うなだれる彼女の頭に、ヴァンは手を置いた。その手を左右に何度か揺らせば、少女の顔が前を向く。少し落ち着いたようだ。
「アッシュは、預言に守られたお前が憎いのだろう」
少女は小さく頷いた。ヴァンの言っていることはもっともだ。
少年は、預言に捨てられた。預言に生かされ、守られている少女とは、対局の存在だった。
ND2018
ローレライの力を継ぐ若者
人々を引き連れ鉱山の街へと向かう
そこで若者は力を災いとし
キムラスカの武器となって街と共に消滅す
ローレライの力を継ぐ者とは、彼の事だ。ユリアの預言には、少年の死が記されていた。
死の運命から逃れるために、少年は教団へ逃げた。王族の座も、家族も、全て捨てて。それでも、逃げ切れたかどうかは、その時が来るまでわからない。
自分はもうすぐ死ぬかもしれない。そう思いながら生きることは、どれだけ辛いだろう。少女は考えようとしてみたが、深い闇に飲まれそうになって、やめた。
少年に酷いことをしてしまった。思い出したくない事実を、思い出させてしまった。少女は後悔して、胸が痛くなった。
「お前が悪いのではない。ゆっくり慣れていけばいい」
「ゆっくり、ですか」
解雇の話を持ち出したことを、少女は思い出す。
少年が解雇を提案しても、この男が許さないかもしれない。
少女はゆっくりと職場に慣れる様を想像して、途方に暮れた。どれだけの時間がかかるんだか。
「私はお前に期待しているのだぞ」
「期待?」
「そうだ。アッシュには、信頼できる存在が必要だ」
「私が、なるんですか?」
少女の不安そうな表情に、ヴァンはにこりと笑う。つられて少女も笑うが、無理難題を突きつけられて、いい気分ではない。
「いや、それでなくとも期待はしている。今日は書類の片付け、ご苦労だったな。完璧にできていたぞ」
褒められた。少女は、ヴァンに頭を撫でられただけで嬉しくなった。頑張りが認められたことに感動した。
こんなことで心が晴れるなんて、自分ってチョロいんだな。なんて少女は思ったが、自然と笑みがこぼれてしまう。
明日も頑張ろう。少女はそう思った。
少女は起き上がり、部屋に散らばった調度品を元に戻してから部屋を出る。
まだ掃除は途中だったのに。
心臓がばくばくしているが、思考は意外と落ち着いていて、少女は自分自身に感心した。
そろそろあの少年が来る頃だ。そう思って、ヴァンは歩き出す。少年が行くことのない、少女の部屋を目指して。
ドアを開けると、少女はベッドの上でうずくまっていた。ヴァンが声をかけると、少女は飛び起き、挨拶をする。
「わ、ごめんなさい」
「何かあったのか?」
「すみません。アッシュ様を怒らせてしまいました」
少女は痛そうに背中をさする。目が少し腫れていた。
ヴァンは、少年少女が喧嘩する姿を見ていた。しかし、理由までは知らない。突き飛ばされる程怒らせるなんて、一体何があったのだ。
「何をしたんだ」
「彼の昔の話で、喧嘩を売ったんです……」
ヴァンの想像していたよりも、少女の行動はたくましかった。あれだけ邪険にされたとはいえ、自分よりも力の強い、地位のある人間に喧嘩を売るなど、普通はできない。
ヴァンは、少女と出会った時のことを思い出した。少女は自分に「預言に背いても人の命を救えるか」と問うてきた。そんな幼い少女ならではの無神経さを、自分は気に入ったのだ。
今はその勢いを失っているが。
「やりすぎてしまいました……」
うなだれる彼女の頭に、ヴァンは手を置いた。その手を左右に何度か揺らせば、少女の顔が前を向く。少し落ち着いたようだ。
「アッシュは、預言に守られたお前が憎いのだろう」
少女は小さく頷いた。ヴァンの言っていることはもっともだ。
少年は、預言に捨てられた。預言に生かされ、守られている少女とは、対局の存在だった。
ND2018
ローレライの力を継ぐ若者
人々を引き連れ鉱山の街へと向かう
そこで若者は力を災いとし
キムラスカの武器となって街と共に消滅す
ローレライの力を継ぐ者とは、彼の事だ。ユリアの預言には、少年の死が記されていた。
死の運命から逃れるために、少年は教団へ逃げた。王族の座も、家族も、全て捨てて。それでも、逃げ切れたかどうかは、その時が来るまでわからない。
自分はもうすぐ死ぬかもしれない。そう思いながら生きることは、どれだけ辛いだろう。少女は考えようとしてみたが、深い闇に飲まれそうになって、やめた。
少年に酷いことをしてしまった。思い出したくない事実を、思い出させてしまった。少女は後悔して、胸が痛くなった。
「お前が悪いのではない。ゆっくり慣れていけばいい」
「ゆっくり、ですか」
解雇の話を持ち出したことを、少女は思い出す。
少年が解雇を提案しても、この男が許さないかもしれない。
少女はゆっくりと職場に慣れる様を想像して、途方に暮れた。どれだけの時間がかかるんだか。
「私はお前に期待しているのだぞ」
「期待?」
「そうだ。アッシュには、信頼できる存在が必要だ」
「私が、なるんですか?」
少女の不安そうな表情に、ヴァンはにこりと笑う。つられて少女も笑うが、無理難題を突きつけられて、いい気分ではない。
「いや、それでなくとも期待はしている。今日は書類の片付け、ご苦労だったな。完璧にできていたぞ」
褒められた。少女は、ヴァンに頭を撫でられただけで嬉しくなった。頑張りが認められたことに感動した。
こんなことで心が晴れるなんて、自分ってチョロいんだな。なんて少女は思ったが、自然と笑みがこぼれてしまう。
明日も頑張ろう。少女はそう思った。