崩落編
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イオンとナタリアを助けるために、少女達はダアトに足を踏み入れた。
導師守護役のアニスが、教団の様子を探っているらしい。アニスと落ち合うために、一行はダアトを探索していた。たくさんの人が行き交っているが、商店はごくわずかで、農地もあまり見られない。そんな街の様子を見て、ガイがティアと菜真絵に話しかける。
「そういえば、ここに住んでいる人間は、一体どうやって生計を立てているんだ?」
「ローレライ教団は、信者からの寄付金が主な財源なの。だから、神託の盾に属する者は、生活費を教団から支給されるわ」
ローレライ教団は、世界中に信者を抱えている。ダアトを歩く人々も、およそ土着の人間ではなく、寄付金を納めに来た人や、巡礼に来た人がほとんどだ。世界中の1人1人から集めたお金が、少女達の給金となっている。現実は、ケセドニアのような自治区や、国家からの寄付がそのほとんどを占めているが。
「神託の盾以外の住人は、自給自足で生活しているようですよ」
「自給自足?商売しちゃいけないのか?」
「禁止されてはいませんが……。預言通りに過ごせば、その必要はないということです」
ふーん。と、ガイが感嘆の息を洩らす。まるで、今までにない価値観を見せつけられたような、納得のいったようないっていないような、微妙な顔をしていた。
「あまり、ピンとこないですか?」
「まあ、預言の通りに過ごせば安全ってならいいけどな。悪い預言は、隠されているんだろう?」
「アクぜリュスのことも、ユリアの預言に詠まれていたんだもんな。結局死んじまうなら、預言の通りに生きても……」
面々が呟く様子を見て、少女は驚いた。彼らが、少女が思う一般市民の姿とかけ離れていたからだ。
人々は皆、預言を遵守し、未曾有の繁栄を待ちわびている。そんな世界に絶望し、ヴァンやアッシュは預言に抗っていた。少女も同じように、そんな世界を嫌っていた。しかしどうだろう。ルークとガイは、根本的に預言を信用していないように見える。こんな感性を持つ人がいたなんて。少女は自分の視野の狭さに、目眩がするような気がした。
「預言を全て知るローレライ教団の総本山だ。ダアトは世界で一番安全な土地なんだろうな」
「そうですね。パダミヤ大陸はザレッホ火山があるので危険だと言われていましたが、教団が災害の有無まで把握しているのであれば納得です」
「そうやって預言を生かすことができればいいんだけどな」
災害が起きると知っているのなら、アクぜリュスに人を置かなければよかった。教団は、人々を見殺しにしたのだ。預言が絶対のもので、逆らえないのだとしても、被害を最小限にすることはできたはずだ。
預言はひとつの可能性でしかない。そう言った最高指導者は今、教団自体に捕らえられている。
この世界の歪みは、預言ではなく、人々が起こしているものではないだろうか?
少女はそう思い至ったが、途方もない気持ちになって、考えるのをやめた。
「そういえば、外殻は本来の地表と離れているのに、なぜ火山活動があるのかしら」
ティアがつぶやく。
考えてみればそうだ。火山活動は星の中心、高温の世界で溶けた岩が地表に湧き出る現象だ。オールドラントも同じ仕組みであれば、溶岩の噴出は魔界でせき止められるはず。
その疑問に、ジェイドがひとつの仮説を提示した。
「セフィロトツリーと関係しているのではないでしょうか。あれが惑星の生命力のようなものを循環させていると考えるべきでしょう」
「……ユリアは途方もない技術を考案したんですね」
「ユリアだけではありません。彼女の十人の弟子、それにサザンクロス博士も、ですね」
ジェイドとティアのそれぞれが、2000年前、創世歴に思いを馳せる。
ユリアは、現代に続く素晴らしい技術を遺した。それは紛れもなく、人々が豊かに生きるための技術だ。一方で、彼女の詠んだ預言を巡って戦争が起き、数多の技術が、地表が失われた。
ユリアは何故、預言などというものを遺してしまったのだろう。
本当にそれは人類のためになったのだろうか?
少女もまた、この世界の始まりに、仕組みに、思いを巡らすのだった。
導師守護役のアニスが、教団の様子を探っているらしい。アニスと落ち合うために、一行はダアトを探索していた。たくさんの人が行き交っているが、商店はごくわずかで、農地もあまり見られない。そんな街の様子を見て、ガイがティアと菜真絵に話しかける。
「そういえば、ここに住んでいる人間は、一体どうやって生計を立てているんだ?」
「ローレライ教団は、信者からの寄付金が主な財源なの。だから、神託の盾に属する者は、生活費を教団から支給されるわ」
ローレライ教団は、世界中に信者を抱えている。ダアトを歩く人々も、およそ土着の人間ではなく、寄付金を納めに来た人や、巡礼に来た人がほとんどだ。世界中の1人1人から集めたお金が、少女達の給金となっている。現実は、ケセドニアのような自治区や、国家からの寄付がそのほとんどを占めているが。
「神託の盾以外の住人は、自給自足で生活しているようですよ」
「自給自足?商売しちゃいけないのか?」
「禁止されてはいませんが……。預言通りに過ごせば、その必要はないということです」
ふーん。と、ガイが感嘆の息を洩らす。まるで、今までにない価値観を見せつけられたような、納得のいったようないっていないような、微妙な顔をしていた。
「あまり、ピンとこないですか?」
「まあ、預言の通りに過ごせば安全ってならいいけどな。悪い預言は、隠されているんだろう?」
「アクぜリュスのことも、ユリアの預言に詠まれていたんだもんな。結局死んじまうなら、預言の通りに生きても……」
面々が呟く様子を見て、少女は驚いた。彼らが、少女が思う一般市民の姿とかけ離れていたからだ。
人々は皆、預言を遵守し、未曾有の繁栄を待ちわびている。そんな世界に絶望し、ヴァンやアッシュは預言に抗っていた。少女も同じように、そんな世界を嫌っていた。しかしどうだろう。ルークとガイは、根本的に預言を信用していないように見える。こんな感性を持つ人がいたなんて。少女は自分の視野の狭さに、目眩がするような気がした。
「預言を全て知るローレライ教団の総本山だ。ダアトは世界で一番安全な土地なんだろうな」
「そうですね。パダミヤ大陸はザレッホ火山があるので危険だと言われていましたが、教団が災害の有無まで把握しているのであれば納得です」
「そうやって預言を生かすことができればいいんだけどな」
災害が起きると知っているのなら、アクぜリュスに人を置かなければよかった。教団は、人々を見殺しにしたのだ。預言が絶対のもので、逆らえないのだとしても、被害を最小限にすることはできたはずだ。
預言はひとつの可能性でしかない。そう言った最高指導者は今、教団自体に捕らえられている。
この世界の歪みは、預言ではなく、人々が起こしているものではないだろうか?
少女はそう思い至ったが、途方もない気持ちになって、考えるのをやめた。
「そういえば、外殻は本来の地表と離れているのに、なぜ火山活動があるのかしら」
ティアがつぶやく。
考えてみればそうだ。火山活動は星の中心、高温の世界で溶けた岩が地表に湧き出る現象だ。オールドラントも同じ仕組みであれば、溶岩の噴出は魔界でせき止められるはず。
その疑問に、ジェイドがひとつの仮説を提示した。
「セフィロトツリーと関係しているのではないでしょうか。あれが惑星の生命力のようなものを循環させていると考えるべきでしょう」
「……ユリアは途方もない技術を考案したんですね」
「ユリアだけではありません。彼女の十人の弟子、それにサザンクロス博士も、ですね」
ジェイドとティアのそれぞれが、2000年前、創世歴に思いを馳せる。
ユリアは、現代に続く素晴らしい技術を遺した。それは紛れもなく、人々が豊かに生きるための技術だ。一方で、彼女の詠んだ預言を巡って戦争が起き、数多の技術が、地表が失われた。
ユリアは何故、預言などというものを遺してしまったのだろう。
本当にそれは人類のためになったのだろうか?
少女もまた、この世界の始まりに、仕組みに、思いを巡らすのだった。