外殻大地編
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「セントビナーとエンゲーブはハズレだよ。他を当たるしかないね」
六神将の面々が、タルタロスに姿を見せた。しかし、そこに導師の姿はなかった。街を探しても、レプリカルーク一行を見つけることはできなかったらしい。今は一同が集結し、次の身の振り方を相談している。
「フーブラス川、渡る、はず。そこで待ち構えて、復讐する……!」
「復讐?」
「アリエッタのママ、あいつらに殺された。生き残った弟が、教えてくれた、です」
エンゲーブの北には、ライガの住処がある。そこに、アリエッタのママ、もとい、育ての親であるライガの女王が住んでいた。その女王が、レプリカルーク一行に殺されたらしい。
ライガの本来の住処だった森は、以前火事で消えてしまった。それを憂うアリエッタの姿を、少女も見かけたことがある。それでも、なんとか別の森で生きていると聞いていたのに。
「森を燃やしたのはチーグル……!悪いのは、向こうなのに……!」
ライガは住処を求めてチーグルの森を襲った。それを止めるために、レプリカ達がそのボスである女王を殺したのだ。導師イオンを探す旅の中で、突如知らされたこの事実。アリエッタはしっかりと言葉を紡ぎながらも、ボロボロと泣いていた。
「絶対、ゆるさない……!」
「なら、フーブラス川はアリエッタに任せるとしようか。僕達はカイツールに回るよ」
淡々と話し合いが進んでいく中、少女は紅茶をアリエッタに差し出した。アリエッタは泣いたままそれを飲む。甘いハーブティー。アリエッタは少女の顔を見ると、より顔を崩して、わんわんと泣き喚いた。
「殺す、です!私から、ママも、イオン様も奪ったんだからぁ!」
シンクが口元をギュッと結ぶと、冷たい声で投げかける。
「菜真絵、コイツつまみ出して」
「え、でも……」
「泣かれたら話し合いが進まないよ」
「だったら、もう行くです!」
アリエッタはそう叫んで、部屋を出て行った。
一人で大丈夫だろうか。少女はそう思ったが、止めることができなかった。他の面々も、黙ってそれを見送る。
アリエッタは強い。だが、向こうにはヴァンの妹も、死霊使いもいる。復讐に燃える我を失った姿で、勝てるのだろうか。
「菜真絵、何かあったときはアンタがあれを回収してよ」
「回収……」
「戦えとは言っていないんだ。できるだろ?」
少女がアッシュを見やると、アッシュは小さく頷いた。レプリカが、ヴァンの妹が殺されては元も子もない。アリエッタを止めるためにも、救う為にも、援軍は必要だろう。
「わかりました。兵士を数人連れて行きます」
少女は走って、アリエッタの後を追った。
橋が流れたと聞いていたが、川の流れは穏やかだった。
川に足を浸して歩いて行くと、倒れたアリエッタと、レプリカルーク一行がいた。戦闘のせいか、地面のひびから障気が湧き出ている。これ以上近づくと危険だ。
少女はその場に立ち止まった。すると死霊使いジェイドが、アリエッタの喉に槍を突きつける。
殺される。少女は咄嗟に飛び出そうとしたが、先にレプリカがそれを止めた。
「や、やめろ!なんでそいつを殺そうとするんだ!」
その光景は異様だった。
自分の命を狙う人間に、情けをかけるレプリカの姿。少女は、自分が忘れていた感情が蘇るような気がして、後ろを向いた。できれば人を殺したくない。レプリカはそう考えているのだろう。生まれてたった7年の子供だから。
「誰です、出てきなさい!」
ふいに、死霊使いが叫ぶ。
静かにしていたつもりなのに、気付かれてしまった。少女は連れてきた兵を後ろにつけ、彼らの見える位置まで歩み寄った。遠距離攻撃のできる譜術士もいる。まともに戦って負けることはないだろう。
「菜真絵?菜真絵なのですか?」
「お久しぶりです、導師イオン」
「菜真絵って、あの導きの少女様か?」
一同に舐め回すように見られて、少女は頭を下げる。それにつられて、ティアは跪いた。少女は世界的な有名人だ。レプリカルークを除く、全員がその存在を知っていた。
「菜真絵奏長、貴女は教会にいるはずでは……」
「アリエッタ様を返していただくため参りました」
「あ?イオンを捕まえに来たんじゃないのかよ」
モースや六神将の目的はそうだが、少女の目的は違う。今はヴァンの計画を先延ばしにして、考える時間が欲しいのだ。導師は逃したほうがいい。用があるとすればレプリカルークだが、この障気の中、相手を殺さずに捕まえる算段が立たない。
「……私はただ、アリエッタ様の回収を命じられただけです。解放してくだされば、攻撃を加えることもありません」
少女がそう言うと、神託の盾兵達は攻撃の体制をとる。その姿を見た死霊使いは、その腕に槍をしまった。
「いいでしょう」
倒れ込むアリエッタ。しかし、近づけない。障気が道を塞いでいるのだ。すると、ティアがアリエッタを抱えて歩み寄ってきた。障気が彼女を避けるように流れていく。
「障気が……?」
「返します」
第七譜術士がアリエッタを受け取り、回復の譜術を唱え始めた。
「待ってください。今起きたら暴れ出すかもしれません。彼らが去ってから……」
「おや、そこまでして我々を守りたいのですか?」
レプリカルーク一行を殺したくない。少女はそう思っていた。しかし、死霊使いからしてみれば不思議だった。導師イオンさえ拐うことができれば、後はどうでもいいはずだ。
話ができると踏んだのか、他の面々も次々に話し掛けてくる。
「おい、お前、なんでモースは戦争なんて起こそうとしてんだよ」
「セフィロトでイオンに何をさせようとしていたんだ?」
少女は迷った。預言の事を話してしまえば、レプリカが鉱山の街に向かわなくなる。ヴァンの思惑は、未だにわからない。何も話すことはないはずだが、レプリカルーク達の歩み寄る態度に、つい口を開いた。
「前者は、教団の機密事項です。後者は私にもわかりません」
「そうですか。あなたにも、話していないのですね」
「ここであなた方を逃がす理由は……、色々な考えの人がいる、ということです」
少女の瞳が揺れていることに、数名が気づいた。少女は、自分の気持ちが伝わったと安堵した。
「なるほど。感謝します」
レプリカルーク一行は、背を向けて歩き出した。少女に警戒することもなく。
機会を窺っていた第七譜術士が、アリエッタに譜術をかける。瞬く間にアリエッタは目を覚ました。
「……助けてくれた、の?」
「はい。彼らには逃げられてしまいましたが」
少女がそう言うと、アリエッタは眉を下げる。しかし、瞳の奥はまだ復讐に燃えているように見えた。
「……復讐の機会はまだあります。お願いがあるのですが」
「おねがい?」
「コーラル城にレプリカルークを拐ってほしいのです」
死霊使い達の態度を見るに、レプリカルークと同調フォンスロットを繋げる意味は、多分にありそうだ。上手く行けば、味方にできるかもしれない。
そのためには、レプリカルークを生け捕りにする必要がある。魔物を操ることのできるアリエッタなら、それが叶う。
「でも、命令違反じゃ……」
「こちらの土壌で、復讐が果たせるのですよ?」
少女の強い語気に迫られ、アリエッタは頷いた。
六神将の面々が、タルタロスに姿を見せた。しかし、そこに導師の姿はなかった。街を探しても、レプリカルーク一行を見つけることはできなかったらしい。今は一同が集結し、次の身の振り方を相談している。
「フーブラス川、渡る、はず。そこで待ち構えて、復讐する……!」
「復讐?」
「アリエッタのママ、あいつらに殺された。生き残った弟が、教えてくれた、です」
エンゲーブの北には、ライガの住処がある。そこに、アリエッタのママ、もとい、育ての親であるライガの女王が住んでいた。その女王が、レプリカルーク一行に殺されたらしい。
ライガの本来の住処だった森は、以前火事で消えてしまった。それを憂うアリエッタの姿を、少女も見かけたことがある。それでも、なんとか別の森で生きていると聞いていたのに。
「森を燃やしたのはチーグル……!悪いのは、向こうなのに……!」
ライガは住処を求めてチーグルの森を襲った。それを止めるために、レプリカ達がそのボスである女王を殺したのだ。導師イオンを探す旅の中で、突如知らされたこの事実。アリエッタはしっかりと言葉を紡ぎながらも、ボロボロと泣いていた。
「絶対、ゆるさない……!」
「なら、フーブラス川はアリエッタに任せるとしようか。僕達はカイツールに回るよ」
淡々と話し合いが進んでいく中、少女は紅茶をアリエッタに差し出した。アリエッタは泣いたままそれを飲む。甘いハーブティー。アリエッタは少女の顔を見ると、より顔を崩して、わんわんと泣き喚いた。
「殺す、です!私から、ママも、イオン様も奪ったんだからぁ!」
シンクが口元をギュッと結ぶと、冷たい声で投げかける。
「菜真絵、コイツつまみ出して」
「え、でも……」
「泣かれたら話し合いが進まないよ」
「だったら、もう行くです!」
アリエッタはそう叫んで、部屋を出て行った。
一人で大丈夫だろうか。少女はそう思ったが、止めることができなかった。他の面々も、黙ってそれを見送る。
アリエッタは強い。だが、向こうにはヴァンの妹も、死霊使いもいる。復讐に燃える我を失った姿で、勝てるのだろうか。
「菜真絵、何かあったときはアンタがあれを回収してよ」
「回収……」
「戦えとは言っていないんだ。できるだろ?」
少女がアッシュを見やると、アッシュは小さく頷いた。レプリカが、ヴァンの妹が殺されては元も子もない。アリエッタを止めるためにも、救う為にも、援軍は必要だろう。
「わかりました。兵士を数人連れて行きます」
少女は走って、アリエッタの後を追った。
橋が流れたと聞いていたが、川の流れは穏やかだった。
川に足を浸して歩いて行くと、倒れたアリエッタと、レプリカルーク一行がいた。戦闘のせいか、地面のひびから障気が湧き出ている。これ以上近づくと危険だ。
少女はその場に立ち止まった。すると死霊使いジェイドが、アリエッタの喉に槍を突きつける。
殺される。少女は咄嗟に飛び出そうとしたが、先にレプリカがそれを止めた。
「や、やめろ!なんでそいつを殺そうとするんだ!」
その光景は異様だった。
自分の命を狙う人間に、情けをかけるレプリカの姿。少女は、自分が忘れていた感情が蘇るような気がして、後ろを向いた。できれば人を殺したくない。レプリカはそう考えているのだろう。生まれてたった7年の子供だから。
「誰です、出てきなさい!」
ふいに、死霊使いが叫ぶ。
静かにしていたつもりなのに、気付かれてしまった。少女は連れてきた兵を後ろにつけ、彼らの見える位置まで歩み寄った。遠距離攻撃のできる譜術士もいる。まともに戦って負けることはないだろう。
「菜真絵?菜真絵なのですか?」
「お久しぶりです、導師イオン」
「菜真絵って、あの導きの少女様か?」
一同に舐め回すように見られて、少女は頭を下げる。それにつられて、ティアは跪いた。少女は世界的な有名人だ。レプリカルークを除く、全員がその存在を知っていた。
「菜真絵奏長、貴女は教会にいるはずでは……」
「アリエッタ様を返していただくため参りました」
「あ?イオンを捕まえに来たんじゃないのかよ」
モースや六神将の目的はそうだが、少女の目的は違う。今はヴァンの計画を先延ばしにして、考える時間が欲しいのだ。導師は逃したほうがいい。用があるとすればレプリカルークだが、この障気の中、相手を殺さずに捕まえる算段が立たない。
「……私はただ、アリエッタ様の回収を命じられただけです。解放してくだされば、攻撃を加えることもありません」
少女がそう言うと、神託の盾兵達は攻撃の体制をとる。その姿を見た死霊使いは、その腕に槍をしまった。
「いいでしょう」
倒れ込むアリエッタ。しかし、近づけない。障気が道を塞いでいるのだ。すると、ティアがアリエッタを抱えて歩み寄ってきた。障気が彼女を避けるように流れていく。
「障気が……?」
「返します」
第七譜術士がアリエッタを受け取り、回復の譜術を唱え始めた。
「待ってください。今起きたら暴れ出すかもしれません。彼らが去ってから……」
「おや、そこまでして我々を守りたいのですか?」
レプリカルーク一行を殺したくない。少女はそう思っていた。しかし、死霊使いからしてみれば不思議だった。導師イオンさえ拐うことができれば、後はどうでもいいはずだ。
話ができると踏んだのか、他の面々も次々に話し掛けてくる。
「おい、お前、なんでモースは戦争なんて起こそうとしてんだよ」
「セフィロトでイオンに何をさせようとしていたんだ?」
少女は迷った。預言の事を話してしまえば、レプリカが鉱山の街に向かわなくなる。ヴァンの思惑は、未だにわからない。何も話すことはないはずだが、レプリカルーク達の歩み寄る態度に、つい口を開いた。
「前者は、教団の機密事項です。後者は私にもわかりません」
「そうですか。あなたにも、話していないのですね」
「ここであなた方を逃がす理由は……、色々な考えの人がいる、ということです」
少女の瞳が揺れていることに、数名が気づいた。少女は、自分の気持ちが伝わったと安堵した。
「なるほど。感謝します」
レプリカルーク一行は、背を向けて歩き出した。少女に警戒することもなく。
機会を窺っていた第七譜術士が、アリエッタに譜術をかける。瞬く間にアリエッタは目を覚ました。
「……助けてくれた、の?」
「はい。彼らには逃げられてしまいましたが」
少女がそう言うと、アリエッタは眉を下げる。しかし、瞳の奥はまだ復讐に燃えているように見えた。
「……復讐の機会はまだあります。お願いがあるのですが」
「おねがい?」
「コーラル城にレプリカルークを拐ってほしいのです」
死霊使い達の態度を見るに、レプリカルークと同調フォンスロットを繋げる意味は、多分にありそうだ。上手く行けば、味方にできるかもしれない。
そのためには、レプリカルークを生け捕りにする必要がある。魔物を操ることのできるアリエッタなら、それが叶う。
「でも、命令違反じゃ……」
「こちらの土壌で、復讐が果たせるのですよ?」
少女の強い語気に迫られ、アリエッタは頷いた。