プロローグ編
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「どこだ、どこにいる、今日中に見つけるのだぞ!」
「はっ」
走る兵士達の鎧から、汗が流れ出ている。それは砂の上に零れ落ち、すぐに蒸発していく。
広い砂漠の中を、どう探せばいいと言うのだろう。暑いからか、兵士達の動きも鈍い。しかし、兵士達に弱音を吐くことは許されない。あるものを見つけるまでは。
「いいか、黒い髪の少女だ。黒い髪の少女だぞ」
黒い髪の少女。約百人もの軍勢を引き連れ、必死になって探すものはそれだった。リーダーの男は、一人だけ鎧を纏わず、屋根の下で少女の登場を待っている。
少女は、自分が砂漠に立っているということに、ようやく気がついた。周りには何もなく、ただただ、砂が積もっているだけである。
びしょ濡れだったはずの制服は乾ききって、皺を作っていた。どれほどの時間、この場所にいたのだろう。
暑い。日を遮るものが何もない。頭がのぼせて、思考が働かない。制服から出ている腕が、焼けるように痛い。少女は腕を覆い隠すようにして、日陰を求め、前に歩き始めた。
しばらく歩いたが、一向に日陰は見当たらない。少女は命の危険を感じ、例えようのない不安に襲われた。
このままでは死んでしまう。手元に持っていた水筒の水は残っていないし、周りにサボテンがあっても、それを切る道具がない。砂に足が埋まり、思ったように歩けず、体力はもう無いに等しい。ふと転ぶと、砂が肌に跡をつくる。
もう駄目だ。少女は諦めた。このまま寝入ってしまえば、寝ているあいだに死ねるのではないかと思った。少女が砂漠に倒れこむ。その時だった。
「見つけたぞ!黒髪の少女だ!」
少女の耳に届いたのは、鎧を着た男の声だった。助かった。
少女はゆっくりと身を起こすと、またその場に倒れる。立てない。すると、後からやってきた兵士達が少女を支え、無理矢理砂の上に立たせた。余った兵士は規則正しく並び、一斉に敬礼をする。
兵士達が作った道の向こうから、男がゆっくりと歩いて来る。
「お前が異世界からの訪問者か?」
「……」
少女は訳がわからず、ぼんやりと、目の細い男を眺めている。兵士は少女に何かを言わせようと促すが、男がそれを止めた。
「聞かずともお前がそうなのだろう。待っていたぞ」
男が合図を出すと、兵士達は一斉に歩き出した。力尽きたか、少女はうなだれ、目をふらふらと泳がせている。
「異世界からの訪問者を、馬車に乗せてさしあげろ」
「はっ」
次に少女の目が覚めるのは、随分後のことだった。
「はっ」
走る兵士達の鎧から、汗が流れ出ている。それは砂の上に零れ落ち、すぐに蒸発していく。
広い砂漠の中を、どう探せばいいと言うのだろう。暑いからか、兵士達の動きも鈍い。しかし、兵士達に弱音を吐くことは許されない。あるものを見つけるまでは。
「いいか、黒い髪の少女だ。黒い髪の少女だぞ」
黒い髪の少女。約百人もの軍勢を引き連れ、必死になって探すものはそれだった。リーダーの男は、一人だけ鎧を纏わず、屋根の下で少女の登場を待っている。
少女は、自分が砂漠に立っているということに、ようやく気がついた。周りには何もなく、ただただ、砂が積もっているだけである。
びしょ濡れだったはずの制服は乾ききって、皺を作っていた。どれほどの時間、この場所にいたのだろう。
暑い。日を遮るものが何もない。頭がのぼせて、思考が働かない。制服から出ている腕が、焼けるように痛い。少女は腕を覆い隠すようにして、日陰を求め、前に歩き始めた。
しばらく歩いたが、一向に日陰は見当たらない。少女は命の危険を感じ、例えようのない不安に襲われた。
このままでは死んでしまう。手元に持っていた水筒の水は残っていないし、周りにサボテンがあっても、それを切る道具がない。砂に足が埋まり、思ったように歩けず、体力はもう無いに等しい。ふと転ぶと、砂が肌に跡をつくる。
もう駄目だ。少女は諦めた。このまま寝入ってしまえば、寝ているあいだに死ねるのではないかと思った。少女が砂漠に倒れこむ。その時だった。
「見つけたぞ!黒髪の少女だ!」
少女の耳に届いたのは、鎧を着た男の声だった。助かった。
少女はゆっくりと身を起こすと、またその場に倒れる。立てない。すると、後からやってきた兵士達が少女を支え、無理矢理砂の上に立たせた。余った兵士は規則正しく並び、一斉に敬礼をする。
兵士達が作った道の向こうから、男がゆっくりと歩いて来る。
「お前が異世界からの訪問者か?」
「……」
少女は訳がわからず、ぼんやりと、目の細い男を眺めている。兵士は少女に何かを言わせようと促すが、男がそれを止めた。
「聞かずともお前がそうなのだろう。待っていたぞ」
男が合図を出すと、兵士達は一斉に歩き出した。力尽きたか、少女はうなだれ、目をふらふらと泳がせている。
「異世界からの訪問者を、馬車に乗せてさしあげろ」
「はっ」
次に少女の目が覚めるのは、随分後のことだった。