プロローグ編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
最近の少女の生活は、充実していた。
教団員として任されるのは小さな仕事ばかりだが、うまくいけば褒めてもらえる。皆が優しくしてくれる。
アッシュの態度も、最初の任務以来変わった。優しいとはお世辞にも言えないが、怒鳴ることはもうない。
それに、ぶっきらぼうな少年にも可愛い一面がある。人参が嫌いなところ。鶏肉料理を作るとちょっと嬉しそうにするところ。身長を気にしているところ。
日々を過ごしていくうちに、少年の新しい顔を見ることができる。少女にとっては、それがとても楽しかった。もちろん、アッシュだけではない。六神将や、その部下たちにも面白い一面がある。
少女は今も、与えられた仕事をこなしている。いつもの様な、書類の分類だ。
一方、隣に座る男は、せっせと紙を折っている。そしてそれを誇らしげに掲げると、少女は目を輝かせた。
「それはどんな飛び方をするんですか?」
「蛇行しながら投げた対象に戻ってきます」
「すごい!」
はっ、という掛け声とともに、紙が宙を飛ぶ。うねうねと部屋中を進み、大きな円を描いている。2人がそれを目で追っていると、ふいにドアが開いた。潰れる紙飛行機。
「おいディスト!何をしている!」
「あああああああ私の最高傑作がああああああ!」
「あの、ディスト様」
少女は、叫ぶ男に完成した紙飛行機を渡した。
「折り方真似してみたんですけど、どうでしょうか?」
「完璧です菜真絵、あなたはもう立派な紙飛行機マスターです!」
「はい!」
「お前まで何してる」
少年は拳を振り上げたが、少女のまるい目を見て、殴れなくなった。仕方ないので方向を変えて、ディストを殴った。割れる眼鏡。ディストは文句ありげに少年を睨むが、少年は既に、少女のほうを見ていら。
「仕事時間だ」
「すみません、息抜きにと……」
「アッシュもどうですか、楽しいですよ」
「黙れ」
「べぶしっ!」
ディストはその場に倒れこむ。少女に助けを求めようとすれば、少年に止められた。
「こんな奴と一緒に居るな」
少年は少女を引っ張り、部屋から出ていった。少女は特に抵抗せず、されるがままに着いてゆく。
少女とディストは仲が良かった。歳の差は親子ほどあるが、何故だか対等に喋ったり、遊んだりできる。いつも、暇な時間ができると、使わなくなった書類で紙飛行機を作っていた。
少年はそれが気に食わなかった。自分が働いている間に、自分の部下が勝手に遊んでいるなど。
少年は少女を引っ張ったまま、教会の外に出た。少女は仕事時間なのでとそれを拒むが、無理矢理手を引かれた。外では市民達が楽しげに歩いており、店も盛況だ。
「あの、まだ仕事が」
「少し待て」
少年が店に走っていったかと思えば、すぐに戻ってきた。何かを買ったようだ。紙袋を少女に手渡し、開けさせる。中には、リボンが入っていた。
「これは?」
「お前の髪は邪魔だ。魔物と戦うのなら、つけていろ」
それだけ言うと、少年は走り去った。途方に暮れる少女。
少年が自分にプレゼントをくれるなんて。少女は、どうしても信じられなくて、頬をつねってみた。痛い。
一体どういう風の吹き回しだろう。少女は考えたが、答えに辿り着けない。
きっと、よほど髪が気になったのだ。そうに違いない。
少女は脳内で話を完結させて、走って部屋に戻った。鏡を見ながら、リボンを結ぶ。我ながら似合っている。それはもう、とっても。
鏡に映った少女の顔は、びっくりするくらい緩んでいた。
教団員として任されるのは小さな仕事ばかりだが、うまくいけば褒めてもらえる。皆が優しくしてくれる。
アッシュの態度も、最初の任務以来変わった。優しいとはお世辞にも言えないが、怒鳴ることはもうない。
それに、ぶっきらぼうな少年にも可愛い一面がある。人参が嫌いなところ。鶏肉料理を作るとちょっと嬉しそうにするところ。身長を気にしているところ。
日々を過ごしていくうちに、少年の新しい顔を見ることができる。少女にとっては、それがとても楽しかった。もちろん、アッシュだけではない。六神将や、その部下たちにも面白い一面がある。
少女は今も、与えられた仕事をこなしている。いつもの様な、書類の分類だ。
一方、隣に座る男は、せっせと紙を折っている。そしてそれを誇らしげに掲げると、少女は目を輝かせた。
「それはどんな飛び方をするんですか?」
「蛇行しながら投げた対象に戻ってきます」
「すごい!」
はっ、という掛け声とともに、紙が宙を飛ぶ。うねうねと部屋中を進み、大きな円を描いている。2人がそれを目で追っていると、ふいにドアが開いた。潰れる紙飛行機。
「おいディスト!何をしている!」
「あああああああ私の最高傑作がああああああ!」
「あの、ディスト様」
少女は、叫ぶ男に完成した紙飛行機を渡した。
「折り方真似してみたんですけど、どうでしょうか?」
「完璧です菜真絵、あなたはもう立派な紙飛行機マスターです!」
「はい!」
「お前まで何してる」
少年は拳を振り上げたが、少女のまるい目を見て、殴れなくなった。仕方ないので方向を変えて、ディストを殴った。割れる眼鏡。ディストは文句ありげに少年を睨むが、少年は既に、少女のほうを見ていら。
「仕事時間だ」
「すみません、息抜きにと……」
「アッシュもどうですか、楽しいですよ」
「黙れ」
「べぶしっ!」
ディストはその場に倒れこむ。少女に助けを求めようとすれば、少年に止められた。
「こんな奴と一緒に居るな」
少年は少女を引っ張り、部屋から出ていった。少女は特に抵抗せず、されるがままに着いてゆく。
少女とディストは仲が良かった。歳の差は親子ほどあるが、何故だか対等に喋ったり、遊んだりできる。いつも、暇な時間ができると、使わなくなった書類で紙飛行機を作っていた。
少年はそれが気に食わなかった。自分が働いている間に、自分の部下が勝手に遊んでいるなど。
少年は少女を引っ張ったまま、教会の外に出た。少女は仕事時間なのでとそれを拒むが、無理矢理手を引かれた。外では市民達が楽しげに歩いており、店も盛況だ。
「あの、まだ仕事が」
「少し待て」
少年が店に走っていったかと思えば、すぐに戻ってきた。何かを買ったようだ。紙袋を少女に手渡し、開けさせる。中には、リボンが入っていた。
「これは?」
「お前の髪は邪魔だ。魔物と戦うのなら、つけていろ」
それだけ言うと、少年は走り去った。途方に暮れる少女。
少年が自分にプレゼントをくれるなんて。少女は、どうしても信じられなくて、頬をつねってみた。痛い。
一体どういう風の吹き回しだろう。少女は考えたが、答えに辿り着けない。
きっと、よほど髪が気になったのだ。そうに違いない。
少女は脳内で話を完結させて、走って部屋に戻った。鏡を見ながら、リボンを結ぶ。我ながら似合っている。それはもう、とっても。
鏡に映った少女の顔は、びっくりするくらい緩んでいた。