ヒロインの名前
戦国恋戦譚・起ノ章
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→名乗る
「私は、伊勢 燐 と言います。」
名乗らないのも失礼なので、名乗ると、
その男の人はまた驚いた顔をした。
謙信
「伊勢...、ですか。」
その顔はどこか寂しそうに見えた。
「あの、ここの領地を治めてるって...。」
上杉謙信と名乗っていたけれど、
歴史にあまり詳しくない私でもなんとなく
聞いたことはある名前。
同姓同名なのだろうか。
にしては着物を着ているから、役者?
謙信
「えぇ...、本当はここで偽名を名乗るべき
なのでしょうが、どうにもその手のことは
得意ではなくて......。バレたら景家に
怒られるかもしれないなぁ。」
困ったように笑う上杉さんに、
この人なら相談に乗ってくれるかも
しれないと、思った。
「あっあの......、私、迷子なんです。」
いきなりおかしいかもしれないけれど、
帰り道がわからないのは事実。
せめて手掛かりでもわかればいいんだけど。
「迷子......、それは大変ですね。
私でよければ、力になりましょう。
それで誰か一緒にはいないのですか?
珍しい格好をしていますから.......、
仏教徒ではないのでしょうが........。」
考え出す上杉さんの言葉に私は聞き返した。
「珍しい格好......?
もしかして、スーツのことですか?」
「すぅつとはなんですか?」
スーツを知らないなんて、そんな人
いるのだろうか。
「えっと、私の着ているものです。」
謙信
「なるほど......、その着物がすぅつと
言うのですね。」
「着物......?」
謙信「もしかして噂の南蛮から来たのですか?
それでしたら情報はすぐに回ってくるはずですが......。」
南蛮......?
どういうことだろう、
さっきからスーツのことを着物だと言ったり、
まるで時代劇にでもタイムスリップしてしまったみたいだ。
いや、もしかして。
「あの、今って何年ですか?」
謙信
「弘治三年ですが...、貴方はおかしなことを聞くのですね。」
弘治......?聞いたことのない元号に冷や汗が止まらなくなる。
謙信
「大丈夫ですか?
随分と顔色が悪いですが......。」
「あっあの、車とか電車や飛行機ってありますか!」
タイムスリップしただなんて、
そんなわけがないと思いながら、
私はさらに質問を続ける。
謙信
「くるまにでんしゃにひこうき......?
聞いた事もないですね......。」
そう言われた瞬間、
膝から力が抜けていくのがわかった。
謙信
「どうしました!?」
私に駆け寄ってくれる上杉さん。
私は勝手に震える喉を抑えながら、
上杉さんに話した。
「私は...未来から来たんだと......思います。」
謙信
「未来......?」
そう言う上杉さんの顔を私は見れなかった。
「今からたぶんかなり遠い時代だと思います。
貴方が私の知ってる上杉謙信さんだとするなら、私はかなり遠い時代の人間になります......。」
謙信
「遠い時代の人間......!?」
驚きの声をあげる上杉さん。
きっと信じれないだろうなぁ........。
私ですら信じたくない......。
謙信
「信じ難いですが......、
貴方は嘘をついていないのでしょう?」
そう優しい声で上杉さんは言った。
「信じてくれるんですか......!?」
謙信
「はい、
偽りでないのなら、私は貴方を信じます。」
優しく笑いかけてくれる顔に安心しそうになる。
謙信
「それに貴方がここにいることに心当たりがあるのです。」
「心当たり?」
私がここにいることに?
謙信
「城まで来てもらわないとなりませんが、
いいですか?」
私に確認をとってくれる上杉さんの
優しさを感じながら、私は頷いた。
そして上杉さんのお城に向かったのだった。
「私は、伊勢 燐 と言います。」
名乗らないのも失礼なので、名乗ると、
その男の人はまた驚いた顔をした。
謙信
「伊勢...、ですか。」
その顔はどこか寂しそうに見えた。
「あの、ここの領地を治めてるって...。」
上杉謙信と名乗っていたけれど、
歴史にあまり詳しくない私でもなんとなく
聞いたことはある名前。
同姓同名なのだろうか。
にしては着物を着ているから、役者?
謙信
「えぇ...、本当はここで偽名を名乗るべき
なのでしょうが、どうにもその手のことは
得意ではなくて......。バレたら景家に
怒られるかもしれないなぁ。」
困ったように笑う上杉さんに、
この人なら相談に乗ってくれるかも
しれないと、思った。
「あっあの......、私、迷子なんです。」
いきなりおかしいかもしれないけれど、
帰り道がわからないのは事実。
せめて手掛かりでもわかればいいんだけど。
「迷子......、それは大変ですね。
私でよければ、力になりましょう。
それで誰か一緒にはいないのですか?
珍しい格好をしていますから.......、
仏教徒ではないのでしょうが........。」
考え出す上杉さんの言葉に私は聞き返した。
「珍しい格好......?
もしかして、スーツのことですか?」
「すぅつとはなんですか?」
スーツを知らないなんて、そんな人
いるのだろうか。
「えっと、私の着ているものです。」
謙信
「なるほど......、その着物がすぅつと
言うのですね。」
「着物......?」
謙信「もしかして噂の南蛮から来たのですか?
それでしたら情報はすぐに回ってくるはずですが......。」
南蛮......?
どういうことだろう、
さっきからスーツのことを着物だと言ったり、
まるで時代劇にでもタイムスリップしてしまったみたいだ。
いや、もしかして。
「あの、今って何年ですか?」
謙信
「弘治三年ですが...、貴方はおかしなことを聞くのですね。」
弘治......?聞いたことのない元号に冷や汗が止まらなくなる。
謙信
「大丈夫ですか?
随分と顔色が悪いですが......。」
「あっあの、車とか電車や飛行機ってありますか!」
タイムスリップしただなんて、
そんなわけがないと思いながら、
私はさらに質問を続ける。
謙信
「くるまにでんしゃにひこうき......?
聞いた事もないですね......。」
そう言われた瞬間、
膝から力が抜けていくのがわかった。
謙信
「どうしました!?」
私に駆け寄ってくれる上杉さん。
私は勝手に震える喉を抑えながら、
上杉さんに話した。
「私は...未来から来たんだと......思います。」
謙信
「未来......?」
そう言う上杉さんの顔を私は見れなかった。
「今からたぶんかなり遠い時代だと思います。
貴方が私の知ってる上杉謙信さんだとするなら、私はかなり遠い時代の人間になります......。」
謙信
「遠い時代の人間......!?」
驚きの声をあげる上杉さん。
きっと信じれないだろうなぁ........。
私ですら信じたくない......。
謙信
「信じ難いですが......、
貴方は嘘をついていないのでしょう?」
そう優しい声で上杉さんは言った。
「信じてくれるんですか......!?」
謙信
「はい、
偽りでないのなら、私は貴方を信じます。」
優しく笑いかけてくれる顔に安心しそうになる。
謙信
「それに貴方がここにいることに心当たりがあるのです。」
「心当たり?」
私がここにいることに?
謙信
「城まで来てもらわないとなりませんが、
いいですか?」
私に確認をとってくれる上杉さんの
優しさを感じながら、私は頷いた。
そして上杉さんのお城に向かったのだった。