【クレ海】R-18





『教育』




後ろ手をきつく縛る縄がギチギチと手首に食い込む。
胸は中心を避けて乳房だけをやわやわとなぞられ、熱の湧く中心に触れるかと思えばふとももの付け根を爪先でくすぐられる。
股の奥に詰められた小さなプラスチックの塊は、稼働することもないまま海に異物感のみを与えていた。
快楽などない。

クレフは、キスすらくれない。
全身が疼いてつらい。

「もう…無理……変……になる……っ」
この一時間。肝心な場所は一箇所として触ってもらえていない。
爪の先がそっとなぞる程度の曖昧な刺激が、海の体と精神を追いつめていた。

腟口から垂れる細い紐が足に触れてくすぐったい。
クレフが紐を引き抜くと、コロンと無機質な物体が滑り出た。
「ひっ…ん…」
今日唯一と言っていい性感帯への直接的な刺激。情けない悲鳴が漏れる。
けれど海はクレフを恨みがましく睨むようなことはせず、眉尻を下げ涙を流して懇願した。
「クレ…ふ…許……してっ…も…こんなことしないからぁ…」
身もだえをすれば椅子がギシギシときしむ。すがるようにクレフを見上げると、彼は温度の無い瞳で海を見下ろした。

「信じられると思うか? 夫の留守中にこんなつまらないものを挿れて悦ぶ妻のことなど」
「…ぅ、だって…それはあなたが……」
「私が、なんだ」
「私…寂しくて……」
「この期に及んで言い訳か?」
「違…っ、ごめんなさい…ねえ、お願い。ちゃんと触ってよ! 体がおかしくなりそう!」

クレフは不機嫌そうに鼻を鳴らすと、濡れそぼるプラスチックの物体を海の口内にねじこんだ。
「んっぅ…!…?」
プラスチックと自分の愛液の味。ただ、不快。
海は顔をしかめた。

先ほどとは性質の違う涙がどうしようもなくあふれ出し、えずきそうになるのをどうにか堪える。
口内でカロカロと転がるそれを吐き出しでもしようものならクレフはきっとさらにひどいことをしてくるに違いないだろう。

「本当に反省しているか?」
「ひてぅ……ひてまふ……」
喋ればプラスチックが歯にあたりカチっと音が立つ。
溢れる唾液に海がせこむと、クレフは紐を引いて口内からそれを取り出した。

先程海に聞いた方法でスイッチを入れる。
「異世界の人間は、ひどく低俗な物を作るのだな」
ブイイという振動音が海の耳元を攻めた。
「ひ…っ…も…ゆるして…二度と…こん、なこと…しないから…お願い…っ」
「こんなこととは?」
尋ねながら、クレフは唾液にまみれたローターを乳輪のまわりにくるくると這わせた。

「はぁ…、ん…!!や…っあ…あ、だめ…っ♡ 」
海が喘ぐ。クレフは舌を打った。
こんな玩具ごときで甘く声を上げる妻が腹立たしい。
けれど悶える姿は無様で、そして美しかった。
「それではわからん。ちゃんと言ってみろ」

「ん…あ、っあっ…あ、っなたの…」

「…る、留守、中に…っ…ぃ…」

「そ、それを使って…、ひ、一人で…っ…してた、こと…」

海がどうにか言い終えると、クレフは熱を含んだ視線で海を見た。
目が合う。より一層の羞恥が襲うが顔を隠そうにも両手はつかえない。
そうでなくても顎をつかまれ強制的に視線を持っていかれる。
こうなったクレフを前にしては、目をそらすことなど許されない。

「クレフ……おねがい……」
「お願いと言われてもな」
ローターをそこらに打ち捨て、海の顎を掴んだままクレフが冷ややかに言った。


「してほしいの…こんなに焦らされて…体がつらいのよ…」
「具体性に欠ける」
「え…?」
熱のこもったクレフの瞳の色。海は疑問符を投げながらも彼が自分に最大の羞恥と服従を求めていることを察した。

細長い指が胸に向かう。
やはり中心を避け、乳輪の周りをゆるく触れながら「どうしてほしい」とクレフは尋ねた。

「あ…あの……そこ……」

熱くて、冷たい視線。
下手に半端なことを言ったところできっと彼は許してはくれない。
覚悟を示すように、海の喉がこくりと鳴った。

「むね…、ちゃんと触って……舐め…て、…」

クレフは一変、にこりと笑みを見せると海の胸元へ顔を近づけた。
いつになく従順な妻を愛したいというのは、彼の本能的な欲求でもあった。

クレフの舌が伸び、海の願った場所へと近づいていく。
先端に息が触れ、舌が到達するまでの距離、そして空気までもが海にとっては性感帯となり果てていた。

「クレフッ…早く…ぅ… んんっ!、!?…」

待ち焦がれた刺激。
舌が触れ、唇がちゅうと吸い上げると海の体はビクビクッビクッと何度も小刻みに跳ねた。

「あ…っ? 嘘……っやだ……わた、し…イ…っ」
「淫乱」
クレフが呟く。
「勝手に達するなと言っているだろう」
「は…、だって、……いっぱい焦らされたから…、感じすぎて……」
「また言い訳か?」
「あ、違っ…の…ごめ、んなさ…痛ぁあい!」

遠慮はない。
先端をぎゅうと本気でつままれ、海は大きな悲鳴を上げた。
「…いやっ…! 痛、…痛…ぁっ…!」
椅子が倒れそうなほど大きくのけ反り、白い喉元がさらされる。
「や…クレフ…! 痛いのイヤ! さっきの…さっきのが、いい…のっ!」
クレフは海の先端をすりつぶすようにつまみあげながら「さっきのとは?」と楽しそうに尋ねた。

「…痛…ぃ……もっと、やさしく…っさっきみたいに…っ…ちゅっちゅって…甘く吸ってほし…」
「ウミはおねだりが上手だな」
クレフがにんまりと笑む。
背をのけぞらせ、動けない体なりに胸を主張する海の姿。

せり出した胸の先に唇を当てながらクレフは楽しそうに言った。
「恥ずかしくないのか? そのような痴態を晒して」
「……! 嫌…ひどい…!…そんなこと言わないで…!」
言葉の酷さに反して、唇から与えられる刺激は甘く優しい。
「ひゃんっ…あ、っ、ァ…だめだめっ、また胸でイっちゃ…っ、やぁんっ…! イくっ…イっ……」
「ウミ、勝手にイくなと言っている」
快楽を引き出すように、力を抜いた舌で甘く擦ったかと思えば、じゅるっと大袈裟な音を立てながら先端を吸い続ける。
「ごめ…なさ…っやっ…だ…胸…っ もういい…イったから…やめ…っやめて…っや……め…っ♡♡♡…!」

海がもうこれ以上は達せないというところまで泣いたところで、クレフは海を寝台に運んだ。
ぐったりとうなだれる海の体を支え、シーツの上に向かい合いに座る。

手首の拘束を解かれないのは、まだクレフが満足していないからだと海は理解していた。
この姿勢では大きな体にもたれて媚びるように首筋に擦り寄ることしかできない。

「クレフ…抱いて……抱いてください…お願い…」

口づけを避けられたことに海は少し傷つき、後ろ手に縛られた腕では抱き返すことも叶わず、涙声で鼻を湿らせた。
腰を引き寄せられ、足に触れる。クレフのあぐらの中、暗がりでもわかるほどに怒張したそれに。

「クレフの…これ、舐めたい…舐めてもいい?」
手が使えないのでバランスをくずしそうになりながら、海はかがむように体を折り曲げ、クレフの股座へ顔を近づけた。

少し苦手で普段はあまりしない行為。
求められれば応えるものの、海が自ら行うことはなかった。

唇からチュウとかわいらしい音が立つ。
しばらく鈴口をチロチロと舐め、それから唇でぱくりと包み込む。カリ首をふくむだけで小さな口はいっぱいになる。

怯え、恐怖、許しを乞う気持ち。
それ以上に、クレフを善くしたいという想いで海は舌先を滑らせた。

いずれ含んでいるのが苦しくなり、一度唇を離す。
今度は、根元のほうから舌を這わせて何度も何度も舐め上げる。
とがらせた舌でつつき、時折力を抜いて柔く。
舌を左右に揺らしながら裏筋を塗らせばクレフの口から小さな吐息が漏れ始めたので、何度でもそうした。

「くぇふ…こぇ…なか…に…ほしい…」
再びパクリと口に含む。

はやくいれて。
クレフだって、いれたいんでしょう?
だから、はやく。

そんなことを思うとつい腰が揺れる。

もう十分すぎるほど濡れている。
今すぐ入れてほしい。

半分ほどを口に含み挿入のストロークを思い出させるように顔を動かせば、唾液と先走りによってズチュズチュと卑猥に滑る。

顎が限界で、これ以上は苦しい。
けれど、あんなに意地の悪いことをしてきた男のものが、口の中でビクビクと震える様子が愛おしくて仕方ない。
彼の手が余裕なげに髪をつかめば、海はそれが嬉しくなって余計に濃く舌を絡ませた。

「くれふ……はやく…欲し……」
クレフが意地悪そうに首を傾げた。
言葉が足りないと、表情が告げている。

「ん、もう…」
少しの憤り。もうとっくに限界を通り越している。
四の五のは言っていられない。

海はシーツの上に両膝をつき、下着を見せつけるように腰を突き出した。
「…ぬ…脱がせてよ…」
クレフは海の下着にそっと手を伸ばし、海の体をあらわにした。

「この中…に…クレフの…――― 入れて、…」

指で広げたそこから、零れ落ちそうなほどの愛液が垂れ、トロリと糸を引いた。

これだけ濡らしてよく耐えたな。と、クレフが楽しそうに言うので、海は「いいから早く」と言って、クレフの上にまたがった。
またバランス崩しかけたので、クレフが海の腰をそっと支えた。

「あ…♡…ん…っ♡」
天を向いたクレフの熱に秘部がクチュッと触れる。
ゆっくりと少しづつ触れ、互いの粘液を入口だけで絡め合う。
クレフがときおり腰を揺らせば海の肉はパクパクとひくついて挿入を求めた。
このまま一気に腰を落としたらすぐに達してしまうかもしれない。

(あ、許可…)
また、叱られちゃう。
海は挿入の寸前で腰を止めた。

「ねぇ…いれたら…私…すぐイっちゃうと思うの…」
「ああ」
「いれ…た後…っいっぱい……イッてもいい?」
「ああ」
「ね、えっちな私でも…嫌いにならないで…っ
 ―――?!…???」

今日一番の深い絶頂。もはや声も出ない。
「………っ……―♡♡♡??!」

ズンっと強い圧迫に内壁がうねり、侵入した竿をぎゅうぎゅうと包み込んだ。
あまりの刺激。クレフは顔をしかめ、主導権を取り戻すべく何度も海を下から突き上げた。

「は…っあ…ん…♡ ク……だめ…っなか…っイッて…♡ …るぅ…♡」
海の体がびくんと魚のように跳ねる。達した表情と仕草がかわいらしくて、クレフは耐えがたい興奮の中、海の姿を見つめた。

「クレフがいっぱい焦らしたから……全然足りない…っの…もっと……」
「言ったな?」
クレフの唇の端があがる。ぞくぞくとせり上がる快感のすべてを、海の中にぶつけてやりたいと思う。

激しく揺さぶったかと思えば腰の動きを止め、重力のままグイグイと押し付ける。

「あっ…あっそんな、っ奥…おぐ…♡やぁっ…!…っ…」
海は背をのけぞらせて叫んだ。

海の絶頂につられ、欲を吐き出したくなるがどうにか耐え、そのまま海の膣内を攻めたてる。

「あ…っだめ……! 待っ……くれ…ふ…イキすぎ…てっ…変…いったん、止まっ…」

そんな言葉をクレフが聞くはずもない。
ぱちゅんぱちゅんっと濡れた音が響く度に、海の体は痙攣のように震えた。

少し異常な体の震え方に、クレフはどうにか残った理性で心配の言葉をかける。
「あ…っ♡♡♡ だって…きもち…すぎ…♡あそこ…っビクビク…とまらな…っ…」

「は…っ、やぁ…♡ クレフっ…ク、レフ… だめっそこ…イキすぎて…おかしくなってる…♡ も、しんじゃうぅ…!」

クレフも限界が近かった。すがるように海の背をかき抱き、入り口から最奥までを余すことなく入念に擦り上げる。

太く腫れた熱の棒が海の内壁と絡み合い、もはや一つの体となろうとしていた。

「そこ…らめ…っ…! っ浅いの…も…深いの…らめ…っ♡ 変なイキ方してぅ…や…やぁ…あっ…♡♡♡ 」

海がぜえぜえと息を乱しながら「抱きしめたい」と言うので、手首の拘束を解いてやった。
海はクレフの背に手を回し、ぎゅうとしがみついた。
抱擁すら快楽につながる。

今日初めての口づけを交わすと海の膣は一層締まり、クレフの先端からもタラタラと液体が零れかけた。

「ウミ、締めすぎだ。もうもたない」
「あ…、うん…っ出して…っ♡ クレフの…せーし…♡ いっぱい♡ほし…い…の…♡おねがい…っ♡ 赤ちゃんできちゃうくらい…っ奥に…ビュービューって…たくさん…♡出して……?」

クレフの精液が最奥に注がれる。
海は幸せそうにやんわりと微笑み、与えられた口づけを何度も何度も甘く吸った。


end

(また、叱られちゃう。)ってなるくらいクレさんにほだされてる海ちゃんかわいいよ🤤

「猫のお散歩」もよろしくお願いします✨🐱🔞💜💙
海ちゃんがこれの5倍くらいこっぴどくいじめられるお話です💜💙
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