好きになっちゃう!(完結)

【予告】


好奇心とは、かくも残酷なものか。
仰向けに寝そべり、ほとんど身を隠すもののなくなった体をさらしながら、クレフは耐えていた。

耐えているもの。主には羞恥だったり自制だったりするわけだけれど、先程からムクムクとせり上がる本能を、彼はすっかり持て余している。
海が足元のほうへもぐり、腰に巻かれた下着を興味ぶかそうに眺めてはめくろうとするので、クレフはいよいよ歯をくいしばった。



成り行き。惰性。言い訳。
二人でこうして夜を過ごすことも慣習となってきていた。
めでたく二十歳を迎えた海とこうして酒を飲んでいるわけだけど、手を触れることも、海がクレフの肩へ頭をあずけたりするようなこともなく、二人は淡々と酒を飲み進める。
集合、即、寝室へというのもさすがに味気ない。
だから、行為の前のワンクッション。それがこの二人の酒の席だった。

空になった海のグラスにクレフが酒を注ぐ。それをクイと一口であおると、海は先程の言葉を口にした。
「ん?」とクレフが聞き返すと、海はグラスをローテーブルの上にとんと起き「今日は私が上ね」と言って、ほんにゃりと砕けた笑顔を見せた。


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