_5.


恐る恐るドアを開けてみると、そこに居たのは、


獄「あ？何だよ、お前か」


やや乱暴な言葉遣いをする少年は、獄寺という男だ。

分かっている限りの獄寺の特徴は、『10代目』と呼んでいる少年に絶対的な信頼を寄せている事と、ダイナマイトを持ち歩いている所だろうか。

現世では、校舎を穴だらけにして風紀委員会メンバーに追いかけられている姿を、よく目撃する。

あとは『10代目』らしい沢田くんを追いかけ回している所とか。


獄「10代目を見なかったか？」


いきなりですね、はい。


_「見てないけど、山本くんなら会ったよ」

獄「アイツまた迷子かよ。で、どうした？同行したんだろ」

_「や、山本くんは...」


開かないドアに刺さっていた折れた竹刀を思い出すと泣きそうになってしまい、両手で顔を覆う。


獄「お、おい、泣くなよ」


そうして獄寺は舌を打って、＊＊＊の頭をポンと叩く。


獄「どうせ、どっかで生きてるだろ。心配いらねえよ。アイツだって柔じゃねぇんだ」

_「...うん」

獄「にしても、この部屋は何なんだ。俺のダイナマイトでも傷１つつかねぇし」

_「目立つものが無いなら先に」


キィー、キィー！
突如として真っ黒な生き物が大量に出現した。

天井に、ぶら下がっているのを見る限りコウモリの様だ。


獄「早くッ、先に行くぞ！」




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