襲撃

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_「委員長が戻ってこない?」


家を訪れた風紀委員会メンバーが告げた言葉に、***が驚きの表情をした。


委「押忍、昨日の放課後に黒曜に行ってくると言って出て行ったきり、まだ帰ってきません。連絡も取れず、オレたちだけではどうしたら良いのか」

_「少し待って、着替えてくる」

委「…押忍!」


雲雀さんとの約束は破ってしまうが、今の風紀委員の中に黒曜の奴らに敵うメンバーは他には居ないだろう。

学ランに腕を通して、腕章をつける。

武器を上着の下に装着して、鏡を見る。


_「よし、」


家の外に出て、メンバーと並盛中の前まで来る。


_「お前たちは校内で待機。間違っても乗り込もうとはしないこと」

委「押忍!お気をつけて!!」


***は、黒曜ランドに向かう。

誰かしらに出会うかと思ったが、廃墟の敷地内では人には会わなかった。

問題のヘルシーセンター内に侵入する。


建物の殆どはコンクリート剥き出しの柱が立っているのが見えるぐらいの吹き抜けで、天井も高いためバトル向きのフィールドではある。

すると凄まじい勢いで何かが向かってくるのが見えた。

蔦だ、おそらく植物の。

走りながら柱を利用して撒こうとするが、ソレは柱の周りを曲がって執拗に追いかけてくる。

飛び上がって柱を蹴りながら、素早く柱から柱へと移動する。真横、真上と縦横無尽に飛び移る。

目前に蔦が現れると、武器を取り出して、振り回して弾く。





骸「なかなか良い動きをしますね」




四方を蔦に囲まれれば、地面を蹴って天井へと避けた。天井を蹴って避けて着地すれば、また柱へと飛び移る。

蔦の数は増えるばかりだ。

今にフロアが埋め尽くされてしまいそうだが、階段を見つけて上階へと登る。

さすがに追いかけてこなかった。


ガガガッ..
針が降ってきた。

後方へ飛んで躱す。


_「メガネの奴か」


先日の襲撃で会った、ヨーヨー使い。

間合いの外から攻撃してくる所を見ると、ヨーヨーを打ち返されないか警戒している様だ。

柱を利用しながら針を避ける。

また柱に飛び移って距離を取り、相手の真横から飛び込む。

不意を打てた様で、接棍を食らって相手は膝をついた。


_「委員長は、どこ?」

千「…骸様が知ってる」

_「骸?ソイツは、どこにいる」

千「…上の階、」


そう言って奥の階段を指差す。

***は急いで階段を駆け上がる。


そこも同じ様な吹き抜けのフロア、
いや、その片隅にソファの置かれた一角があった。

ソファに座る人物が骸なのだろうか。

***は、歩いて相手の前に立つ。


骸「おや、なんと可愛らしい王子様ですね」


背丈が低い故の皮肉だろう。


_「ウチの委員長は、どこ?」

骸「雲雀恭弥ですか?」

_「そう、昨日ここに来たはず」

骸「えぇ、来ましたね」


相手は余裕の笑みを浮かべている。


骸「彼は、とても凶暴だ。だから閉じ込めてあります」

_「どこに?」

骸「素直に教えると思いますか」


***は接棍を構える。


骸「おやおや、貴方もせっかちですね」

_「委員長は返してもらう」

骸「…ボクの仲間になりませんか?」


_「……は?」


突然の勧誘に声が出てしまった。


_「なると思うの?」

骸「ボクの攻撃を避け続ける素材など、なかなか居ませんから。是非、欲しいです」

_「…断る」

骸「非常に残念ですね、ならば力ずくで得ましょう」


骸は立ち上がりながら槍を取り出す。

目で追えるが、異常な素早さで骸が攻撃してきた。

その殴打を接棍で流す内、あることに気づいて***は距離を取った。


攻撃数が合わない。

相手は1人、どんなに素早くとも長い槍では攻撃数は自ずと決まってくる。


骸「おや、なかなか鋭いですね」

_「幻術?」

骸「ご名答、有幻覚と言います」


実態を伴った幻覚、骸の複数の攻撃は自身では裁ききれない。

それでも引く訳にはいかずに応戦するも、


ガッ..


_「ぐッ!!」



地面に顔から押し付けられた。

背中に感じる重力、踏みつけられている。


骸「彼ほどでは無いですが、やはり強いですね。ランク上位ではある…おや?」


骸が何かに気づいて、手で髪を掻き上げてくる。


骸「君、女の子です?」

_「だったら、なに」

骸「ボクは、女性に対してこんな仕打ちをしたい訳ではありません。でもキミは攻撃してきますよね」

_「当たり前だ」


グイッと片腕で抱えられる、

両手は、いつの間にか縛られていた。


_「離せッ」


足を振ってジタバタするも、体重が軽いせいもあってか大して気にしていない骸は上機嫌そうに見える。

ドサッ..ソファに放られる。


_「…、」


ムスッとする***と向かい合う様に座った骸が、手を伸ばして頬を撫でてくる。

ゾワッとして嫌悪な表情を浮かばせると、面白そうに笑った。


骸「益々、欲しい。君は強い」


彼の目がオッドアイなことに初めて気づく。

赤い目が酷く、嫌に思えた。





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