Sleeping Beauty

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君の名前は?

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それから20分程でディーノとロマーリオがやってきた。
多量の紙を抱えて。

どうやら通話は風紀財団のアジトに向かいながら、していたらしい。


草「失礼します」


草壁が淹れた珈琲に口をつけて、ようやく雲雀は寒さから解放された気がした。


雲「で、***の状態、あれは何?」

D「結果を先に言うとな、仮死状態の様なものだ。ちゃんと生きてるぜ、恭弥」


紙の束の中から一つを取ってディーノは雲雀に渡した。

それは、***の家系図みたいな物だったのだが…


雲「…、何これ…」


思わず雲雀がディーノを見る。


D「***の家系では女性が必ず25で亡くなっている。例外もある様だが」

雲「でも***は仮死状態なんでしょ?」

D「そうだ。実際に仮死状態になった***の親戚の様子を見てきたが、何十年も眠ったきりの状態だった」


ディーノは目前の資料を手に取り、


D「どうやら眠ってしまうと二度と目を覚ますことはなく、そのまま死に至るから《死亡》と書かれているんだろう」

雲「それじゃ…***も…?」

D「言っただろ、例外もあるって」


雲雀の目に僅か光が宿る。

それを見てディーノも安心した。
だが、少し顔を顰める。


D「方法は無くもないんだが…」


モゴモゴと口含みなディーノに雲雀が痺れを切らす。


雲「知ってるならハッキリ言って」


D「そうだな、誤魔化せることではないか。

怒るなよ? その、な」


雲雀はディーノの言葉を待つ。

ディーノは深い溜め息を吐いてから意を決して雲雀を見た。


D「目が覚めた女性は皆、子供を身籠っていたんだ。他の例でも妊娠していたから回避できたって話だ。だから、つまり***も妊娠すれば目覚める可能性が高いってことだ」


ガチャンっ、
テーブルの上のカップが音を立てて揺れた。

雲雀がテーブルに拳を叩きつけたせいだ。


雲「つまりは何、意識のない***を抱けって言ってるの?」


やや怒気を含んだ声。

それに怯むディーノではない。


D「***の叔母は眠り続けているが、推定年齢は30代だ。眠っていると老化が極端に遅れるらしい。うかうかしてると恭弥、お前だけ歳を食っちまうぞ」

雲「帰って」

D「恭弥!」

雲「分かってる…今は一人にして」

D「資料は置いていくから読みながら決めると良い」


ディーノは、ドアを閉めながら


D「皆、お前と***のこと心配してる、忘れるなよ」


ドアの向こうに彼らは消えた。


雲「…心中なんてしないよ」


呟いてはテーブルの上の資料を読み漁った。
そしてソファに沈み込む。

どうやら解決の方法は本当に、ディーノが言っていた妊娠以外に無いようだった。





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