姉弟暮らし(更新中
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中学生の時、不登校から引きこもりになった。
高校は通学せず、通信制のものを卒業した。
それ以来、相変わらず自室に引きこもっている。
そんな私が今年、大学生となった。
それは私のために尽力してくれた弟の存在があった。
_「(こんな風に外に出るのも久しぶりだな)」
大学の入学式を終えて、***は校門前で立ち止まり学び舎を振り返る。
「姉さん」
名を呼ばれて其方を振り返れば、そこには弟の姿。
細身のスーツをビシッと着こなす、黒髪の青年。
_「恭弥」
初めてウチに来た時は、あどけなかった子供が、今は背丈も同じくらいになって私に並ぶ。
雲「さっさと帰ろう、人が多くて嫌になる」
堅苦しい服のネクタイを外しながら、怪訝な表情。
_「そうだね、私も久しぶりの外出で疲れちゃった」
私たちが帰るのは大学の寮だ。
私が引きこもりになった、あの窮屈な家では無い。
それだけで安堵する。
雲「今夜はお祝いだし寿司にしようか」
_「ふふ、いいね。なんだか恭弥、嬉しそう」
雲「姉さんと同じ学校に通えるからね、嬉しくもなる」
もし私が引きこもりじゃなかったら、叶わなかった夢。
恭弥は親からの学費と共に、返済不要の奨学金まで獲得し、晴れて一緒に大学に通えることになったのだ。
『お姉ちゃんは、恭弥はずっと中学生のままでいると思ってたから、話を聞いた時はビックリしたよ』
ある日、突然「姉さん、大学に行こう」なんて言い出して勉強し出した時は、驚きすぎて恭弥に熱が出てないか疑ったものだ。
私は勉強は嫌いじゃなかったし、恭弥も通信制の高校は通過してたから、大学受験は、そう難しいものではなかった。
面接は凄く緊張したけど、「問題ないと思うよ」と黒く笑う恭弥の言葉に首を傾げたものだ。
そして恭弥の言葉通り、二人揃って大学に合格した。
_「ふぅ、疲れたぁ」
雲「姉さんは座ってて。お茶淹れる」
手早くスーツから着替えた恭弥が、電気ケトル片手に言った。
ここの寮は基本的に自炊だが、予約すれば夕食のみ利用できる。
朝と昼は自分で用意するか、周辺のカフェに行く。
大学寮の周辺にあるカフェは、学生サービスや割引を精力的に展開しているので学生には大助かりだ。
美味しそうなスイーツもあったし、今度カフェに寄ってみようと考えていると、ローテーブルにトレーを置きながら恭弥が隣に座る。
雲「なに考えてるの?嬉しそうだけど」
_「あ、うん。この辺りってカフェ多いなぁって」
雲「姉さん、甘いもの好きだもんね。ちゃんと僕も連れて行ってね」
_「分かってるよ」
恭弥がホットココアの入ったマグを二つ、置いた。
→
中学生の時、不登校から引きこもりになった。
高校は通学せず、通信制のものを卒業した。
それ以来、相変わらず自室に引きこもっている。
そんな私が今年、大学生となった。
それは私のために尽力してくれた弟の存在があった。
_「(こんな風に外に出るのも久しぶりだな)」
大学の入学式を終えて、***は校門前で立ち止まり学び舎を振り返る。
「姉さん」
名を呼ばれて其方を振り返れば、そこには弟の姿。
細身のスーツをビシッと着こなす、黒髪の青年。
_「恭弥」
初めてウチに来た時は、あどけなかった子供が、今は背丈も同じくらいになって私に並ぶ。
雲「さっさと帰ろう、人が多くて嫌になる」
堅苦しい服のネクタイを外しながら、怪訝な表情。
_「そうだね、私も久しぶりの外出で疲れちゃった」
私たちが帰るのは大学の寮だ。
私が引きこもりになった、あの窮屈な家では無い。
それだけで安堵する。
雲「今夜はお祝いだし寿司にしようか」
_「ふふ、いいね。なんだか恭弥、嬉しそう」
雲「姉さんと同じ学校に通えるからね、嬉しくもなる」
もし私が引きこもりじゃなかったら、叶わなかった夢。
恭弥は親からの学費と共に、返済不要の奨学金まで獲得し、晴れて一緒に大学に通えることになったのだ。
『お姉ちゃんは、恭弥はずっと中学生のままでいると思ってたから、話を聞いた時はビックリしたよ』
ある日、突然「姉さん、大学に行こう」なんて言い出して勉強し出した時は、驚きすぎて恭弥に熱が出てないか疑ったものだ。
私は勉強は嫌いじゃなかったし、恭弥も通信制の高校は通過してたから、大学受験は、そう難しいものではなかった。
面接は凄く緊張したけど、「問題ないと思うよ」と黒く笑う恭弥の言葉に首を傾げたものだ。
そして恭弥の言葉通り、二人揃って大学に合格した。
_「ふぅ、疲れたぁ」
雲「姉さんは座ってて。お茶淹れる」
手早くスーツから着替えた恭弥が、電気ケトル片手に言った。
ここの寮は基本的に自炊だが、予約すれば夕食のみ利用できる。
朝と昼は自分で用意するか、周辺のカフェに行く。
大学寮の周辺にあるカフェは、学生サービスや割引を精力的に展開しているので学生には大助かりだ。
美味しそうなスイーツもあったし、今度カフェに寄ってみようと考えていると、ローテーブルにトレーを置きながら恭弥が隣に座る。
雲「なに考えてるの?嬉しそうだけど」
_「あ、うん。この辺りってカフェ多いなぁって」
雲「姉さん、甘いもの好きだもんね。ちゃんと僕も連れて行ってね」
_「分かってるよ」
恭弥がホットココアの入ったマグを二つ、置いた。
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