怪異-異世界-
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業火に包まれた日本邸、
雲「***!!」
どの部屋に居るのか、見つからない彼女に焦りが募る。
あちこちに火が回っていて、タイムリミットが迫っていることを悟る。
雲「! 見つけた、こんな所に」
白いワンピースを身につけた***は、ゆっくり振り返った。
その手を取って走り出す。
今にも崩れ落ちてきそうな炎に包まれた建物から脱出する為に。
崩れ落ちた通路を避けて、ようやく玄関ホールに着いて希望が見えた。
スルッと***の手が、雲雀の手を離れる。
雲「何してるんだ、早く出ないと!」
_「…私、いけない」
涙を讃えるその瞳が、全身が、うっすらと向こう側の景色を透かして映し出す。
_「ごめんなさい」
雲「何を言ってるの、ほらもう出口だよ」
震える声を何とか正しながら、雲雀が手を伸ばす。
ーーー生きて。
ドンっと何かに押されて、まるで流されるように屋敷の外へと追い出される。
振り返った雲雀の目に、崩れていく屋敷の中で笑っている幽霊の***が見えた。
雲「嘘だ!!」
雲雀がソファから飛び起きるのを見て、***が驚きで跳ねた。
_「おはようございます…?」
何が起きたのか分からない***は、目を丸くして雲雀を見る。
雲「…、夢?」
_「だと思いますけど」
雲「はぁ、心臓に悪い」
_「それは、こっちのセリフですよー。すごくビックリしたんですから」
雲「…キミのせいだよ」
_「え!何もしてませんよー、珍しく雲雀さんが目を覚さないからー」
とはいえど目の前にいる***は生きている。
それだけで安堵している自分がいた。
雲「何やってんの?」
_「今まで撮った写真の整理ですよー」
机の上には、例の射影機で撮ったのだろう写真が数枚、広げられている。
その中の一枚を取っては両手で持つ雲雀を見て、***が慌てて取り上げた。
_「何するんですかー、一枚しか無いんですから!」
雲「気に食わないから破くんだよ、返してソレ」
ソレとは、骸とのツーショ写真。
雲雀は骸だけではなくツーショも気に食わない様子、それはそうだろう。
雲雀だって、まだ***と二人で写真に写ったことなどない。
_「じゃ、雲雀さんも一緒に撮りましょーよ」
そう言って射影機を構える***に、不服そうにしながらも隣に並ぶ雲雀。
_「…あれ?」
写真を見て、***が眉を寄せる。
_「ブレたのかなぁ。すいません、雲雀さん、もう一回いいですかー?」
雲「別に良いけど」
_「んー…?」
出てきた写真を見て、***は悩んでいる様子。
雲「どうかしたの?」
そう言いながら写真を確認して雲雀が息を呑む。
写真に映る***の顔が渦のように歪んでいる。
_「うーん、死期が近い人とか顔が消えるとか言いますよね。でも、まさかねー」
雲雀の脳裏に浮かぶ、先ほど見た夢。
雲「出かけるよ」
_「え、どこにですかー?」
雲「お祓い」
効果があるかは分からないが、写真と***の両方にお祓いをしてもらう必要があると、心が逸った。
_「はー、やっぱ緊張しますよね。お寺の雰囲気とかー、どうかしたんですか?」
雲「…、」
お祓いはした。
けれど雲雀の懸念は晴れない。
雲「***、今日は僕の家に泊まって」
_「別に良いですよー。雲雀さんちのご飯とお風呂、好きなんですよねー」
なんて本人は能天気だ。
雲雀はスマホで草壁に連絡を取る。
必要なものを揃えてもらう為だ。
_「今日は離れの方なんですねー」
趣ある庭園に囲まれた12畳はある和室。
二人で泊まるには十分な広さだ。
全てを済ませて寝る準備をして布団に入る***を他所に、雲雀は草壁に用意してもらったお札や魔除けを設置する。
_「厳重ですねー」
そういうことは慣れっこなのか、***が楽しげに笑っている。
_「どうしようもないんですよ、この体質。両親も苦労して、お寺に預けて修行したりもしたんですけど制御うんぬんの話じゃないみたいでー…」
最後の方は溜息混じりに諦めた声。
_「…なんで生きてるんですかね、私」
居なくなった方が人に迷惑をかけなくても良いのに…そう続けたかったが、やめた。
雲「キミを必要としている人は必ず居るよ、両親だって諦めなかったんだろ」
_「…ぅ、」
***は布団を被って泣き出した。
その布団の上から、雲雀は優しく撫で叩いた。
ザワッ..
空気が変わったのを肌で感じて、雲雀が身構える。
雲「…来た」
→
業火に包まれた日本邸、
雲「***!!」
どの部屋に居るのか、見つからない彼女に焦りが募る。
あちこちに火が回っていて、タイムリミットが迫っていることを悟る。
雲「! 見つけた、こんな所に」
白いワンピースを身につけた***は、ゆっくり振り返った。
その手を取って走り出す。
今にも崩れ落ちてきそうな炎に包まれた建物から脱出する為に。
崩れ落ちた通路を避けて、ようやく玄関ホールに着いて希望が見えた。
スルッと***の手が、雲雀の手を離れる。
雲「何してるんだ、早く出ないと!」
_「…私、いけない」
涙を讃えるその瞳が、全身が、うっすらと向こう側の景色を透かして映し出す。
_「ごめんなさい」
雲「何を言ってるの、ほらもう出口だよ」
震える声を何とか正しながら、雲雀が手を伸ばす。
ーーー生きて。
ドンっと何かに押されて、まるで流されるように屋敷の外へと追い出される。
振り返った雲雀の目に、崩れていく屋敷の中で笑っている幽霊の***が見えた。
雲「嘘だ!!」
雲雀がソファから飛び起きるのを見て、***が驚きで跳ねた。
_「おはようございます…?」
何が起きたのか分からない***は、目を丸くして雲雀を見る。
雲「…、夢?」
_「だと思いますけど」
雲「はぁ、心臓に悪い」
_「それは、こっちのセリフですよー。すごくビックリしたんですから」
雲「…キミのせいだよ」
_「え!何もしてませんよー、珍しく雲雀さんが目を覚さないからー」
とはいえど目の前にいる***は生きている。
それだけで安堵している自分がいた。
雲「何やってんの?」
_「今まで撮った写真の整理ですよー」
机の上には、例の射影機で撮ったのだろう写真が数枚、広げられている。
その中の一枚を取っては両手で持つ雲雀を見て、***が慌てて取り上げた。
_「何するんですかー、一枚しか無いんですから!」
雲「気に食わないから破くんだよ、返してソレ」
ソレとは、骸とのツーショ写真。
雲雀は骸だけではなくツーショも気に食わない様子、それはそうだろう。
雲雀だって、まだ***と二人で写真に写ったことなどない。
_「じゃ、雲雀さんも一緒に撮りましょーよ」
そう言って射影機を構える***に、不服そうにしながらも隣に並ぶ雲雀。
_「…あれ?」
写真を見て、***が眉を寄せる。
_「ブレたのかなぁ。すいません、雲雀さん、もう一回いいですかー?」
雲「別に良いけど」
_「んー…?」
出てきた写真を見て、***は悩んでいる様子。
雲「どうかしたの?」
そう言いながら写真を確認して雲雀が息を呑む。
写真に映る***の顔が渦のように歪んでいる。
_「うーん、死期が近い人とか顔が消えるとか言いますよね。でも、まさかねー」
雲雀の脳裏に浮かぶ、先ほど見た夢。
雲「出かけるよ」
_「え、どこにですかー?」
雲「お祓い」
効果があるかは分からないが、写真と***の両方にお祓いをしてもらう必要があると、心が逸った。
_「はー、やっぱ緊張しますよね。お寺の雰囲気とかー、どうかしたんですか?」
雲「…、」
お祓いはした。
けれど雲雀の懸念は晴れない。
雲「***、今日は僕の家に泊まって」
_「別に良いですよー。雲雀さんちのご飯とお風呂、好きなんですよねー」
なんて本人は能天気だ。
雲雀はスマホで草壁に連絡を取る。
必要なものを揃えてもらう為だ。
_「今日は離れの方なんですねー」
趣ある庭園に囲まれた12畳はある和室。
二人で泊まるには十分な広さだ。
全てを済ませて寝る準備をして布団に入る***を他所に、雲雀は草壁に用意してもらったお札や魔除けを設置する。
_「厳重ですねー」
そういうことは慣れっこなのか、***が楽しげに笑っている。
_「どうしようもないんですよ、この体質。両親も苦労して、お寺に預けて修行したりもしたんですけど制御うんぬんの話じゃないみたいでー…」
最後の方は溜息混じりに諦めた声。
_「…なんで生きてるんですかね、私」
居なくなった方が人に迷惑をかけなくても良いのに…そう続けたかったが、やめた。
雲「キミを必要としている人は必ず居るよ、両親だって諦めなかったんだろ」
_「…ぅ、」
***は布団を被って泣き出した。
その布団の上から、雲雀は優しく撫で叩いた。
ザワッ..
空気が変わったのを肌で感じて、雲雀が身構える。
雲「…来た」
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