悪意
「……ね?簡単でしょ?」
「…………ふん…そんな要求が呑めるか!」
「あら、クロに勝ちたいんじゃないの?」
「それは………」
「あなたはクロに勝ちたい。私はクロを手に入れたい…。目的の人物は一緒でしょう?」
「だが、それじゃ……」
「ふん。貴方は変わらないわね。意固地で頑固で屁理屈ばかりの全く面白みのない男」
「っ!…なんだと?お前こそ悪意の固まりの尻軽女だろう!!」
「ふふ……なんとでも。さ、言う通りにしなさいよ?貴方には拒否権はないからね」
「てめぇ……」
「度重なる失敗に皆貴方を見限ろうとしているのよ?これ以上、惨めになりたいの?」
「…………」
「まあ、私はクロが手に入れば祭なんかどうでもいいわ。……貴方の事もね」
「……そうか。それを聞いて安心した」
「?」
「俺もクロに勝てば、お前なんかどうなろうが関係ないからな。……たとえ、どんな目に遭おうが俺の知ったこっちゃない」
「!?は?何様?あんたいい加減にっ……!!」
「………要求は呑んでやる。用件はすんだろ?さっさと消えろ。目障りだ」
「……っ!そんな態度取って……どうなったって知らないわよ!?」
「消えろ!!」
「っっ!!ふ、ふん!!せいぜい足掻く事ね!あんたなんてどんなに頑張ったってクロには敵わないわ!!」
「………お前が出て行かないなら俺が出ていく。もう二度と俺の前に姿を見せるな…」
サイがいなくなり、しんとした室内に取り残されたアヤは、普段は絶対に見せない表情をしていた。
サイが自分を未だに惚れていると思っていたアヤは、自分の言うことならなんでも聞くだろうとタカを括っていた。しかし、当のサイは自分を見限ったのだ。しかも自分を侮辱した。
自らに絶対的な自信を持つ、アヤにとってそれはとてつもない屈辱だった。
「…覚えていなさい。貴方が誰を敵に回したか、教えてあげるわ…」
……それは、悪意に満ちた悪鬼の顔。
その悪鬼が動き出すまで
もう少し………
《悪意》END
「…………ふん…そんな要求が呑めるか!」
「あら、クロに勝ちたいんじゃないの?」
「それは………」
「あなたはクロに勝ちたい。私はクロを手に入れたい…。目的の人物は一緒でしょう?」
「だが、それじゃ……」
「ふん。貴方は変わらないわね。意固地で頑固で屁理屈ばかりの全く面白みのない男」
「っ!…なんだと?お前こそ悪意の固まりの尻軽女だろう!!」
「ふふ……なんとでも。さ、言う通りにしなさいよ?貴方には拒否権はないからね」
「てめぇ……」
「度重なる失敗に皆貴方を見限ろうとしているのよ?これ以上、惨めになりたいの?」
「…………」
「まあ、私はクロが手に入れば祭なんかどうでもいいわ。……貴方の事もね」
「……そうか。それを聞いて安心した」
「?」
「俺もクロに勝てば、お前なんかどうなろうが関係ないからな。……たとえ、どんな目に遭おうが俺の知ったこっちゃない」
「!?は?何様?あんたいい加減にっ……!!」
「………要求は呑んでやる。用件はすんだろ?さっさと消えろ。目障りだ」
「……っ!そんな態度取って……どうなったって知らないわよ!?」
「消えろ!!」
「っっ!!ふ、ふん!!せいぜい足掻く事ね!あんたなんてどんなに頑張ったってクロには敵わないわ!!」
「………お前が出て行かないなら俺が出ていく。もう二度と俺の前に姿を見せるな…」
サイがいなくなり、しんとした室内に取り残されたアヤは、普段は絶対に見せない表情をしていた。
サイが自分を未だに惚れていると思っていたアヤは、自分の言うことならなんでも聞くだろうとタカを括っていた。しかし、当のサイは自分を見限ったのだ。しかも自分を侮辱した。
自らに絶対的な自信を持つ、アヤにとってそれはとてつもない屈辱だった。
「…覚えていなさい。貴方が誰を敵に回したか、教えてあげるわ…」
……それは、悪意に満ちた悪鬼の顔。
その悪鬼が動き出すまで
もう少し………
《悪意》END