Pure rain
私は一番。
私の言いなりになるのは
当たり前でしょ?
Pure rain
「…白川雪菜……。どうあっても飯塚くんから離れないみたいで…」
取り巻きの一人、日野まりなが悔しそうに私に言う。
まあ、予測は出来た事だし、日野まりなに大した期待はしてない。
「……また雪菜ちゃんに何かしたの?止めてって言ってるじゃない」
「だ、だけど!蓮汰くんとお似合いなのは愛莉だけよ?あんな地味で暗い子なんて……」
納得いかないと食い下がる日野まりな。
馬鹿じゃない?知ってるのよ私。あんたも蓮汰くんが好きな事。
私の目を盗んで、蓮汰くんの事を目で追ってるのを何度も見たことがある。あんたみたいな顔も性格もブスな女、蓮汰くんが相手にするわけないじゃない。
「とにかく、もうやめて。不愉快だわ」
「!そ、そんな…」
「いいわね」
「……分かったわ」
渋々了解した日野まりなに背を向け、彼の元へ向かう。部活をしているグラウンドへ。
時間的にはもう終わっている時間だろう。白川雪菜の件でかなり落ち込んでいた蓮汰くんを、私が優しく慰めてあげれば……無意識に笑みが深くなる。
昇降口を抜け、下駄箱で靴を履き替えてグラウンドに出ようとした私の足は止まった。
目に映ったのは……
抱きしめあう蓮汰くんと白川雪菜。
距離が離れているせいか、会話は聞こえない。しかし、雰囲気的に仲直りをした感じに見えた。
しばらく見ていると、蓮汰くんは白川雪菜を連れ、帰って行った。
「どうして………どうしてどうしてどうして!?」
なんで白川雪菜なの?私じゃないの?
―ナンデナノ…?―
「白川雪菜……あんたを地獄に突き落としてあげるわ………」
私は携帯を取り出し、電話を掛けた。
「もしもし?私よ。実はお願いがあるの…………うん、白川雪菜の情報を調べて?……うん。その情報を偽造してネットに流して。そうね………援助交際してるって感じにして………私のお願い聞いてくれるよね?うん………ふふ…ありがと」
「パパ」
あの女を地獄に落として、蓮汰くんを手に入れる。良心?そんなのない。私が一番、みんな私の言いなり。だって私は、
―お姫様だもの―
Pure rain
人の心を捨て、
悪魔に魂を売った少女が誘う
―悪魔のような企み―