よろず屋★DEVIL
蓮汰『なんとかしてくんないか?マジで』
ロザリア『いやいや…人の顔見るなり、なんやねんいきなり』
蓮汰『デートしたいんだよ』
ロザリア『すればええやん』
蓮汰『出来ねぇから頼んでんだよ』
ロザリア『知るか!リア充が。木っ端みじんに爆発しろや!!』
蓮汰『あんた、よろず屋なんだろ?一応』
ロザリア『(リア充にツッコミはなしやんな…)ウチかて、相手を選ぶ権利あるやろが。せやから知らん!!』
レスカ『…おい。いつまでやっているんだ。ロザリア仕事に私情を挟むのはやめろ』
ロザリア『あん?うっさいわ!!シマウマハゲ!!』
レスカ『……まだあの事を根に持っているのか……猫…いや。まるで蛇だな』
ロザリア『そうやで!ウチは執念深いさかい。夜道は気ぃ付けや………』
レスカ『闇討ちか。いいだろう、返り討ちにしてやる』
蓮汰『……おい。クライアント無視して、物騒な会話を繰り広げてんじゃねぇよ……』
雪菜『えっと………』
琥珀『はあ……』
★★★
レスカ『…つまり、シスコン兄貴のせいで、落ち着いてデートも出来ないと…そういうことだな』
蓮汰『まあ、大体のニュアンスは掴んでんな。漫才してた割には』
雪菜『れ、蓮ちゃん!!』
ロザリア『ちっ!くそ生意気なやっちゃ。本気で爆心地にしてやろか?あん?』
雪菜『す、すみません!!蓮ちゃん最近、凄くイライラしてて……いつもならこんな事言わないんです!赦してあげてください』
琥珀『ま、まあまあ、、、で、お兄さんて誰ですか?』
雪菜『えっと……』
ドドドド…
バンッ
???『呼ばれてないのにジャジャジャーン!って、雪菜~!!』
全員:(お前かーい!!)
ロザリア『……どこぞのKYかと思えば、飛んでる刑事やん。なんやその、思わず手加減なしでぶっ飛ばしたくなるような、登場の台詞は………』
レスカ『……まあ、言っている事はあながち間違ってはいないな…』
琥珀『…呼んでないですもんね……』
???『よぉ!よろず屋トリオ!……って、蓮汰!!お前!雪菜をどこに連れて行く気だ!』
蓮汰『……でた』
雪菜『お、お兄ちゃん……』
琥珀『…え?じゃあ、シスコン兄さんって……』
レスカ『……お前か。悠希………』
ロザリア『……今回の仕事、降りるわ……』
蓮汰『あ?何言ってんだ、てめぇ!!仕事放棄すんじゃねぇよ!!』
ロザリア『あ?放棄する前に引き受けてへんやん!!他当たれや!くそ坊主!!』
蓮汰『てめぇ!!逃げんのかよ!!だらしねぇな、ヘタレ野郎!!』
ロザリア『なんやと?聞き捨てならへんな!っしゃあ!やったろうやないか!この野郎!!』
レスカ『…ものの数十分でロザリアの扱いが上手くなったな………』
悠希『?依頼?なんだよ、それ?』
琥珀『あ、なんでもないんです!ところで悠希さん、何か御用ですか?』
悠希『…あ!そうなんだよ!雪菜が狼に連れ去られたって聞いてよ!もし、あーんな事やこーんな事まで…………駄目だあ!お兄ちゃんは赦しません!』
蓮汰『……狼って。何想像してんだよ…。まだ何もしてねぇよ!』
レスカ『………まだ?』
蓮汰『い、いや。って、引き受けてくれるよな!?』
琥珀『まあ、依頼ですからね。分かりました!引き受けます!!』
レスカ『仕事だしな。……って、ロザリア…どこに行く気だ』
ロザリア『いや、……トイレ……』
レスカ『少し我慢しろ。そして逃げようなんて思うな。私だって死ぬほど嫌なんだ』
雪菜『す、すみません。お願いします』
琥珀『はい、確かに承りました。あ、この書類に記入お願いします』
雪菜『は、はい』
カリカリ……
――――
ガチャ……
ナタリア『琥珀、さっきすごい騒音したけど……って、悠希じゃない。……なんで床に転がって泣いてるのよ…』
ロザリア『逞し過ぎる想像力の中に入り込んどるんや。…てか、自分の妹でいかがわしい妄想繰り広げんなや……』
ナタリア『邪魔なんだけど。どうにかしてよ』
ロザリア『おい!シスコン兄貴!仕事戻れや!クソが!でないとぶっ殺すわよ!!って……ナタリアが言っとるでぇ』
ナタリア『…私そこまで言ってないけど…』
悠希『……ううう…』
蓮汰『……うぜえ…』
雪菜『ご、ごめんなさい』
レスカ『…とにかく、部下に迎えに来てもらうか……邪魔だしな…』
ロザリア『せやな。邪魔やしな』
ナタリア『邪魔だものね……』
琥珀『いま、電話しておきましたので、そろそろ来ると思いますよ』
悠希『うぅぅっ…』
蓮汰『行こう、雪菜』
雪菜『う、うん…お兄ちゃん、行くね』
悠希『ゆ、雪菜!!行くなあ!!俺も行く!』
蓮汰『くんな』
雪菜『ごめんね、お兄ちゃん』
悠希『わあああああん』
ロザリア『うっさいな。口にユリアの物体Y詰め込むで…』
レスカ『死ぬぞ』
ナタリア『いいんじゃない。そのまま永眠させときましょ』
琥珀『ま、まあまあ。そろそろ来ますから、少しの辛抱ですよ。あ、悠希さん飴食べます?』
悠希『ひっく……コクン』
レスカ『飴一つで泣き止んだ…ガキかこいつは…』
ロザリア『ただのシスコン馬鹿兄貴やろ…あーあ、こいつにだけは、関わり合いたくなかったのに……』
レスカ『引き受けてしまったものは、仕方ないだろう。諦めろ』
琥珀『えっ……と、すみませんでした』
というわけで、よろず屋メンバーは日曜日に、悠希の足止め&邪魔の阻止をすることになった。
――――
そして…日曜日。
琥珀『こちら琥珀。雪菜さん、無事に家から出ました。どうぞ!!』
レスカ【蓮汰も家を出たぞ。どうぞ。】
琥珀たちよろず屋は、
蓮汰&雪菜カップルの依頼を遂行していた。
琥珀『了解です!!では、引き続き家を見張ります!どうぞ!』
レスカ【わかった。私たちは蓮汰の後を追う。行き先は到着次第知らせる。どうぞ…って普通に話さないか?琥珀】
琥珀『?何故です?』
レスカ【無線じゃなくて、携帯だろ。これ】
琥珀『……それもそうですね。じゃあ普通に話しますか。
それにしても、悠希さんがシスコンだったなんて……奈由さん知らなかったみたいですよ。ユイさんは知ってたみたいですけど』
レスカ【まあ確かに。雪菜って娘、どこか危なっかしい感じするからな】
琥珀『それにしたって、メールや電話を1時間毎に…なんて。なんか怖いですよ』
レスカ【最早、ストーカーだな。間違いを起こす前に止めなければ…っと、駅に着いたな。また、後で掛ける。じゃあな】
プツン……
琥珀『ふう。さて、悠希さんどう出るんでしょうか?』
葵『……ねぇ、あのさ。なにしてるの?刑ドロ??』
琥珀『なに言ってるんですか!これは遊びじゃないですよ?』
葵『い、いや。そんな事言われてもさ。成り行きが分からないもん』
琥珀『あ、そういえば説明忘れてましたね、すみません。実は……』
~説明中~
葵『うへっ!キモい!雪菜かわいそう!!』
琥珀『キモいって…せめて気色悪いにしてあげましょうよ』
葵『……どっちも意味的には同じだよ、琥珀……あれ、あの人じゃない?悠希って人!』
琥珀『やっぱり動きましたか…駅の方に向かってますね。行きましょう!』
葵『はいよ!』
一方、こちらは桜花台駅。
レスカ『蓮汰のやつ、ここまで迎えに来てるのか…』
ロザリア『マメなやっちゃ』
水樹『どこ行くのかな…?』
ロザリア『決まっとるやないか!!デートゆうたら、武器博覧会やん(笑)』
レスカ『………なんだその胡散臭そうな博覧会は……。そんな所に行って、喜ぶのはお前だけだ』
水樹『右に同じ』
ロザリア『な、なんでや?楽しいで?バズーカとかランチャーとか!』
水樹『大体、今時の学生がバズーカやらランチャーやらがひしめきあってる場所でデートなんてするはずないじゃん。もし、あたしの彼氏が行きたがったら、命の危険を感じるよ…』
レスカ『たしかにな。まあ、王道は映画か遊園地だろう。……ん?雪菜が到着か。……駅の中に入ったな。追うぞ』
水樹『アイアイサー!!』
ロザリア『くそ~!!なんやねん…人の事、変わり者呼ばわりして…あんたらなんて武器の良さも分からんくせに!!…って、待ったらんかい!』
蓮汰『ふう。今のところ悠希は来てねえな』
雪菜『でも、お兄ちゃんの事だし…絶対後付けてくると思う』
蓮汰『…だよな。毎回不思議なんだけどさ、なんであいつ俺達の居場所わかるんだ?』
雪菜『あ、その事聞いてみた事あるの。…お兄ちゃん、なんて言ったと思う?』
蓮汰『?』
雪菜『《匂い》だって…』
蓮汰『…………は?』
雪菜『だから《匂い》……』
蓮汰『…いやいや……犬か?犬なのか?前世は犬なのか?そうなのか?』
雪菜『はは…あ、電車来たよ、蓮ちゃん』
蓮汰『……はっ!じゃあ行くか。雪菜』
雪菜『うん!』
ロザリア『……』
水樹『………』
レスカ『……聞いてはいけない事を聞いてしまったな』
ロザリア『悠希のやつ、末期やな。てっきり刑事の勘!とか言うかと思っとったのに…』
水樹『…匂いだもんねぇ……』
レスカ『今後、悠希を見る目が変わりそうだ……』
ロザリア『あれで刑事が務まるんやもんな…世も末やな』
水樹『……あ、蓮汰と雪菜、電車乗ったよ!あたし達も行かないと!』
レスカ『急ぐぞ』
ロザリア『あいよ』
琥珀『悠希さん、すごく歩くの早いです』
葵『よっぽど雪菜の事が、心配なんだね…そういえばレスカから連絡は?』
琥珀『いえ、まだ来てません。きっと、雪菜さん達が目的地に着いたら、連絡してくるはずですよ』
葵『そっか……あ、駅に着いたね。……ね、ねえ琥珀…』
琥珀『?どうしたんですか?』
葵『悠希さんなにしてるの?』
琥珀『え……?、、なんかクンクンしてますね…犬みたいです』
葵『まさか、匂いを頼りにするつもりかな…』
琥珀『まさか!!と言いたい所ですが、今の悠希さんならやりかねないです』
葵『もしかしてさ、今までの尾行の方法って、これなんじゃない?なんか慣れてるみたいだし』
琥珀『悠希さん…通行人の人達に痛い人を見る目で見られてます』
葵『まあ、わたし達もその中に含まれるんだろうけど…』
琥珀『あ、ホームに向かうみたいですよ!私達も行きましょう』
葵『うん、そうだね。何かしでかす前に回収しなくちゃ』
悠希って一体……
――――
《前回までのあらすじ》
蓮汰と雪菜から、雪菜のシスコン兄貴、悠希の足止め&乱入の阻止、もしくは成敗を依頼された、琥珀たち。色々もめたが結局やるはめに…(琥珀のせいで)
当日、レスカとロザリア、水樹は蓮汰たちを、悠希は琥珀て葵で尾行。悠希の知らないほうが良かった素顔を、知ってしまいショックを受けながらも仕事を遂行中。
はてさて…どうなることやら。
――――
~白波水族館駅~
蓮汰『ん~っ!やっと着いたな!』
雪菜『うん、蓮ちゃん。うわあ…やっぱり凄い人混みだね』
蓮汰『だな。連休だし。やっぱり家族連れが多いな。雪菜!はぐれないように…ほら!』
雪菜『うんっ!』
蓮汰『さてと…どこから見ようか…』
水樹『~くはあ!!なんかさっきからあてられっぱなしだよ…』
ロザリア『せやな~。電車の中でも見てるこっちが恥ずかしくなるくらいイチャついとったからなあ…』
レスカ『…まあ、それはともかく。一旦琥珀に連絡を入れないとな』
ピッピッ
プルルルッ プルルルッ
プ…
琥珀【はい!琥珀です!】
レスカ『ああ、琥珀か?蓮汰と雪菜が無事、目的地に着いた』
琥珀【そうですか!こちらも悠希さんが動き出しまして、今桜花台駅にいます】
レスカ『!そうか。予想通りだな。で?悠希の様子は?』
琥珀【そ…それが、犬みたいにクンクンしながら、駅の中を歩き回ってます…】
レスカ『……そうか。雪菜の話はどうやら本当らしいな…』
琥珀【?話って?】
レスカ『…いや。合流してから話す…。蓮汰と雪菜は白波水族館にいるぞ。悠希の顔を直視できる自信がないから、出来れば足止めしてほしいんだが…』
琥珀【えっ!…し、白波水族館!?】
レスカ『…無理そうだな…』
琥珀【うぅ、すみません…。実はいま、白波水族館駅方面の電車に乗るところなんです。悠希さん、しばらくクンクンしたあと、迷いもなくホームに直行しまして…】
レスカ『…………凄まじい嗅覚だな。伊達に邪魔し続けているわけではないということか。とにかく、目的地がここと分かった以上、修羅場は覚悟しなくてはな。琥珀、出来るだけ悠希から目を離すな』
琥珀【了解です!!…あ、電車が来ました。一旦切りますね】
レスカ【ああ…】
水樹『琥珀姉なんだって?』
レスカ『悠希がこちらに向かっているそうだ。琥珀達もこちらに来る』
ロザリア『ああ。足止め無理やったんやなあ。もしかして悠希の奴、クンクンして匂い辿ってたりしたりして』
レスカ『よく分かったな。その通りだ』
ロザリア『え。マジでか。期待を裏切らん奴やなあ、ははは』
水樹『ちょ、ロザりん、期待してたの?』
ロザリア『ロザりんゆうな。いや、なんや。出来れば裏切って欲しかったとゆうか、当たってもうて嬉しいのか悲しいのか。複雑やな』
レスカ『嬉しくはないだろ』
水樹『確かにね。って、悠希こっちに来るって事だよね?うわあ、どうしよ』
ロザリア『はあ。いっそ蹴り飛ばしてええかな?』
レスカ『いいわけないだろう。まあ、もしもまずそうな時は力ずくで阻止するしかないな』
水樹『うへぇ。自信ない』
ロザリア『同じく』
レスカ『おい。モチベーションを無理矢理にでもあげろ。上げてくれ、頼むから…』
ロザリア・水樹『へ~い』
レスカ『とりあえず引き続き蓮汰たちを追うぞ』
ロザリア・水樹『アイアイサー』
――――
―一方琥珀と葵は…
ガタンゴトン…
琥珀『、、、』
葵『、、、』
琥珀『寝てますね、悠希さん』
葵『うん。まあ、下手に騒がれるよりいいじゃない』
琥珀『そうですね。あと、一駅ですね。あ、あれ?』
葵『どうしたの?琥珀?』
琥珀『悠希さんが消えてますっ!!一体どこに』
葵『あ、いた!っていつの間に!』
「まもなく、白波水族館駅~」
琥珀『あぁ!悠希さんが行っちゃいます!急ぎますよ!』
葵『わぉ!足早っ!』
琥珀『追いつけるか微妙です~』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ロザリア『ん?げっ、あれ悠希やん!あわわわどないしよ~』
水樹『ず、随分早いお着きで』
レスカ『周りが見えていないみたいだな。ん?琥珀達だ』
琥珀『はあはあ。レスカ!ロザリアと水樹も!』
葵『はあ。疲れた』
水樹『お疲れ~!なんか大変だったねぇ。大丈夫?』
琥珀『な、なんとか。は!悠希さんは?』
ロザリア『え。まだ追うん?ええやんもう』
琥珀『ダメです!!何言ってるんですか~!!受けた依頼は完遂しないと。
ああ!!
』
葵『ど、どしたの?』
琥珀『悠希さんがいない!!どこに行ったんでしょうか?』
レスカ『まずいな。悠希が雪菜達を見つけるのが先か、私たちが悠希を見つけるのが先か』
水樹『ちょ、それは無謀と言うもんだよ!だって、悠希には高性能クンクンレーダーが搭載されてるんだよ?』
ロザリア『もう、ほっときゃええやんけ。帰ろ帰ろ』
葵『だからダメだってば。でもどうする?館内かなり広いし。簡単には見つからないよ』
レスカ『このままここにいても仕方ない。手分けして探すか』
琥珀『そうですねって、あれ?あそこにはいつくばってるのって?』
水樹『悠希じゃん!!なにしてんの?カメレオンみたいな格好して』
葵『まさか、また匂いを辿ってるんじゃ』
琥珀『またですか?!もぅ!!いい加減にしてくださいっ!』
水樹『琥珀姉が珍しくイラついてる』
ロザリア『琥珀がキレるなんてよっぽどやんなあ。なんかヤバない?あっちって確か』
レスカ『イルカのコーナーの何がヤバいんだ!!確かにまずいな』
葵『なに?どうしたの?ヤバいって何が?は!まさか?』
水樹『少し前に雪菜と蓮汰が入っていったんだよ。まだいる可能性が高いよ!!どうしよう』
全員(クンクンレーダー恐るべし)
レスカ『とにかく追うぞ!こうなってしまったら、強制送還させる!!』
ロザリア『熱いなあ。今日のレスカ。なんか変なキノコでも食ったん?』
雪菜『!?(ゾクッ)』
蓮汰『来たのか?雪菜』
雪菜『うん。そうみたい。蓮ちゃん!!』
ガシッ
蓮汰『ど、どうした?って、おわ!!』
雪菜『逃げよ!!』
蓮汰『お、おう』
ダダダダダダ…
悠希『!!雪菜~なんで逃げるんだ!!大好きなお兄ちゃんだよ~!!待ってくれ~』
雪菜『つ、着いて来ないで~』
悠希『雪、、、』
ヒュルッ(ドルチェビータ発動)
シュルシュルッ(悠希の足に巻き付く)
ぐいっ(足を引っ張られる)
ビターン(悠希、床とこんにちは)
琥珀『レ、レスカ!?何やってるんですか?!』
レスカ『す、すまない。つい』
水樹『あーあ。悠希、潰れたカエルみたいになってるよ』
葵『……ぷっ』
琥珀『何笑ってるんですかぁ!!!』
葵『ご、ごめ、、、んふふっ、くくっ』
ロザリア『気持ち分かるわ~』
水樹『どうでもいいけど、さっさと回収しなくていいの?』
レスカ『そうだな。また動き出したら厄介だ。今の内にここから連れ出すぞ』
ロザリア『はあ。長い一日やったなぁ』
葵『でも、面白いもの見れたしいいじゃない』
ロザリア『ウチはあんなんオモロイなんて認めへん!』
水樹『ん~。なんていうか、悠希って存在そのものがお笑いネタって感じだもんね』
レスカ『仕事をサボって部下に叱られながら、強制連行されてるしな』
葵『おまけにシスコンストーカー。ウケる』
ロザリア『あんなんでも刑事が務まるんやもんな~世も末やな』
レスカ『お前、さっきも同じ事を言っていなかったか?まあ、なんだ。警察機構の昇進基準がイマイチ分からないな』
水樹『まあ、行動力はあるし!馬鹿だけど』
葵『イケメンだし!馬鹿だけど』
ロザリア『妹思いやしな。シスコン馬鹿やけど』
レスカ『お前達が悠希をどう思っているのか分かった気がするな。確かに馬鹿だけどな』
琥珀『み、みんな(悠希さん威厳も何も踏みにじられてますよ』)
こうして、よろず屋の長い一日は終幕したのだった。
――――
~その後~
部下『悠希先輩!!またですか?また、ストーカー紛いの事してたんですか?』
悠希『何言ってやがる!ストーカーじゃねえ!尾行だ!!』
部下『意味的には一緒ですよ!いい加減にしないと降格しますよ!いいんですか?』
悠希『うっ。そ、それは困るっ!!でも、雪菜が』
部下『今度やったら、長官に言いますからね!』
悠希『なっ!わ、分かった!分かったから、あいつにだけは言わないでくれ!』
琥珀『長官って、昴さんの事ですかね』
レスカ『あの優男が怖いのか、悠希は』
ナタリア『あなた達知らないの?昴って結構ドSって話』
琥珀『そ、それは初耳です!』
レスカ『人は見かけによらないと言う言葉を見事に体言しているな』
はてさて、昴という人物は一体どんな人なのか!!
悠希はどうなってしまうのか!!
次回にこうご期待!!
↑↑↑
きっと続かない。
END
ロザリア『いやいや…人の顔見るなり、なんやねんいきなり』
蓮汰『デートしたいんだよ』
ロザリア『すればええやん』
蓮汰『出来ねぇから頼んでんだよ』
ロザリア『知るか!リア充が。木っ端みじんに爆発しろや!!』
蓮汰『あんた、よろず屋なんだろ?一応』
ロザリア『(リア充にツッコミはなしやんな…)ウチかて、相手を選ぶ権利あるやろが。せやから知らん!!』
レスカ『…おい。いつまでやっているんだ。ロザリア仕事に私情を挟むのはやめろ』
ロザリア『あん?うっさいわ!!シマウマハゲ!!』
レスカ『……まだあの事を根に持っているのか……猫…いや。まるで蛇だな』
ロザリア『そうやで!ウチは執念深いさかい。夜道は気ぃ付けや………』
レスカ『闇討ちか。いいだろう、返り討ちにしてやる』
蓮汰『……おい。クライアント無視して、物騒な会話を繰り広げてんじゃねぇよ……』
雪菜『えっと………』
琥珀『はあ……』
★★★
レスカ『…つまり、シスコン兄貴のせいで、落ち着いてデートも出来ないと…そういうことだな』
蓮汰『まあ、大体のニュアンスは掴んでんな。漫才してた割には』
雪菜『れ、蓮ちゃん!!』
ロザリア『ちっ!くそ生意気なやっちゃ。本気で爆心地にしてやろか?あん?』
雪菜『す、すみません!!蓮ちゃん最近、凄くイライラしてて……いつもならこんな事言わないんです!赦してあげてください』
琥珀『ま、まあまあ、、、で、お兄さんて誰ですか?』
雪菜『えっと……』
ドドドド…
バンッ
???『呼ばれてないのにジャジャジャーン!って、雪菜~!!』
全員:(お前かーい!!)
ロザリア『……どこぞのKYかと思えば、飛んでる刑事やん。なんやその、思わず手加減なしでぶっ飛ばしたくなるような、登場の台詞は………』
レスカ『……まあ、言っている事はあながち間違ってはいないな…』
琥珀『…呼んでないですもんね……』
???『よぉ!よろず屋トリオ!……って、蓮汰!!お前!雪菜をどこに連れて行く気だ!』
蓮汰『……でた』
雪菜『お、お兄ちゃん……』
琥珀『…え?じゃあ、シスコン兄さんって……』
レスカ『……お前か。悠希………』
ロザリア『……今回の仕事、降りるわ……』
蓮汰『あ?何言ってんだ、てめぇ!!仕事放棄すんじゃねぇよ!!』
ロザリア『あ?放棄する前に引き受けてへんやん!!他当たれや!くそ坊主!!』
蓮汰『てめぇ!!逃げんのかよ!!だらしねぇな、ヘタレ野郎!!』
ロザリア『なんやと?聞き捨てならへんな!っしゃあ!やったろうやないか!この野郎!!』
レスカ『…ものの数十分でロザリアの扱いが上手くなったな………』
悠希『?依頼?なんだよ、それ?』
琥珀『あ、なんでもないんです!ところで悠希さん、何か御用ですか?』
悠希『…あ!そうなんだよ!雪菜が狼に連れ去られたって聞いてよ!もし、あーんな事やこーんな事まで…………駄目だあ!お兄ちゃんは赦しません!』
蓮汰『……狼って。何想像してんだよ…。まだ何もしてねぇよ!』
レスカ『………まだ?』
蓮汰『い、いや。って、引き受けてくれるよな!?』
琥珀『まあ、依頼ですからね。分かりました!引き受けます!!』
レスカ『仕事だしな。……って、ロザリア…どこに行く気だ』
ロザリア『いや、……トイレ……』
レスカ『少し我慢しろ。そして逃げようなんて思うな。私だって死ぬほど嫌なんだ』
雪菜『す、すみません。お願いします』
琥珀『はい、確かに承りました。あ、この書類に記入お願いします』
雪菜『は、はい』
カリカリ……
――――
ガチャ……
ナタリア『琥珀、さっきすごい騒音したけど……って、悠希じゃない。……なんで床に転がって泣いてるのよ…』
ロザリア『逞し過ぎる想像力の中に入り込んどるんや。…てか、自分の妹でいかがわしい妄想繰り広げんなや……』
ナタリア『邪魔なんだけど。どうにかしてよ』
ロザリア『おい!シスコン兄貴!仕事戻れや!クソが!でないとぶっ殺すわよ!!って……ナタリアが言っとるでぇ』
ナタリア『…私そこまで言ってないけど…』
悠希『……ううう…』
蓮汰『……うぜえ…』
雪菜『ご、ごめんなさい』
レスカ『…とにかく、部下に迎えに来てもらうか……邪魔だしな…』
ロザリア『せやな。邪魔やしな』
ナタリア『邪魔だものね……』
琥珀『いま、電話しておきましたので、そろそろ来ると思いますよ』
悠希『うぅぅっ…』
蓮汰『行こう、雪菜』
雪菜『う、うん…お兄ちゃん、行くね』
悠希『ゆ、雪菜!!行くなあ!!俺も行く!』
蓮汰『くんな』
雪菜『ごめんね、お兄ちゃん』
悠希『わあああああん』
ロザリア『うっさいな。口にユリアの物体Y詰め込むで…』
レスカ『死ぬぞ』
ナタリア『いいんじゃない。そのまま永眠させときましょ』
琥珀『ま、まあまあ。そろそろ来ますから、少しの辛抱ですよ。あ、悠希さん飴食べます?』
悠希『ひっく……コクン』
レスカ『飴一つで泣き止んだ…ガキかこいつは…』
ロザリア『ただのシスコン馬鹿兄貴やろ…あーあ、こいつにだけは、関わり合いたくなかったのに……』
レスカ『引き受けてしまったものは、仕方ないだろう。諦めろ』
琥珀『えっ……と、すみませんでした』
というわけで、よろず屋メンバーは日曜日に、悠希の足止め&邪魔の阻止をすることになった。
――――
そして…日曜日。
琥珀『こちら琥珀。雪菜さん、無事に家から出ました。どうぞ!!』
レスカ【蓮汰も家を出たぞ。どうぞ。】
琥珀たちよろず屋は、
蓮汰&雪菜カップルの依頼を遂行していた。
琥珀『了解です!!では、引き続き家を見張ります!どうぞ!』
レスカ【わかった。私たちは蓮汰の後を追う。行き先は到着次第知らせる。どうぞ…って普通に話さないか?琥珀】
琥珀『?何故です?』
レスカ【無線じゃなくて、携帯だろ。これ】
琥珀『……それもそうですね。じゃあ普通に話しますか。
それにしても、悠希さんがシスコンだったなんて……奈由さん知らなかったみたいですよ。ユイさんは知ってたみたいですけど』
レスカ【まあ確かに。雪菜って娘、どこか危なっかしい感じするからな】
琥珀『それにしたって、メールや電話を1時間毎に…なんて。なんか怖いですよ』
レスカ【最早、ストーカーだな。間違いを起こす前に止めなければ…っと、駅に着いたな。また、後で掛ける。じゃあな】
プツン……
琥珀『ふう。さて、悠希さんどう出るんでしょうか?』
葵『……ねぇ、あのさ。なにしてるの?刑ドロ??』
琥珀『なに言ってるんですか!これは遊びじゃないですよ?』
葵『い、いや。そんな事言われてもさ。成り行きが分からないもん』
琥珀『あ、そういえば説明忘れてましたね、すみません。実は……』
~説明中~
葵『うへっ!キモい!雪菜かわいそう!!』
琥珀『キモいって…せめて気色悪いにしてあげましょうよ』
葵『……どっちも意味的には同じだよ、琥珀……あれ、あの人じゃない?悠希って人!』
琥珀『やっぱり動きましたか…駅の方に向かってますね。行きましょう!』
葵『はいよ!』
◇
◆
一方、こちらは桜花台駅。
レスカ『蓮汰のやつ、ここまで迎えに来てるのか…』
ロザリア『マメなやっちゃ』
水樹『どこ行くのかな…?』
ロザリア『決まっとるやないか!!デートゆうたら、武器博覧会やん(笑)』
レスカ『………なんだその胡散臭そうな博覧会は……。そんな所に行って、喜ぶのはお前だけだ』
水樹『右に同じ』
ロザリア『な、なんでや?楽しいで?バズーカとかランチャーとか!』
水樹『大体、今時の学生がバズーカやらランチャーやらがひしめきあってる場所でデートなんてするはずないじゃん。もし、あたしの彼氏が行きたがったら、命の危険を感じるよ…』
レスカ『たしかにな。まあ、王道は映画か遊園地だろう。……ん?雪菜が到着か。……駅の中に入ったな。追うぞ』
水樹『アイアイサー!!』
ロザリア『くそ~!!なんやねん…人の事、変わり者呼ばわりして…あんたらなんて武器の良さも分からんくせに!!…って、待ったらんかい!』
**
蓮汰『ふう。今のところ悠希は来てねえな』
雪菜『でも、お兄ちゃんの事だし…絶対後付けてくると思う』
蓮汰『…だよな。毎回不思議なんだけどさ、なんであいつ俺達の居場所わかるんだ?』
雪菜『あ、その事聞いてみた事あるの。…お兄ちゃん、なんて言ったと思う?』
蓮汰『?』
雪菜『《匂い》だって…』
蓮汰『…………は?』
雪菜『だから《匂い》……』
蓮汰『…いやいや……犬か?犬なのか?前世は犬なのか?そうなのか?』
雪菜『はは…あ、電車来たよ、蓮ちゃん』
蓮汰『……はっ!じゃあ行くか。雪菜』
雪菜『うん!』
**
ロザリア『……』
水樹『………』
レスカ『……聞いてはいけない事を聞いてしまったな』
ロザリア『悠希のやつ、末期やな。てっきり刑事の勘!とか言うかと思っとったのに…』
水樹『…匂いだもんねぇ……』
レスカ『今後、悠希を見る目が変わりそうだ……』
ロザリア『あれで刑事が務まるんやもんな…世も末やな』
水樹『……あ、蓮汰と雪菜、電車乗ったよ!あたし達も行かないと!』
レスカ『急ぐぞ』
ロザリア『あいよ』
**
**
琥珀『悠希さん、すごく歩くの早いです』
葵『よっぽど雪菜の事が、心配なんだね…そういえばレスカから連絡は?』
琥珀『いえ、まだ来てません。きっと、雪菜さん達が目的地に着いたら、連絡してくるはずですよ』
葵『そっか……あ、駅に着いたね。……ね、ねえ琥珀…』
琥珀『?どうしたんですか?』
葵『悠希さんなにしてるの?』
琥珀『え……?、、なんかクンクンしてますね…犬みたいです』
葵『まさか、匂いを頼りにするつもりかな…』
琥珀『まさか!!と言いたい所ですが、今の悠希さんならやりかねないです』
葵『もしかしてさ、今までの尾行の方法って、これなんじゃない?なんか慣れてるみたいだし』
琥珀『悠希さん…通行人の人達に痛い人を見る目で見られてます』
葵『まあ、わたし達もその中に含まれるんだろうけど…』
琥珀『あ、ホームに向かうみたいですよ!私達も行きましょう』
葵『うん、そうだね。何かしでかす前に回収しなくちゃ』
悠希って一体……
――――
《前回までのあらすじ》
蓮汰と雪菜から、雪菜のシスコン兄貴、悠希の足止め&乱入の阻止、もしくは成敗を依頼された、琥珀たち。色々もめたが結局やるはめに…(琥珀のせいで)
当日、レスカとロザリア、水樹は蓮汰たちを、悠希は琥珀て葵で尾行。悠希の知らないほうが良かった素顔を、知ってしまいショックを受けながらも仕事を遂行中。
はてさて…どうなることやら。
――――
~白波水族館駅~
蓮汰『ん~っ!やっと着いたな!』
雪菜『うん、蓮ちゃん。うわあ…やっぱり凄い人混みだね』
蓮汰『だな。連休だし。やっぱり家族連れが多いな。雪菜!はぐれないように…ほら!』
雪菜『うんっ!』
蓮汰『さてと…どこから見ようか…』
水樹『~くはあ!!なんかさっきからあてられっぱなしだよ…』
ロザリア『せやな~。電車の中でも見てるこっちが恥ずかしくなるくらいイチャついとったからなあ…』
レスカ『…まあ、それはともかく。一旦琥珀に連絡を入れないとな』
ピッピッ
プルルルッ プルルルッ
プ…
琥珀【はい!琥珀です!】
レスカ『ああ、琥珀か?蓮汰と雪菜が無事、目的地に着いた』
琥珀【そうですか!こちらも悠希さんが動き出しまして、今桜花台駅にいます】
レスカ『!そうか。予想通りだな。で?悠希の様子は?』
琥珀【そ…それが、犬みたいにクンクンしながら、駅の中を歩き回ってます…】
レスカ『……そうか。雪菜の話はどうやら本当らしいな…』
琥珀【?話って?】
レスカ『…いや。合流してから話す…。蓮汰と雪菜は白波水族館にいるぞ。悠希の顔を直視できる自信がないから、出来れば足止めしてほしいんだが…』
琥珀【えっ!…し、白波水族館!?】
レスカ『…無理そうだな…』
琥珀【うぅ、すみません…。実はいま、白波水族館駅方面の電車に乗るところなんです。悠希さん、しばらくクンクンしたあと、迷いもなくホームに直行しまして…】
レスカ『…………凄まじい嗅覚だな。伊達に邪魔し続けているわけではないということか。とにかく、目的地がここと分かった以上、修羅場は覚悟しなくてはな。琥珀、出来るだけ悠希から目を離すな』
琥珀【了解です!!…あ、電車が来ました。一旦切りますね】
レスカ【ああ…】
水樹『琥珀姉なんだって?』
レスカ『悠希がこちらに向かっているそうだ。琥珀達もこちらに来る』
ロザリア『ああ。足止め無理やったんやなあ。もしかして悠希の奴、クンクンして匂い辿ってたりしたりして』
レスカ『よく分かったな。その通りだ』
ロザリア『え。マジでか。期待を裏切らん奴やなあ、ははは』
水樹『ちょ、ロザりん、期待してたの?』
ロザリア『ロザりんゆうな。いや、なんや。出来れば裏切って欲しかったとゆうか、当たってもうて嬉しいのか悲しいのか。複雑やな』
レスカ『嬉しくはないだろ』
水樹『確かにね。って、悠希こっちに来るって事だよね?うわあ、どうしよ』
ロザリア『はあ。いっそ蹴り飛ばしてええかな?』
レスカ『いいわけないだろう。まあ、もしもまずそうな時は力ずくで阻止するしかないな』
水樹『うへぇ。自信ない』
ロザリア『同じく』
レスカ『おい。モチベーションを無理矢理にでもあげろ。上げてくれ、頼むから…』
ロザリア・水樹『へ~い』
レスカ『とりあえず引き続き蓮汰たちを追うぞ』
ロザリア・水樹『アイアイサー』
――――
―一方琥珀と葵は…
ガタンゴトン…
琥珀『、、、』
葵『、、、』
琥珀『寝てますね、悠希さん』
葵『うん。まあ、下手に騒がれるよりいいじゃない』
琥珀『そうですね。あと、一駅ですね。あ、あれ?』
葵『どうしたの?琥珀?』
琥珀『悠希さんが消えてますっ!!一体どこに』
葵『あ、いた!っていつの間に!』
「まもなく、白波水族館駅~」
琥珀『あぁ!悠希さんが行っちゃいます!急ぎますよ!』
葵『わぉ!足早っ!』
琥珀『追いつけるか微妙です~』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ロザリア『ん?げっ、あれ悠希やん!あわわわどないしよ~』
水樹『ず、随分早いお着きで』
レスカ『周りが見えていないみたいだな。ん?琥珀達だ』
琥珀『はあはあ。レスカ!ロザリアと水樹も!』
葵『はあ。疲れた』
水樹『お疲れ~!なんか大変だったねぇ。大丈夫?』
琥珀『な、なんとか。は!悠希さんは?』
ロザリア『え。まだ追うん?ええやんもう』
琥珀『ダメです!!何言ってるんですか~!!受けた依頼は完遂しないと。
ああ!!
』
葵『ど、どしたの?』
琥珀『悠希さんがいない!!どこに行ったんでしょうか?』
レスカ『まずいな。悠希が雪菜達を見つけるのが先か、私たちが悠希を見つけるのが先か』
水樹『ちょ、それは無謀と言うもんだよ!だって、悠希には高性能クンクンレーダーが搭載されてるんだよ?』
ロザリア『もう、ほっときゃええやんけ。帰ろ帰ろ』
葵『だからダメだってば。でもどうする?館内かなり広いし。簡単には見つからないよ』
レスカ『このままここにいても仕方ない。手分けして探すか』
琥珀『そうですねって、あれ?あそこにはいつくばってるのって?』
水樹『悠希じゃん!!なにしてんの?カメレオンみたいな格好して』
葵『まさか、また匂いを辿ってるんじゃ』
琥珀『またですか?!もぅ!!いい加減にしてくださいっ!』
水樹『琥珀姉が珍しくイラついてる』
ロザリア『琥珀がキレるなんてよっぽどやんなあ。なんかヤバない?あっちって確か』
レスカ『イルカのコーナーの何がヤバいんだ!!確かにまずいな』
葵『なに?どうしたの?ヤバいって何が?は!まさか?』
水樹『少し前に雪菜と蓮汰が入っていったんだよ。まだいる可能性が高いよ!!どうしよう』
全員(クンクンレーダー恐るべし)
レスカ『とにかく追うぞ!こうなってしまったら、強制送還させる!!』
ロザリア『熱いなあ。今日のレスカ。なんか変なキノコでも食ったん?』
雪菜『!?(ゾクッ)』
蓮汰『来たのか?雪菜』
雪菜『うん。そうみたい。蓮ちゃん!!』
ガシッ
蓮汰『ど、どうした?って、おわ!!』
雪菜『逃げよ!!』
蓮汰『お、おう』
ダダダダダダ…
悠希『!!雪菜~なんで逃げるんだ!!大好きなお兄ちゃんだよ~!!待ってくれ~』
雪菜『つ、着いて来ないで~』
悠希『雪、、、』
ヒュルッ(ドルチェビータ発動)
シュルシュルッ(悠希の足に巻き付く)
ぐいっ(足を引っ張られる)
ビターン(悠希、床とこんにちは)
琥珀『レ、レスカ!?何やってるんですか?!』
レスカ『す、すまない。つい』
水樹『あーあ。悠希、潰れたカエルみたいになってるよ』
葵『……ぷっ』
琥珀『何笑ってるんですかぁ!!!』
葵『ご、ごめ、、、んふふっ、くくっ』
ロザリア『気持ち分かるわ~』
水樹『どうでもいいけど、さっさと回収しなくていいの?』
レスカ『そうだな。また動き出したら厄介だ。今の内にここから連れ出すぞ』
ロザリア『はあ。長い一日やったなぁ』
葵『でも、面白いもの見れたしいいじゃない』
ロザリア『ウチはあんなんオモロイなんて認めへん!』
水樹『ん~。なんていうか、悠希って存在そのものがお笑いネタって感じだもんね』
レスカ『仕事をサボって部下に叱られながら、強制連行されてるしな』
葵『おまけにシスコンストーカー。ウケる』
ロザリア『あんなんでも刑事が務まるんやもんな~世も末やな』
レスカ『お前、さっきも同じ事を言っていなかったか?まあ、なんだ。警察機構の昇進基準がイマイチ分からないな』
水樹『まあ、行動力はあるし!馬鹿だけど』
葵『イケメンだし!馬鹿だけど』
ロザリア『妹思いやしな。シスコン馬鹿やけど』
レスカ『お前達が悠希をどう思っているのか分かった気がするな。確かに馬鹿だけどな』
琥珀『み、みんな(悠希さん威厳も何も踏みにじられてますよ』)
こうして、よろず屋の長い一日は終幕したのだった。
――――
~その後~
部下『悠希先輩!!またですか?また、ストーカー紛いの事してたんですか?』
悠希『何言ってやがる!ストーカーじゃねえ!尾行だ!!』
部下『意味的には一緒ですよ!いい加減にしないと降格しますよ!いいんですか?』
悠希『うっ。そ、それは困るっ!!でも、雪菜が』
部下『今度やったら、長官に言いますからね!』
悠希『なっ!わ、分かった!分かったから、あいつにだけは言わないでくれ!』
琥珀『長官って、昴さんの事ですかね』
レスカ『あの優男が怖いのか、悠希は』
ナタリア『あなた達知らないの?昴って結構ドSって話』
琥珀『そ、それは初耳です!』
レスカ『人は見かけによらないと言う言葉を見事に体言しているな』
はてさて、昴という人物は一体どんな人なのか!!
悠希はどうなってしまうのか!!
次回にこうご期待!!
↑↑↑
きっと続かない。
END