眼鏡模様の淡恋

いつも掛けてる黒縁眼鏡。

小学生の時から眼鏡人間だから、他の色にしてみようと思った事は何度かあった。

黄色⇒お笑い芸人みたい

青⇒普通に似合わない

赤⇒食い倒れ人形?

以上が家族に言われた言葉。

「ねぇ、お母さん」

「ん?なに?」

「コンタクト、、、に変えてみたい、、、」

私の言葉に母は目を見開いて驚く。

そんなに意外だったのか、、、、。

「イメチェン?好きな人でも出来た?」

「ぶっ!?」

突然の母の言葉に思わず、口に含んでいたココアを吹き出した。

それを見た母はニヤニヤと笑う。

あ、、、なんか企んでる顔だ、、、失敗した。


数日後、私はコンタクトを手に入れた。

眼鏡を外しコンタクトを付けて、鏡を見てみる。

そこには、

地味で冴えない、いつも見ている自分の顔があった。

「はああぁ、、、無理、、、」

深いため息を吐き、コンタクトを外していつもの黒縁眼鏡に戻る。

「全然可愛くないじゃん、、最悪、、」

鏡の中の自分にぼやく。

せめてもう少し、、、

目が大きかったら、、、

睫毛が長かったら、、、

色が白かったら、、、


彼に釣り合う女の子になれるのに。


昔見た漫画に眼鏡少女が眼鏡を取ると、凄い美少女、、、っていう設定があった。

あの時は「ふーん」としか思わなかったけど、今はそうあって欲しかったと切実に願っている自分がいる。

まぁ、所詮不可能に近い、私には備わっていないスキルだ。

彼もきっとそれを期待していたのかもしれない。

でも現実は、、、



少女漫画みたいにはいかないんです、、、



眼鏡を外したところで私は私なんだから。



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