眼鏡模様の淡恋

私は地味。

真っ黒な三つ編みに黒縁の眼鏡。

規定通りの制服。

周りの子達を見渡せば、自分が浮いて見えるほど。

勿論、恋愛なんてしたことない。

人を真剣に好きになったこともない。。

淋しい、、、なんて思わない。

だって、やらなきゃならないことはてんこ盛りで、

恋愛に時間を費やす暇がない。

何より、私には恋愛は無理、、、と思ってるから。

「ねぇそれさ、度入ってるの?」

でも最近、その考えが変わりつつある。

「え?なんで?」

突然現れた、太陽みたいに笑う彼のせいで。

「ん?入ってないならさ、とった方が可愛いのになあって」

「、、、え、えぇ!?」

彼の言葉に一喜一憂する自分がいる。

恥ずかしげもなく私の心を掻き乱す言葉を、毎日のように掛けていく。

どういう反応をすればいいのか分からず、口元を引きつらせることしかできない私。

つまらない奴だって内心思われてるよね。

「あ、えっと、、、、入ってる、よ」

「へ?」

「あ、いや。度、、、?」

かなりの時差で返事をした瞬間、きょとんとする彼に眼鏡を指し示しながら単語を繋ぐ。



「伊達眼鏡ではないです、、、、」



その後クスクス笑う彼を見て、コンタクトにしてみようかと本気で考えたのは、言うまでもない、、、。

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