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ルゥ
セラスさん!
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セラス
……あなたは…………
…どうしたの?私に何か用? -
ルゥ
ううん!
ひとりでポツンとしていたから -
ルゥ
ちょっと気になって
来てみただけだよ。 -
セラス
……そう。
-
セラス
…………。
-
ルゥ
…あのさ、セラスさん。
-
ルゥ
セラスさんって
あんまり喋らないよね……。 -
ルゥ
ぼくとお話するの…
そんなにイヤかな? -
セラス
イヤではないわ。
-
セラス
…ただ、私には感情がないだけ。
何もわからないのよ、自分のことが……。 -
ルゥ
え…?
-
セラス
……もうずっと長いこと眠っていたような
そんな気しかしないの。 -
セラス
あのマーカスっていう人が言ってたわ。
私は元々、貴族のお嬢様なんだって…。 -
セラス
20年前私が生きていたっていう話も、
その時代の戦争に参加していたという話も… -
セラス
その時代から何かしらの理由があって
ずっととしをとらなかったっていうことも… -
セラス
すべてが本当の話だったということに
なるのかしらね… -
ルゥ
…セラスさん……。
-
セラス
……本当、まるで夜のよう。
-
セラス
きれいな星たちに囲まれて
でも私は真っ暗な闇の中に眠っていて… -
セラス
太陽のようなあなたたちがのぼってきたら
私は完全にひとりぼっちね…。 -
ルゥ
そ、そんなことない!
そんなことないよ!! -
ルゥ
ぼくは思うけどな…
セラスさんはオーロラみたいだって。 -
ルゥ
前に院長先生が僕たちに見せてくれた
-
ルゥ
あのオーロラがかかった空の色に似てるんだ
セラスさんの目の色が…。 -
セラス
そんな…オーロラだなんて
たいそうなものじゃないでしょう? -
ルゥ
ううん、とてもきれいだよ!
ぼくはセラスさんの目、好きだな! -
セラス
!
-
セラス
…バカで恥ずかしい子ね
好きだなんて言葉、そんな大声で……。 -
ルゥ
え?そう?
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セラス
……もういいわ。
-
セラス
でも、少し元気になったかも
…ありがとう、ルゥ。 -
ルゥ
えへへ、どういたしまして!
セラスさんが元気になってよかったよ! -
セラス
…セラス。
-
ルゥ
え?
-
セラス
……セラスでいいわ。
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ルゥ
…セラスさん。
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ルゥ
……ううん、わかったよセラス!
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セラス
ふふ…えぇ。
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